【新日本プロレス】飯伏が盟友オメガを下し優勝決定戦へ 内藤はザックに屈し連覇の夢断たれる

高木裕美

G1クライマックス予選Bブロックからは飯伏幸太(右から2番目)が優勝決定戦進出 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 新日本プロレスの真夏の祭典「戦国炎舞 -KIZNA- Presents G1 CLIMAX 28」第18戦となる11日の東京・日本武道館大会では、Bブロック公式戦5試合などが行われ、札止めとなる1万2023人を動員した。

 今年のG1は20選手が2ブロックに分かれ、総当りリーグ戦で激突。各ブロックの1位同士が最終戦8.12武道館のメインイベントで優勝決定戦を争う。この日の結果を受け、優勝決定戦のカードは棚橋弘至vs.飯伏幸太に決定。棚橋が勝てば3年ぶり3度目、飯伏が勝てば初優勝となる。

4人の勝ち点が並び飯伏が優勝決定戦へ

思い出の地・日本武道館で再び激闘を見せた2人。最後は飯伏(奥)のカミゴェで試合を決めた 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 この日はBブロック最終公式戦5試合が行われ、メインイベントでは、飯伏幸太がIWGPヘビー級王者ケニー・オメガを倒し、初の決勝進出を決めた。

 両者は10年前、DDTプロレスリングで出会い、やがてタッグチーム「ゴールデン☆ラヴァーズ」を結成。過去に2度シングルで対戦しており、初対決となったのは08年8.6新木場1stRINGでのビアガーデンプロレス。この時はオメガが「カナダの路上王」として来日したばかりで、2人で路上に飛び出し、飯伏が自動販売機上からのフェニックススプラッシュなどを披露して勝利。2度目は12年8.18DDT武道館大会で、飯伏が37分26秒、フェニックス・スプラッシュでKO−D無差別級王座防衛に成功している。

 6年ぶりに思い出の場所で向かい合った2人に、会場の声援も真っ二つ。オメガはコタロークラッシャー、KAMIKAZEを繰り出すと、エプロンでの片翼の天使は不発に終わるも、ならばと人でなしドライバーで脳天から一直線。さらにミサイルキック、蒼い衝動、クロイツ・ラス、ノータッチトペとたたみかける。だが、飯伏も10分過ぎ、オーバーヘッドキック、飛びつき式雪崩式フランケンシュタイナー、バミューダトライアングル、ダブルニーアタックと大技を連発。シットダウン式ラストライドからついにカミゴェが発射されるが、カウントは2。互いの手首をつかんだままでの打撃戦に。飯伏はカウンターのハイキックから今G1初となるフェニックスススプラッシュを放つも、かわされて自爆。すかさずオメガはVトリガーを打ち込むと、コーナーからの片翼の天使を狙うも、飯伏が切り返して後頭部にフットスタンプ。さらにコーナートップからの雪崩式ラストライドからカミゴェへとつなぎ、ついに3カウントがたたかれた。

 この結果、飯伏、オメガ、内藤哲也、ザック・セイバーJr.の4人が6勝3敗12点で並ぶも、3人に直接対決で勝利している飯伏の決勝進出が決定した。

飯伏、再びの“神超え”なるか!?

試合後は2人でバックステージに登場。オメガ(右)は優勝決定戦進出を逃したものの、盟友の優勝に期待を寄せる 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 試合後、オメガ、そしてセコンドのヤングバックスから祝福を受けた飯伏は、仲間たちに感謝の気持ちを伝えると「まだ僕のG1は終わっていないので、明日、オレが優勝します」とファンに宣言。4人で肩を組んで花道を引き揚げると、バックステージではオメガとともにインタビューに応じた。現IWGPヘビー級王者であるオメガから「今はコウタ・イブシの時代」と優勝へ向け太鼓判を押され、セコンドに就くことを約束された飯伏は「試合の途中の記憶がない。どうやってケニーを倒したのか分からないから、実感として湧かない」と、決勝進出の喜びよりも戸惑いを感じつつ、「僕の目標は勝つこと。僕はずっと棚橋さんのことを神って呼んできたけど、明日こそ本当に神を超える時なのかなと思います」と、正々堂々と、1対1で、尊敬する相手から勝利を奪うことを誓った。

