昨季王者 東芝ブレイブルーパス東京に惜敗、第10節終了し3位で後半戦へ
静かな前半から一転、シーソーゲームの後半へ
交流戦がスタートしてから第6節で横浜キヤノンイーグルス、第9節の静岡ブルーレヴズなど、順位で争う相手を直接対決で下して3位に位置するクボタスピアーズ船橋・東京ベイ。この試合でもブレイブルーパスに勝利し、2位浮上を狙う。
その決戦の会場は、鹿児島県・白波スタジアム。スピアーズはトップリーグ時代の2013年に試合を行って以来のプレーとなる。
「接点が激しいヘビー級の戦い」
この試合は、そんな戦前の予想を裏切らない80分となった。
キックオフ直後の10分は、両者譲らないぶつかり合いを見せる。特にブレイクダウンのバトルは熾烈で、スピアーズの第3列、ラピース選手・末永選手・マキシ選手が要所でボールを奪うプレーで相手の攻撃を断つ。接点無双を掲げる昨季王者に対して互角以上にコリジョンで勝るスピアーズ。
だがそうした優位性が裏目にでたか、前半スピアーズは規律の部分で苦しむこととなる。
ペナルティが続き、相手に前進を許すと14分にブレイブルーパスにトライを許す。また23分には立て続いた反則により司令塔のフォーリー選手が一時退場となり、29分にも失点。点差が12点に広がった。
しかし点数こそ相手が上回るも、フィールドの選手たちには手応えを感じていたはずだ。セットプレーや接点といったスピアーズの重いプレーは、徐々に相手の体力を削る。
32分にはリスタートから相手の反則を誘いハラトア選手がペナルティゴールを決める。シンビンからフォーリー選手が戻り15人でのプレーとなると、相手陣でプレーを続けたスピアーズは、オペティ選手がパワープレーで相手ディフェンスラインをこじ開けて、前半終了間際に2点差まで詰めた。
今シーズンは後半10分付近にフォワードを中心としたリザーブ選手を投入するカードを切ってきたスピアーズだったが、この日はバックスのリザーブを先に投入する。後半開始からファンデンヒーファー選手に変わり、復帰してきた木田選手がピッチに入る。
こうしたハーフタイムを皮切りとした小さな変化は、試合展開やスコアボードにも表れる。後半は前半から一転、動きの多いシーソーゲームへと一変した。
後半最初の得点はブレイブルーパス。前半のシンビンにより一人少ないながらもキックオフ直後からスピアーズ陣に入り、近場をついてトライを取る。
このタイミングでスピアーズがフォワードを3枚入れ替えると、すぐに取り返す。オペティ選手の突進からボタ選手やトゥパ選手といった投入されたばかりの選手が前に出ると、右サイドに展開してハラトア選手がトライエリアに飛び込んだ。
その後も敵陣でプレーを続けたスピアーズは、ゴール正面で相手反則を得る。これをペナルティゴールではなくトライを狙いに行き、モールを押し込んだところから左サイドに展開、ショーン選手、フォーリー選手と繋いだところで木田選手が逆転トライを奪った。
24分にはマルコム選手のトライとフォーリー選手のゴールで再び1点をリードするも、こうしたちょっとした歪みが影響したか、試合の流れを掴みきるには至らなかった。
29分にはゴール前のディフェンスで、危険なプレーがあっとしてブリン・ホール選手に一時退場の判断が下ると、30分にはゴール前でのスクラムからトライを奪われ、再び相手がリード。
残り10分となった時間帯で、2番江良選手や3番為房選手を投入し、スクラムからチャンスを掴む場面もあったが、ミスにより攻撃が継続できず取り切れないまま27対31で敗戦となった。
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「チャンスは多く作ることができたがそれがスコアには結びつかず、ミスや反則で自分たちで自分たちにプレッシャーをかけてしまった」
と振り返る。
特に前半や後半残り10分ではミスも目立ち、いいプレーがあってもそれを続けることができなかった。
フランヘッドコーチはこうも続ける
「だがそれもラグビーだ。優勝するチーム作りをする上で、こうした試合から成長に繋げるしかない」と。
まだシーズンは折り返し。1週間の休息を挟んで3月14日から再び連戦が控える。
後半戦はプレーオフでの戦いも見据える重要な戦いが待っている。その戦いは、恐らくこれまで以上に困難でチームの底力が試される戦いとなるだろう。
だからこそチームは、ここでの学びから成長しなくてはいけない。
そして、またもう一度ブレイブルーパスと対戦するその時には、きっとこんな言葉が言えたらいい。
「あの10節の敗戦があって良かった」と。
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写真:チームフォトグラファー 福島宏治
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