W杯「4年後も見てみたい選手」ベスト11 日々是世界杯2018(7月13日)
GKとDFはフランスとイングランドから2人ずつ
若きイングランドの守備を担うGKピックフォード(左)とストーンズ 【写真:ロイター/アフロ】
【GK】ジョーダン・ピックフォード(イングランド)
ある程度、キャリアのある選手が重用されるポジションにあって、94年生まれのピックフォードの存在感は際立っていた。185センチとGKとしては決して体格に恵まれているわけではないが、安定感のあるキャッチングと正確なキックが持ち味。ラウンド16でのコロンビア戦では、カルロス・バッカのキックを左手一本で止めて「PK戦に弱いイングランド」という負の歴史を払拭するのにも貢献した。
【DF】バンジャマン・パバール、サミュエル・ウムティティ(いずれもフランス)、ジョン・ストーンズ(イングランド)
DFは3人。そのうち2人は決勝に進出したフランスから選んだ。22歳で右サイドバックのポジションを獲得したパバールは攻撃面でも活躍。アルゼンチンとのラウンド16では、バックスピンを効かせた見事なボレーシュートを決めている。カメルーンをルーツに持つウムティティは、左サイドバックでもプレーしていたが、スピードと空中戦の強さに加え、前線へのフィードやビルドアップにも長けたセンターバックとして成長。準決勝のベルギー戦では貴重な決勝ゴールを挙げている。
今大会は伝統の4バックから3バックに変えて、28年ぶりのベスト4進出を果たしたイングランド。その守備の中心として活躍しているのが、24歳のストーンズだ。ディフェンスラインを統率するだけでなく、前線へ正確なロングパスを提供し、さらにはドリブルで持ち上がって自ら積極的に仕掛けてゆく。パナマ戦でも2ゴール挙げるなど、攻撃面での貢献度も評価しての選出となった。
MFの筆頭は「フランスの神童」、アジアからは?
フランスの神童、エムバペの選出については誰も異論を挟む者はいないだろう 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】
多士済々の新鋭がそろう中盤からは、この4人。このうちフランスの神童、エムバペの選出については誰も異論を挟む者はいないだろう。驚異的なスプリント力に加え、スピードのみに頼らないスキルと度胸の良さを併せ持つ。19歳という若さで10番を背負いながら、まったく気負うことなく伸びやかなプレーを披露し、今大会はすでに3ゴールを挙げている。決勝でも新たな伝説を生み出すかもしれない。
今大会、不振だった南米勢からはコロンビアのキンテーロをチョイスしてみた。21歳で挑んだ前回大会はベンチスタートだったが、今大会は不調のハメス・ロドリゲスに代わって大車輪の活躍を見せ、日本戦での1ゴールの他に2アシストを記録している。29歳となる4年後は、真の意味でチームの中心となっているかもしれない。ホスト国のロシアからは、チーム最年少(22歳)のゴロビン。テクニックに優れながら、ボール奪取能力にも長けており、攻守の要として不可欠な存在となっていた。サウジアラビア戦では直接FKによるゴールも決めている。
アジアからも誰か1人と思ったのだが、なかなか該当者が見当たらない。もちろん日本からのエントリーも考えたが、このポジションの選手は4年後、全員がオーバー30である。ということで、20歳で韓国の10番を担ったイ・スンウをチョイス。今大会は2試合に出場したが、いずれも途中出場で合計43分しかプレーしていない。本人にとっても不本意な大会だったはずだが、4年後の捲土重来(けんどちょうらい)を期待したい。