レッドブル・ホンダの可能性を探る 鍵はホンダのパフォーマンス次第か

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実質ワークス体制のメリット

レッドブルの地元オーストリアで優勝したフェルスタッペン 【Red Bull Racing】

 05年にF1に参戦を開始したレッドブルが搭載した最初のエンジンは、コスワースだった。以後、フェラーリ、ルノーのカスタマーで1勝もできなかったレッドブルだったが、09年から突然、チャンピオン争いに躍り出る。

 その最大の理由は09年から導入された新しいレギュレーションに、エイドリアン・ニューウェイ率いるレッドブル開発陣がうまく対応したためだったが、その後もレッドブルは勝利を重ねた。その理由は、それまでワークスとして参戦していたルノーが、09年末にワークス活動を撤退。レッドブルがルノー勢のナンバーワンチームになったからだった。

 レッドブルがルノーと共同で開発して成果を挙げた技術が、排気を空力に利用したブロウンディフューザーだった。しかし、14年からエンジンがパワーユニットになり、16年からルノーがワークスとしてF1に復帰。レッドブルが持つアドバンテージを生かす環境がなくなってしまった。

 そこに現れたのが、3年間におよぶパートナーシップの末、マクラーレンから三行半を突きつけられて、姉妹チームのトロロッソと今年からパートナーを組むこととなったホンダだった。レッドブルが17年からすでにホンダとのパートナーシップを視野に入れていたことは、昨年の日本GP前にレッドブルの関係者が、栃木県にある本田技術研究所 HRDさくらを訪問していたことでもわかる。レッドブルが正式にホンダをパートナーに選ぶと発表したのは、それから8カ月後ことだった。

 発表の中で、ホンダは「ワークス」という言葉を使用しなかったが、供給するチームがレッドブルとその姉妹チームであるトロロッソだけしかないことを考えれば、今回の契約はレッドブル系チームへのワークス体制での供給であることは間違いない。

 ホーナーはこう続ける。

「ホンダとの提携は、われわれにとって初めて自動車メーカーと緊密に連携する機会となった。これにより、われわれは与えられたモノをどう生かすのかという車体づくりではなく、車体をデザインする最初の段階から車体とパワーユニットの融合を考慮することができる」

 レッドブルは夏休み前にホンダから来年用のパワーユニットの寸法を入手。19年に向けてレッドブル・ホンダはすでにスタートを切っている。

(テキスト:Masahiro Owari)

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