【全日本プロレス】Aブロックは三冠王者・宮原が突破 CC優勝決定戦でノア丸藤と激突へ

高木裕美

石川が鷹木との肉弾戦に勝利

石川とDRAGON GATE・鷹木の戦いは壮絶な肉弾戦となったが石川が上回った 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 昨年優勝の石川修司は4勝3敗の8点止まりで惜しくも決勝進出ならず。それでも、壮絶な肉弾戦の末にDRAGON GATEの鷹木信悟を沈め、意地を見せた。

 この試合に勝てば決勝進出の可能性が残る鷹木は、体格で上回る石川に真っ向からぶつかっていくと、場外でのファイヤーサンダーで首を痛めながらも、串刺しパンピングボンバー、ブレーンバスター。さらにはトペコンヒーロー。リングに戻してヒザ蹴り。スライディング式ラリアットはブロックされる。石川も高速バックドロップ、頭突き、コーナー最上段からのミサイルキック、ダイビングフットスタンプ。鷹木はスライディング式パンピングボンバー、腕ひしぎ逆十字固めを繰り出すと、石川の巨体を雪崩式ブレーンバスターで投げ切るが、ここで石川はファイヤーサンダー、スプラッシュマウンテンを炸裂。これをカウント2でしのいだ鷹木は、石川のエルボー連打をこらえ、パンピングボンバーからMADE IN JAPANで担ぎ落とすも、カウントは2。ならばとパンピングボンバー2連発からワンツーエルボーをたたき込むが、石川が頭突き2連発からカミゴェ、ニーリフト、ジャイアントスラムで粉砕した。

 完全燃焼した両者は、試合後、互いに礼をかわし、抱き合うと、鷹木が指を1本立てて再戦をアピール。会場からは大「信悟」コールが起こるなど、体格差を気にせず巨人に向かっていった鷹木に対し、惜しみない拍手と声援が送られた。

野村がドーリングに殊勲の勝利

野村は前三冠王者のドーリングから白星を勝ち取った 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 昨年準優勝のジョー・ドーリングは、伏兵・野村直矢に敗れ、2年連続の決勝進出を逃した。

 野村はゴングを待たずにエルボーで奇襲。だが、ドーリングもエプロンに寝かせて首元へエルボーを連打し、さらにラリアット、エルボードロップ、逆エビ固め。野村もスピアー、串刺しエルボー、ブレーンバスター、フロッグスプラッシュとたたみかけるも、2発目はかわされて自爆。ドーリングはボディーアタックからリストクラッチ式ラリアットを決めるも、カウントは2。レボリューションボムは野村が切り返し、そのままジャックナイフ式に丸め込まれたところで、3カウントがたたかれた。

 野村はリーグ戦では2勝5敗と大きく負け越したものの、最後に前三冠王者から大きな白星をGET。同世代のジェイク・リー、青柳優馬が負傷欠場する中で、大物レスラーたちとの対戦を通じて得た経験を、今後に生かせるか。

手負いのボディガーは崔に意地の勝利

左ふくらはぎ断裂の重傷を負ったボディガーだったが、CCを何とか完走。最後は崔から勝利を挙げた 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 手負いのボディガーは、3勝3敗と勝ち越しのかかった崔領二と対戦。ボディガーはCC開催中に左ふくらはぎ断裂の重傷を負い、2大会を欠場しながらも強行出場を決意。この日も崔に左ヒザへのストンピング攻撃を食らいながらも、マッケンローでお返しすると、いつものパワーファイトではなく、スリーパー、ヘッドロックなどのグラウンド技で新境地を開拓。崔もボディガーの巨体を強引に持ち上げてブレーンバスターで投げるなど奮闘するも、ボディガーはロープをつかんで揺さぶり、自らに気合いを注入。崔の必殺技である那智の滝をかわし、ラリアットから変形キャメルクラッチで締め上げてギブアップ勝ちを収めた。

 結果としては2勝4敗1不戦敗の4点と、ふがいない成績には終わったものの、ケガをしても最後まであきらめない姿勢と、多彩な引き出しを開けた意外性で、多くのファンの心をつかんだ。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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