BMXの16歳・中村輪夢、高まる注目の中で 京都の仲間は「ほっこりする」存在

矢内由美子

成績は好調 注目度増す16歳がリラックスする場所

高校は通信制。国内外の試合やイベントで忙しく過ごす中村にとって、京都の友人たちとの時間は「ほっこりする」ひとときだ 【写真:松尾/アフロスポーツ】

 大会成績も好調だ。4月に広島で行われたワールドカップ(以下、W杯)では自己最高の9位に入るなど、上位との差を着実に詰めてきた。7月のカナダ・エドモントンでのW杯では、高難度技の「トリプル・テールウィップ(ハンドルを握って車体を横に3回転)」を初めて大会で使って成功。高得点を出して予選3位につけた。
 準決勝では13位になり、12人が進出する決勝には行けなかったが、「ずっと練習してきた技を初めて出せて、しかもきれいに決まったのでうれしかった」と手応えをつかんでいる。16歳という年齢は、W杯出場メンバーの中では最も若手のグループに入る。フィジカルもテクニックも伸び盛りとあって、世界も注目している。

 大会出場や合宿などで海外に行くことが多い中村にとって、もっともリラックスできる場所は、やはり京都だ。

「中学の友達とはたまにご飯に行きますが、会うとほっこりしますね。大会で失敗したり、あまり良い結果じゃなかったりしても応援してくれる。一番身近な存在です」

 また、海外のライダー仲間が来る際には京都を案内することもある。「紅葉の季節に清水寺や伏見稲荷を案内したことがありますが、めちゃくちゃ感動してくれました」という。

W杯自己ベストは9位「まずは順位を上げることが目標」

「W杯で表彰台を経験して、東京五輪でメダルを狙いたいです」。大きく広がる夢に向かって、高く高く飛び上がる 【Getty Images】

 東京五輪まで2年を切り、今後はますます注目が上がっていくはず。中村が目指すところもどんどん高くなっていく。

「BMXフリースタイル・パークでは、ワールドカップが年間5戦あります。まずはそこでどんどん順位を上げていくことが目標。今のところ、自己ベストは9位なので、これから一つずつ順位を上げていけば東京五輪までに表彰台に立てているはず。W杯で表彰台を経験して、東京五輪でメダルを狙いたいです」

 京都をイメージして紫色のカラーリングを施した愛車とともに廻る世界の戦い。若きエースはきょうもBMXを駆って宙を舞う。

2/2ページ

著者プロフィール

北海道生まれ。北海道大卒業後にスポーツニッポン新聞社に入社し、五輪、サッカーなどを担当。06年に退社し、以後フリーランスとして活動。Jリーグ浦和レッズオフィシャルメディア『REDS TOMORROW』編集長を務める。近著に『ザック・ジャパンの流儀』(学研新書)

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント