対談連載:トップランナーであり続けるために

若い選手に“続ける姿”を見せていきたい 澤野大地(陸上競技)×寺内健(飛び込み)

田中夕子
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提供:明治

今年38歳を迎える同士の澤野大地(左)と寺内健が本音を語り合った 【築田純】

 トップアスリートとしてそれぞれの舞台で第一線を走り続ける人たちがいる。厳しい世界でなぜ彼らは光を放ち続けられるのか。スポーツナビでは、そんなアスリートたちの声を対談連載「トップランナーであり続けるために」で紹介する。

 第6回は、飛び込みの寺内健と陸上・棒高跳の澤野大地。今年38歳を迎える同士で、1996年のアトランタから5度五輪出場の寺内と、2004年アテネから3度五輪出場の澤野。共に入賞を果たすなど、競技のトップを走り続けている。プライベートでも親交があり、互いに「刺激し合う同級生」と言い合う二人に、競技を続ける強さの源、本音を語り合ってもらった。

「とぶ」競技にお互いが思うこと

――今年38歳で今なおトップランナーのお二人は、「とぶ」ことも共通点です。ご自身の競技の魅力、そしてお互いの競技に対してどんな印象をお持ちですか?

寺内 僕の専門である飛び板飛び込みは、飛び板を使って高くジャンプして、回転して、ひねって、着水する。一番の魅力は入る時のノースプラッシュ、いかに水しぶきを上げずに着水するかです。競泳の飛び込みのように、指を伸ばして着水すると衝撃で脱臼したり、指の骨が折れてしまうので、手を組んで、手のひらで水面を開けて、水に入る瞬間にできた溝の中に一瞬で自分を入れる。そんなイメージですね。

「陸上競技場の中で一番高くまで行けるのが棒高跳」とその魅力を語る澤野 【築田純】

澤野 飛び板を使って高く飛ぶ、というのは棒高跳もポールの反発をもらって高く跳ぶ競技なので同じです。棒高跳の一番の魅力は棒1本で人間の身長の何倍以上を跳ぶことであり、陸上競技場の中で一番高くまで行けるのが棒高跳。競技場の中で一番高い空を制しているのが棒高跳で優勝した人なんですよ。

寺内 めちゃくちゃかっこええやん(笑)。跳んだ先には何を見ているの?

澤野 常にバーを見て、その征服したバーを見ながら落ちていく感じかな。

寺内 「よっしゃー跳べた!」と思う時はちょっとだけカッコつけたりする?

澤野 もちろん(笑)。余裕がある時はわざとガッツポーズをして、敵に見せつけたりもするよ。僕からすると、飛び込みって落ちるというイメージだから、それは怖いなぁ。

寺内 逆でしょ。地上から上がって、そこから落ちる方がずっと怖いわ(笑)。

食事を変えて体がみるみる変わった

――体づくりに対する意識は長い競技生活の中でどんなふうに変化してきましたか?

澤野 そもそも食べることに興味がなかったので食べる量も少なかったんです。高校生の頃、初めてトレーナーさんに「試合前は何を食べたらいいですか?」と聞いたら「温野菜を食べなさい」と言われたので、親に「温野菜にしてくれ」と言ったのは覚えていますが、その程度。大学に入ってからも寮の食事を何となく食べていただけでした。

寺内 若い頃は今の選手ほど食に対する意識はなかったよね。飛び込みは中国が強いので、中国で合宿をすることが多かったけれど、食事は悲惨だよ(笑)。大きなお椀にご飯だけ入れられて、何か分からないものをのせられる(笑)。トレーニングに対してはそれなりの意識を持って取り組んできたけれど、食事に対して気を遣うようになったのは28歳で引退して、30歳で復帰する時。年齢的なこともあるし、もう一回技術を習得しないといけない、筋力を戻さなきゃいけない、と思うようになってからかな。

澤野 プロテインがいいよと言われたらとりあえず飲む、とかそのぐらいだったよね。僕は社会人になるタイミングで明治さんのザバスに栄養サポートしていただけることになって、それから体もみるみる変わって、筋肉量が増えて疲れが取れるようになってきたので、今でも競技を続けられる体があるのは栄養サポートのおかげだな、と思いますね。

寺内 僕も同じ。復帰してから明治から栄養サポートをしていただく中で、目的に応じて食事やサプリメントのアドバイスをいただき、より自分の目指す方向が明確になった。そのおかげで今の自分があるし、38歳でこれからも現役でいるためにはサポートがなければやっていけないよね。「たべてはダメ」と言われるのではなく、生活の中で自然に栄養摂取できるようにアドバイスを下さるので、肩に力を入れずにコンディションづくりができる。それはありがたいね。

二人ともザバスとVAAMを愛飲し、年齢を重ねた今もコンディションを維持している 【築田純】

澤野 サポートを受けることで自分で考えて自然に必要な食事やサプリメント、プロテインを摂れるようになるよね。僕はここ数年「リカバリープロテイン」と「クリアプロテインホエイ100」を混ぜて、練習直後に水で割って飲んでいるけれど、海外では100%オレンジジュースや牛乳が手に入らない時もあるので、水で飲めるのがすごくありがたい。

寺内 同じだよ。多い時は1日に270〜80本飛ぶ時もあるので、練習後は「リカバリーメーカーゼリー」を摂る。とにかくリカバリーに重きを置かないと次の日、体が動かない(笑)。

澤野 本数がハンパないね(笑)。若い頃は体脂肪がすごく低くて、2.8%まで落ちたこともあったのだけど、歳を重ねるにつれて全然減らなくなってきた。ここ数年はスーパーヴァーム顆粒を練習前に活用するようになったな。

寺内 俺はスーパーヴァームのドリンクタイプを愛飲しているよ。体が温まる感覚がうれしいかな。飲むことが練習のスタート。一緒に練習している子どもたちには「何を飲んでいるんだろう、おっちゃんやから栄養ドリンクかな」と思われているだろうな(笑)。

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著者プロフィール

神奈川県生まれ。神奈川新聞運動部でのアルバイトを経て、『月刊トレーニングジャーナル』編集部勤務。2004年にフリーとなり、バレーボール、水泳、フェンシング、レスリングなど五輪競技を取材。著書に『高校バレーは頭脳が9割』(日本文化出版)。共著に『海と、がれきと、ボールと、絆』(講談社)、『青春サプリ』(ポプラ社)。『SAORI』(日本文化出版)、『夢を泳ぐ』(徳間書店)、『絆があれば何度でもやり直せる』(カンゼン)など女子アスリートの著書や、前橋育英高校硬式野球部の荒井直樹監督が記した『当たり前の積み重ねが本物になる』『凡事徹底 前橋育英高校野球部で教え続けていること』(カンゼン)などで構成を担当

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