新潟医療福祉大学が一昨年インカレのリベンジを果たしグループ首位に!夏の王者・阪南大学、昨年優勝の明治大学も初白星

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グループステージは大混戦模様。準々決勝進出チームは次節、第3節に決まることに

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 大学サッカーの真の年間王者を決める大会『MCCスポーツpresents 2024年度 第73回 全日本大学サッカー選手権大会』(通称:インカレ)。関東・東海・関西・九州地域のシード校6チームと、予選ラウンドを勝ち抜いた10チームで行われる『決勝ラウンド・グループステージ』は12月16日(月)に第2節を迎え、全16チームが各グループ2位内を目指して戦った。

 決勝ラウンド・グループステージは大変な混戦模様となってきた。第2節を終え、連勝を収めたチームは16チーム中わずか2チーム。多くのチームが1勝1敗、または1勝1分で並んでいる状況だ。

■グループA

 グループAもそんな混戦状況にあるグループのひとつ。第1節では前年度王者・明治大学(関東地区第1代表)がスコアレスドローでの発進となったが、今節は24分に島野怜、33分に熊取谷一星が立て続けにゴールを決めて2点を先取。そのまま2-0で大阪学院大学(関西地区第5代表)を下した。

 一方、前節で大院大との"関西対決"に敗れた関西学院大学(関西地区第6代表)は、鹿屋体育大学(九州地区第2代表)と対戦。関学大は相手のシュートを0に抑えると、前半終了間際に先田颯成が挙げた先制点を最後まで守りきって初白星。この結果、グループトップは勝点4の明大ながら、その後に関学大、大院大が勝点3で並ぶ状況に。鹿体大は唯一の未勝利チームとなったが、最終節の結果次第では他力ながら2位内に入れる可能性が残っている。

■グループB


 一昨年の優勝、準優勝チーム、そして今年の総理大臣杯の優勝、準優勝チームが顔を揃え、まさに"死のグループ"の様相を呈しているのがグループBだ。今節は、一昨年のインカレ決勝対戦カードが再現。一昨年は桐蔭横浜大学(関東地区第7代表)が新潟医療福祉大学(北信越代表)を逆転で下し初の栄冠に輝いた。「当時試合に出ていたメンバーで、今いるのは自分とGK(の桃井玲)だけ」だが「(逆転負けという)悔しい思いをしたからこそ、絶対に連敗はできないという話はチーム全体として共有していた」(新医大・秋元琉星)。新医大にとって一昨年のリベンジとなる一戦は、両チームチャンスを掴みながらも消えきれず、0-0のまま後半へ。「前回の対戦では勢いで攻めるようなところがあった。けれど桐蔭大さんのような能力の高いチームに勢いでいったらやられるだけ。今回は安定しながら攻め、1点差に持ち込めたらいいと思っていた」(新医大・佐熊裕和監督)。そのゲームプラン通りに均衡が破れたのは70分、新医大は松本天夢の上げた浮き球のクロスを、吉田晃盛が頭で合わせてゴールネットを揺らす。新医大は、この1点を守りきって1-0で勝利。「一昨年の決勝では、相手をリスペクトして受け身になっていた部分があった」が「自分たちも今年の総理大臣杯で準優勝したという自信もあるし、それが攻撃や最後まで守り切るという自信にもつながった」(新医大・秋元)。最終戦は、夏の総理大臣杯の決勝で敗れた阪南大学と、新医大にとっての"リベンジマッチ"が続く。新医大・秋元は「最後の最後でやられてしまったり、してはいけないことをしてしまう、といった部分は夏の試合のあとに修正できている」と"リベンジ2連勝"でのグループ勝ち抜けに自信をのぞかせた。

 もう1試合は、ともに黒星スタートとなった阪南大学(関西地区第1代表)と中京大学(東海地区第2代表)が対戦。試合は立ち上がりに中京大が先制点を挙げ、15分にも追加点。中京大が0-2とリードを広げ「マジで終わったと思った」(阪南大・松本楓悟)。だが「1点取れたら(チャンスは)あるかな、と」との言葉どおり、阪南大は28分に金本毅騎がゴールを決めて反撃の狼煙を上げると、29分、35分に松本が連続ゴールを挙げてスコアを3-2に。わずか7分間で阪南大が逆転に成功すると、そのまま1点差を守りきり待望の初勝利を挙げた。この結果、グループBは新医大が2連勝で勝点6に。それに阪南大、桐蔭大が勝点3で続く。とはいえ、最終節の結果次第では未勝利の中京大にも2位内の可能性は残されている。


