トロロッソ・ホンダの前に大きな壁 課題として見えたエネルギーマネジメント
レース前には希望も見えたが…
アゼルバイジャンGP決勝、ピエール・ガスリーは12位で終えた 【Mamoru Atsuta】
2キロに及ぶ長いストレートがあるとは言え、バーレーンで好走を見せたようにパワー不足はそこまで大きな影響は及ぼさないはずだった。むしろ、低速の直角コーナーばかりのストップ&ゴーというのはSTR13のマシンパッケージに合っているはずだ。
アゼルバイジャンGPを前に、ピエール・ガスリーはこう語っていた。
「中国の不振の原因は小さなことの積み重ねだった。長く回り込むようなコーナーとか複合コーナー、特にターン3や13のようにトラクションが複合的なセクションだ。そういうコーナーでは、僕らは他チームのクルマに比べて苦しいということはわかった」
「それと風が強いコンディションも影響していた。セットアップ変更の方向も間違ってしまった。でもここは基本的に90度コーナーばかりで長いコーナーはないし、結構バーレーンに似たコース特性なんだ。2キロの長いストレートは僕らにとって理想的とは言えないけど、ある程度パフォーマンスを取り戻せればと思っている」
Q3に行けると断言はできないが、そこが目標だと言った。つまり3強に次ぐポジションは難しいかもしれないが、5番目のチームを目指すということだ。
ブレンドン・ハートレーはペース不足に苦しみながらも10位入賞を果たした 【Mamoru Atsuta】
いずれにしてもSTR13にはウイリアムズ勢を上回るパフォーマンスがあり、予選で言えば10〜12番手あたりにはいけたはずだ。
ストレートの車速に関しても、ドラッグが大きくないSTR13の空力パッケージゆえにまずまずの伸びを見せ、決勝でも十分にバトルは可能だと思われた。
決勝を前に、ホンダの田辺豊治テクニカルディレクターはレースペースとストレートでのバトルに自信を見せていた。
「トップスピード的には悪くないところにいますし、チームとしてはそれほどストレートで失っているとは思っていません。レースでも抜けると思います。レース展開の中で前のウイリアムズのペースが遅ければ、その集団に付き合わされてしまうとトップ10が遠のいてしまう。彼らが遅ければ抜きますよ」
しかし決勝は予想外の展開になった。