若手たちと改革を進める埼玉WK、“戦友・松田力也”との再会戦
埼玉パナソニックワイルドナイツ 坂手選手 【©ジャパンラグビーリーグワン】
昨季のプレーオフトーナメント決勝で敗れたあと、堀江翔太はキャプテンの坂手淳史に「チームを作り直さなければいかんな」と伝えたという。そのとき、堀江、内田啓介の現役引退に加えて、水面下では松田力也の移籍交渉が進んでいた。その言葉は、去りゆく堀江からチームへの熱い激励だった。
坂手キャプテンはどう捉えたのか。「主力が抜けた中で心配してくれた面もあると思うが、僕自身は、真っさらにするのではなく、昨季までを土台にしてグレードアップさせる意味に捉えた。2年連続で(決勝で)勝てなかったので、勝つためにどうすべきかと」。
主力3選手が抜けた埼玉WKにとって真価が問われるシーズン開幕となったが、不安を払拭する形で白星を重ね、4連勝を果たした。松田のトヨタV移籍によって競争が激しくなった背番号10には、山沢京平が抜擢され、すさまじい成長を見せている。直近2試合は内田に代わって先発していたスクラムハーフの小山大輝が欠場したが、ルーキーの萩原周が2戦連続で先発してタスクを遂行した。さらに25歳のエセイ・ハアンガナも進化を示している。
埼玉パナソニックワイルドナイツ 萩原選手(左)山沢京平(中央)エセイ・ハアンガナ選手(右) 【©ジャパンラグビーリーグワン】
そして迎えるトヨタV戦は、戦友・松田との対戦が注目される。もちろん彼だけが相手ではないが、ファンの視線は当然集まる。
「トヨタVはあまり結果が出ていないかもしれないが、ゲームを見ていると新しく取り組んでいるであろうスタイルが見え隠れしている。相手は戦力値も高いし、簡単な相手ではない。(緑のジャージーを着ている松田選手との対戦は?)彼が持っているものをすべて出して、それに対して僕らがどう戦うか。僕らにとっても特別だが、力也のほうが思い入れは強いのではないかと思う」(坂手)
若手の進化を背景に改革を進める埼玉WKと、昨季まで背番号10を背負った松田力也との“再会”。どんなドラマが待っているのだろうか。
(伊藤寿学)
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