西野監督「隠している部分もある」 国際親善試合 パラグアイ戦後の会見
ワールドカップ(W杯)開幕前、最後の国際親善試合となったこのゲームで、西野朗監督はここまで先発機会がなかった柴崎岳、乾貴士、香川真司、武藤嘉紀、岡崎慎司らをピッチに送り出した。
日本は前半32分に先制ゴールを許し、1点ビハインドでハーフタイムを迎えたものの、後半に入ると攻撃陣が躍動する。後半6分、香川との連係から乾が西野ジャパンの初ゴールを挙げると、これを皮切りに後半18分には乾の2点目で逆転、さらに後半32分にも柴崎のFKが相手のオウンゴールを誘って3−1と突き放す。終了間際に失点して一時は1点差に詰め寄られたが、最後はトップ下でフル出場した香川がダメ押しゴールを奪って、4−2で勝利している。
試合後、西野監督はこの日のフォーカスポイントが「敵エンドに入ってボックスを攻略」することだったとコメント。その上で、前半終了後に香川や乾らと話をしたことを明かして「良い修正がハーフタイムの中でできた」と話した。
その香川や乾、さらに「ディフェンスに対する意識」をたたえた岡崎といった選手たちのパフォーマンスに対し、西野監督は「予想以上に、良いパフォーマンスを出し切れて、連動してやれていた」と手応えを感じた様子。「これからの準備が楽しみな結果ですし、選手個々のパフォーマンスには非常に満足はしています」と語った。
ハーフタイムで良い修正ができた
ハーフタイムに香川にも「もう10メートル、岡崎に近いポジションで」と(伝えた)。香川がプレーしているところにボランチが入っていく、それくらいの距離感で相手のボックスを攻略していく。乾も武藤もしっかり、そういう動きを付けていこうと。形は非常に取れていたし、そのへんも工夫して人もかけていく。香川が積極的に絡んでいったり、乾の仕掛けも増えたりして、得点に結びついた。良い修正がハーフタイムの中でできたと思います。
お前、スパイクの中に何か入っているんじゃないか?
1、2戦(ガーナ戦、スイス戦)は負けた気がしないゲームでした。得点こそ生まれませんでしたが、少しずつ狙いを修正しながら、今日も得点のアプローチを強調しながら修正をかけてきて、得点して勝利できた。非常にポジティブに(本大会に)入ることができるんじゃないかと思っています。
乾に関しては、ハーフタイムに「お前、スパイクの中に何か入っているんじゃないか? 親指のあたりをちょっと調べてみろ」と。あまりにもイージーなシュートミスを連発していたので、スパイクを替えたら抑えの利いた良いシュートができていました。アグレッシブにプレーしていたと思いますし、外した回数も多かったですが2得点は妥当かなと。彼の持ち味はゴールに向かって仕掛けることですから、(ボールが)オフの時もフィニッシュで絡んでいく、外で待っているのではなく、動きの中でもフィニッシュを取っていくということを、後半は実践できていたと思います。
──3試合連続で先制されているが、局面での厳しさがもう少し必要と感じる。そこをどう修正していくのか。それから今日出た選手の中で、これまでの評価を覆してコロンビア戦にスタメン出場できるような働きをした選手はいたか?
今日の試合前のミーティングでも、「(過去2試合の失点は)PK2つ、FK1つ、自分たちのFKからの逆襲で1つ、止まったボールから失点している。こんな屈辱的なことはない」と話した。リスタートで状況はガラッと変わってしまう。流れの中では全体が意識しながら防いでいるのに、非常にもったいない、自分たちで壊している、と。
(今日は攻撃で)4得点して、(守備で)完全に崩されたわけでもなかったとはいえ、こぼれ球でのリアクションが遅かったり、不用意なFKを与えるとか、寄せが足りなかったとか、局面の厳しさというか、バトルのところで状況がガラッと変わってしまうシーンが多かったですし、(相手に)決定機も与えている。リスタートについてのリスク管理というのをもう少ししていかないと。これからますますリスタートの精度が高い(相手に対して)リアクションしなければならない状況があるので、そこはおっしゃるとおり、修正しないといけないところではあると思います。
レギュラーメンバー、バックアップメンバーに分けているわけではないですが、今日のゲームの中で可能性を求めたかったですし、スイス戦以上のパフォーマンスをおそらくやってくれるだろうという雰囲気はありました。今日出たメンバーは非常にギラギラしていました。そういう意味で、狙いというか、非常に可能性を感じる選手、期待に応えてくれたところがあるので、これからの準備が楽しみな結果ですし、選手個々のパフォーマンスには非常に満足しています。