長岡望悠が1年ぶりのコートで感じたこと 変化を楽しみながら、新しい自分へ
「今」を全力で楽しんだ復帰戦
長岡は「できなかった」と振り返りつつも、笑顔で復帰戦を楽しんだ 【写真:アフロスポーツ】
4月30日から6日間にわたり、大阪府・丸善インテックアリーナで開催された第67回黒鷲旗男女選抜バレーボール大会は、国内シーズンの締めくくりとなる大会ではあるのだが、長岡望悠(久光製薬スプリングス)にとっては、「新しいチャレンジ」と位置付ける、待ち望んだ復帰戦だった。
初戦、 金蘭会高を相手に、第1セット6−2の場面で、ライトから1本目のスパイクを決めるとコート上で笑みがこぼれた。
「久しぶりだなあって。でも、体はまだ全然動かんなあ、って感じです(笑)」。できなかった、と言いながらも終始笑顔で振り返る。「視野が広がって、考え方も変わった」という今を、長岡は全力で楽しんでいた。
練習を重ね、万全の状態で迎えた黒鷲旗
試合後、取材を受ける長岡。左前十字靭帯断裂の大けがから1年2カ月ぶりに復帰を果たした 【スポーツナビ】
受傷の瞬間に「嫌な音がした」と自身も振り返るように、さまざまな状況を踏まえ、軽傷ではないと覚悟していたが、下された診断結果は左前十字靭帯断裂。それまで経験したことのない大けがに、少なからずショックを受けた。だが、そのまま時を止めるわけにはいかない。たとえ今年は試合に出ることが難しいとしても、もうずっとコートに立てないわけではない。だから1つ、自分で掲げたことがある。
「考え出したらいくらでも最悪のことを想像してしまうので、考えても仕方がないことを考えるのをやめました」
3月に手術を敢行し、直後からリハビリを開始。大きな目標ばかりを立てるのではなく、まずは一歩ずつ。7月から走り始め、徐々にボールを使って簡単なパス練習もスタート。10月には少し複雑なステップ動作など、できることの幅も増え、回復の過程は順調だった。ひとつの区切りとして目標に掲げていた、17−18シーズン中の復帰を果たすことはできなかったが、左膝に問題はない。試合形式の練習を重ね、万全の状態で臨んだのが黒鷲旗だった。