■グループC


 グループCも混戦となった。前節、3-0で快勝し好調なスタートを切った筑波大学(関東地区第2代表)は大阪体育大学(関西地区第4代表)と対戦。筑波大は得点源である内野航太郎をメンバー外、中心先取の角昂志郎(ジュビロ磐田内定)、加藤玄(名古屋グランパス内定)らをベンチスタートにするなど、前節とは大幅にメンバーを入れ替えてこの試合に臨んだ。その影響かなかなか相手のゴールを揺らすことができず、後半早々に得たペナルティーキックのチャンスも、大体大GKのファインセーブで得点ならず。結局、スコアレスドローで決着し、ともに勝点1を積み重ねるに留まった。

 前節は先制点を守りきって勝利した九州産業大学(九州地区第1代表)は、東海学園大学(東海地区第3代表)に先制点を許すものの、菊地雄太のゴールで追いつき、終盤の83分に菊地が2点目を決めて逆転に成功する。だが、ここから東園大が劇的な追い上げを見せる。その2分後の85分に高橋旺良が同点ゴールを決めると、88分に大塚一希が3点目を挙げてスコアを2-3に。終了間際の連続ゴールで東園大が勝利し、勝点3を獲得した。この結果、トップは勝点4の筑波大ながら勝点1差で九産大、東園大が続く。勝点1の大体大も最終節の結果次第では他力ながら2位内に入る可能性を残している。


■グループD


 前節で白星を挙げた同士、黒星を喫したチーム同士の対戦となったグループD。まずは幸先のスタートを切った常葉大学(東海地区第1代表)と東洋大学(関東地区第3代表)の対戦は、前半序盤に東洋大が先制。東洋大は後半に入ると一気に攻撃のギアを上げ、66分に増田鈴太郎が2試合連続となるゴールで追加点を挙げると、その10分後にも田制裕作がダメ押しの3点目。東洋大が0-3で常葉大を下し2連勝を収めた。

 黒星チーム同士の対戦は日本大学(関東地区第6代表)が29分、54分と得点を重ね0-2で勝利。関西大学(関西地区第2代表)は78分に木邨優人が2枚目の警告を受けて退場になるなど、次節の戦いが厳しいものとなった。



 この結果、グループDは2連勝の東洋大が勝点6となり、日本大と常葉大が勝点3で並ぶ。また2試合を終えて勝点0の関西大にも、最終節の結果次第では2位内の可能性が残っている。



 決勝ラウンド・グループステージは第2節を終え、グループ2位内確定のチームは0。すべては12月18日(水)に行われる第3節で決まることとなった。各グループ2位内に入り、ベスト8入りを果たすのはどのチームか。準々決勝行きを賭けて、グループステージ最後の戦いが始まる……。




※本文中のスコアは対戦カードの表記に準拠

(文・飯嶋玲子)

【©JUFA】

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全試合結果と得点者


関西学院大 1(1-0)0 鹿屋体育大
得点者)【関学大】先田颯成

新潟医療福祉大 1(0-0)0 桐蔭横浜大
得点者)【新医大】吉田晃盛

筑波大 0(0-0)0 大阪体育大

関西大 0(0-1)2 日本大
得点者)【日大】 熊倉弘達、平尾勇人

明治大 2(2-0)0 大阪学院大
得点者)【明大】島野怜、熊取谷一星

阪南大 3(3-2)2 中京大
得点者)【阪南大】金本毅騎、松本楓悟×2【中京大】中嶋晃成、有働夢叶

九州産業大 2(1-1)3 東海学園大
得点者)【九産大】菊地雄太×2【東園大】長谷部希星、高橋旺良、大塚一希

常葉大 0(0-1)3 東洋大
得点者)【東洋大】南雄大、増田鈴太郎、田制裕作
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著者プロフィール

一般財団法人全日本大学サッカー連盟は、大学サッカー界全体の競技力向上を目指すとともに、フェアプレーの実践やスポーツ文化の振興などを目的として活動しています。全日本大学選抜の活動をはじめ、全国9地域の大学代表が競う『全日本大学サッカー選手権大会』(インカレ)、『総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント』といった全国大会、選抜チーム地域対抗戦『デンソーカップチャレンジサッカー』、日韓両国の大学選抜が対戦する『DENSO CUPSOCCER 大学日韓(韓日)定期戦』などを実施しています。

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