 飯伏と棚橋はシングルで過去に3度対戦。初対決となった3年前の7.20札幌でのG1開幕戦では、棚橋が20分53秒、ハイフライフローで勝利。だが、昨年の8.1鹿児島では20分40秒、飯伏が初公開の新技カミゴェで勝利。同年11.5大阪では、IWGPインターコンチネンタル王座を賭けて再戦し、29分26秒、ハイフライフローで王者・棚橋が王座防衛に成功している。

 15年には春の祭典「NEW JAPAN CUP」優勝を果たしている飯伏だが、G1の決勝は初体験。G1決勝戦が初となる武道館の舞台で、もう一度“神超え”を果たし、今度は盟友オメガと、1.4東京ドームのメインというさらなる大舞台で、IWGPを賭けた戦いを実現させることができるのか。

 また、3年連続の決勝進出、そして史上3人目となるIWGP王者としてのG1制覇の記録を逃したオメガだが、敗れた相手が「私のいぶたん」と認める最愛の人だけに、「誰かに進化してほしくて、誰か、私より強い相手に出てきてほしかった」と、悔しさよりも若干のうれしさも隠せず。優勝決定戦では自らセコンドに就いてサポート役に徹することを約束した。とはいえ、公式戦では石井智宏、矢野通にも黒星を喫していることから、IWGP王者として借りを返す責任もある。また、BULLET CLUB OGとの抗争にも決着をつける必要もありそうだ。

内藤はザックのザックドライバーで逆転負け

ザック(右)のザックドライバーで脳天からマットにたたき落とされた内藤は、無念の3カウントを聞いた 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 セミファイナルでは内藤哲也がザック・セイバーJr.に敗れ、史上3人目となる2連覇の夢を断たれた。

 両者は3.11兵庫での「NEW JAPAN CUP」1回戦で戦い、ザックが22分43秒、オリエンテーリング・ウィズ・ナパーム・デスで勝利。その勢いでNJC優勝を果たしている。内藤としては、春のリベンジの意味でも、そして、G1で2連覇を果たすためにも、負けられない戦いであった。

 ザックは“サブミッションマスター”の本領を発揮し、あの手この手で関節技を発動。開始早々、内藤はリングに寝そべるお得意のポーズで挑発してみせるも、ザックはその腕をつかんでさっそく締め上げる。水面蹴りには足を絡めて阻止し、浴びせ蹴りは蹴り足をつかんでSTFからグラウンドコブラツイストへ。グロリアは腕をとらえて下からの三角絞めへ移行する。内藤はそれでも水面蹴り、グロリア、浴びせ蹴りを意地で決めてみせるが、ザックも今度は卍固めへ。さらにヨーロピアンクラッチ、ジャパニーズレッグロールクラッチの連続であわやカウント3かという場面に追い込んでみせる。内藤は一気に勝負を決めようと、旋回式デスティーノから正調デスティーノを狙うが、ザックがつかまえ、逆に脳天からたたき落すザックドライバーで粉砕した。

 3カウントが入った瞬間、内藤の予選敗退が決まったことで、連覇を信じていたファンは騒然。内藤にとっても、武道館は中学3年生だった97年6月5日に、友人と共に初めてチケットを買って新日本の試合(メインは「BEST OF THE SUPER Jr.IV」優勝決定戦 エル・サムライvs.金本浩二)を見た会場であり、武道館でのシングル戦初体験を相当楽しみにしていただけに、因縁の相手に連敗を喫した上に、メインも逃したとあれば、相当フラストレーションは溜まっているはずだ。

 一方、ザックも春夏制覇の大記録は逃したが、マネージャーのTAKAみちのくの口上効果もあり、“サブミッションマスター”の名は全国に浸透。この日、ザックドライバーも解禁したことで、今後も大物食いを狙っていきそうだ。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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