インハイは優勝候補が初戦から激突! 注目は実力者ぞろいの東福岡vs.矢板中央
今年のインハイは優勝候補同士が初戦から激突。写真は矢板中央の望月謙(17年度の高校サッカー選手権) 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】
真夏の一発勝負&短期決戦だけに、優勝候補筆頭に挙げられるチームが順当に勝ち進むのか、それとも伏兵が一気に上位に勝ち上がっていくかが注目のポイントだ。
市立船橋と前橋育英は初戦から難敵と対戦
インハイでは無類の強さを誇る市立船橋。今年は初戦から難敵を迎えそうだ(写真は16年度) 【写真は共同】
市船は過去3年間で準優勝、優勝、ベスト4とインターハイでは無類の強さを誇っている。初戦となる2回戦の相手は、プリンスリーグ関東において尻上がりに調子を上げている山梨学院(山梨)になる可能性が高く、初戦でいきなり難敵を迎える(山梨学院は1回戦で前原/沖縄と対戦)。しかし、強豪校が逆の山に集結したことで、ここを突破すれば一気にベスト4まで駆け上がる可能性がある。初戦の難関を突破できるかどうかが、4年連続ベスト4以上の偉業達成へのポイントとなる。
一方の前橋育英は、今大会最大の激戦ブロックに入ってしまった。初戦の相手は大津(熊本)vs.初芝橋本(和歌山)の勝者。大津は昨年のレギュラーが全員残っており、プロ注目のMF水野雄太、福島隼斗、DF吉村仁志ら全国トップクラスのタレントを有しており、いきなりの難関となる。ここを突破しても準々決勝で作陽(岡山)、昌平(埼玉)、青森山田(青森)といった強豪が立ちはだかる。まさに予測不能なブロックだ。
東福岡vs.矢板中央は1回戦屈指の好カード
この対決はまさに1回戦で「最大級」と言える好カード。ここからはこの1戦がなぜ「ビッグカード」であるかを説明していきたい。
3年前に当時2年生だった小田逸稀(現・鹿島アントラーズ)、藤川虎太朗(現・ジュビロ磐田)らを擁し、3度目のインターハイ制覇を成し遂げた東福岡は、今年もプロ入りが予想されるタレントを有している。
186センチの屈強なGK松田亮、高性能な右足のキックとトップクラスのスプリント力を持つ右サイドバック(SB)の中村拓海は、Jクラブが獲得に乗り出している存在。さらに186センチの岩城雄大と180センチの丸山海大のセンターバック(CB)コンビは強固で、その前には多彩なキックを持ち、守備力の高いアンカーの中村拓也が君臨する。アタッカー陣はスピードと高さを兼備する1トップの大森真吾、シャドーには福田湧矢(現・ガンバ大阪)の弟・福田翔生とナンバー10を背負う篠田憲政が豊富なアイデアで攻撃を組み立てる。
東福岡の強さは「層の厚さ」にある。控え選手もかなりの実力者で、ユース年代最高峰のリーグ戦である高円宮杯プレミアリーグウエストを経験している選手が多い。FWには180センチの堺悠人がおり、2年生MFの荒木遼太郎はFWからトップ下、ボランチまでこなし、来年はJスカウトも動く可能性を秘めている。さらにはFWとCBの両方をこなせる180センチの中村俊介や、爆発的なスピードを持ち、両SBからアタッカーまでこなせる185センチの規格外なサイドアタッカー、モヨ・マルコム強志が控えており、誰が出ても強烈で、戦力的に遜色がない。