【全日本プロレス】ゼウスが宮原を下し悲願の三冠王座獲得 野村&青柳組がアジアタッグ再戴冠成功
ゼウスは5度目の三冠挑戦
ゼウスが三冠5度目の挑戦にして、初獲得となった 【写真:SHUHEI YOKOTA】
メインイベントの三冠ヘビー級選手権試合では、ゼウスが王者・宮原健斗を破り王座初戴冠。5度目の挑戦にしてようやく悲願を果たした。
地元・大阪府大阪市出身のゼウスは現在36歳。高校中退後、ボディービルを始め、20歳ごろに一度全日本に履歴書を送ったことがあったが、その時は採用されず。その後、06年に大阪プロレスに入門した。一度はプロボクサー転向のためプロレスを離れるも、復帰。14年には全日本の「チャンピオン・カーニバル」に参戦し、15年には2.7大阪で潮崎豪、8.16神戸では曙の三冠王座に挑戦するも、いずれも敗北。同年9月、「どうしても三冠王者になりたい」と全日本に正式入団した。しかし、その後も三冠王座には届かず。16年2.12後楽園では、諏訪魔の負傷欠場による王座返上で、宮原と王座決定戦を争うも、シャットダウンスープレックスに敗北。17年1.2後楽園でもジョー・ドーリングに敗れており、今回が5度目の挑戦となる。
一方、宮原はゼウスと三冠王座を争った16年2月に、26歳11カ月の史上最年少で平成生まれ初の三冠王者となると、そこから1年以上にわたり8度の長期政権を樹立。「最高」王者として、一躍全日本のエースに君臨した。一度は同じスタート地点に立ちながらも、運命が分かれたあの日から2年5カ月の間に、両者の間には大きな差が開いていた。
石川が次期挑戦者に名乗り
30分近くに及ぶ死闘の末、宮原から勝利を奪ったゼウス 【写真:SHUHEI YOKOTA】
試合後、ボディービルダー時代からの盟友であるボディガーが三冠ベルトを手にリングに上がると、ゼウスは先にボディガーの腰にこの日獲得したばかりのアジアヘビー級ベルトを巻いて祝福。ボディガーもゼウスの腰に三冠のベルトを巻き、2人でガッツポーズを決めると、さらにボディガーが肩車。2人の長きにわたる友情・努力・勝利がすべて結実した瞬間だった。
ようやく夢見た至宝を手に入れたゼウスは、「三冠王者になることができた。感動しかない。皆さんの声援が力になった」と支えてくれたファンに感謝を示しつつ、「これからは三冠王者として全日本プロレスを盛り上げていく」と宣言。最後は「人生は祭りや。ワッショイ、ワッショイ」と客席も一体となって雄たけびを上げると、花道を引き揚げる時には、ファン1人1人と触れ合い、喜びを分かち合った。
喜びに沸くゼウスだが、元三冠王者・石川修司が王座挑戦を表明していることから、8.26千葉・流山大会での初防衛戦がほぼ決定的。さらに9月には恒例の「王道トーナメント」も控えており、新・三冠王者としての資質がいきなり問われることになりそうだ。