藤原、根尾ら大阪桐蔭から6名を選出 U-18野球日本代表1次候補を発表

松倉雄太

甲子園未経験者も5名選出

昨年のU−18野球ワールドカップに出場した報徳学園・小園(写真左)、大阪桐蔭・藤原(写真中央)は今年のU−18日本代表第1次候補選手に名を連ねた 【写真は共同】

 日本高等学校野球連盟(日本高野連)は20日、「第12回BFA U18アジア野球選手権大会」(9月3日〜9日/宮崎県で開催)に参加するU−18日本代表第1次候補選手30名を発表した。

 第1次候補選手は昨年と同じく、今春のセンバツ出場選手に加え、全国の春季大会にまで広げて、50名近い選手の中から選考した。内訳はセンバツ出場選手が17名、春季大会から選んだ選手が13名(甲子園未経験者5名)。昨年のワールドカップを経験した小園海斗(報徳学園/3年)と藤原恭大(大阪桐蔭/3年)も名を連ねた。さらに藤原をはじめ、大阪桐蔭からは6名が選ばれている。

 日本高野連の技術・振興委員でもある日本代表の永田裕治監督(前報徳学園監督)は積極的に全国の春季大会を視察して巡り、自らの眼で1次候補に選出した選手も多い。センバツ21世紀枠候補になった藤岡中央の門馬亮(3年)は、昨秋の公式戦で48回3分の1を投げて66個の三振を奪った本格派右腕。吉田輝星(金足農/3年)は全国的にはまだ無名だが、直球の最速は147キロを計測したと東北地方で評判になった。夏の飛躍が期待される選手だ。

2年生の153キロ右腕も候補に

 また1次候補には6人の2年生投手も抜てきした。佐々木朗希(大船渡/2年)は1年夏に147キロを計測して話題になった。今春は最速153キロにまでのばし、来年のドラフト候補右腕として注目される。奥川恭伸(星稜/2年)はセンバツ前の報徳学園との練習試合の時から永田監督が高評価していた。

 日本高野連の竹中雅彦事務局長は来年のワールドカップも見据えながら、「昨年の小園選手と藤原選手のこともある」と投手に限らず下級生選手の選出の可能性があることを示唆。各都道府県の高野連が秋季大会日程を遅らせるなど調整をして、2年生や1年生の有望選手を選出しやすい環境にすることが、最強の高校JAPANを作る道の一つになると言っていいだろう。

複数ポジションが選考のカギ

 日本代表の今後の流れとしては、第100回選手権地方大会と本大会に出場する選手も選考の対象として、8月の甲子園決勝後に代表18名を選出する。本メンバーを選考をする上でポイントの一つになりそうなのが、複数ポジションができる選手だ。根尾昂(大阪桐蔭/3年)、野村佑希(花咲徳栄/3年)などは現在、野手と投手を兼務している。アジア選手権では相手チームとも力関係などで大差になる試合もあり、状況によっては野手が投手としてマウンドの上がるケースもありえる。逆に投手で選出した選手にも外野など野手としての出番を期待する可能性がある。投手専門ではなく、野手としても出場できる技術が代表入りへのアピールにつながるだろう。

 日本高野連の竹中事務局長は、「永田監督は昨年のワールドカップでは秀岳館の田浦文丸投手(現・福岡ソフトバンク)を推薦していたように、選手を見る眼がいい」と期待する。23日から始まる夏の第100回大会で、後の日本代表入り強くアピールする選手が続々と登場することを楽しみにしたい。

永田監督「現時点でベストな選考」

 第1次候補選手を選出した永田監督のコメント

「投打にバランスが取れ、将来性も加味した上で、現時点でベストな選考をしていただきました。短期決戦となる国際試合に臨むうえで重要なポイントは、いかにチームが一つにまとまれるかだと思います。日の丸を背負って戦う以上は、全員がチームの勝利に貢献するという気概を持った選手と共に戦いたいと思っています。今後は、野球の技術もさることながら、チームの勝利に徹することが出来る選手という観点も大事にして最終的には、高校日本代表として相応しい18名の選考が出来るよう務めたいと思います。今大会は日本での開催ということもあり、周囲の皆様からの期待も感じています。スタッフ・選手全員がチーム・JAPANとして結束し、2大会連続6度目のアジア王者を目指して頑張ります」
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著者プロフィール

 1980年12月5日生まれ。小学校時代はリトルリーグでプレーしていたが、中学時代からは野球観戦に没頭。極端な言い方をすれば、野球を観戦するためならば、どこへでも行ってしまう。2004年からスポーツライターとなり、野球雑誌『ホームラン』などに寄稿している。また、2005年からはABCテレビ『速報甲子園への道』のリサーチャーとしても活動中。

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