堂安はフローニンゲンに完全移籍するのか 自他ともに感じるオランダとの親和性

中田徹

「オランダのサッカーは自分に合っている」

「僕はここであと1年プレーしたい」と話す堂安。フローニンゲンは堂安の買い取りオプションを行使するのだろうか 【Getty Images】

 ユトレヒト戦後、堂安は「最近、オランダの記者からの取材が増えてきて、フローニンゲンまで来てくれていろいろ聞かれることも多くなった」と言って喜んでいた。その一つの成果が、オランダのサッカー専門誌『フットボール・インターナショナル』誌3月28日号での3ページに渡る堂安律の大特集だった。この記事では、「フローニンゲンがガンバ大阪に買い取りオプションを行使して、来季もここでプレーすることを堂安は希望している」と記されている。

「僕はここであと1年プレーしたい。サポーターも、僕に残ってほしいと願っていると聞いています。オランダのサッカーは自分に合っている。日本のサッカーと比べると、オランダは守備から攻撃へ移るのがとても速い。フローニンゲンのサッカーも僕には合っています。オランダは両サイドにウイングを置く4−3−3が主流じゃないですか。でも、フローニンゲンはサイドの選手がどんどん中央に絞ってくる。それが自分にはいいんです」(『フットボール・インターナショナル』誌の堂安のコメント)

 この記事には、フローニンゲンのサポーターグループが「堂安をFC(フローニンゲン)に留めるためのヘルプ」というモットーのもと、「フローニンゲンが堂安の買い取りの助けに少しでもなるよう、早めに来季のシーズンカードを更新しよう」という運動をしていることも紹介されていた。

「成功の保証はない。しかし、堂安は200万ユーロ(約2億6500万円)を支払うリスクを負う価値のある選手だと、私は思う」(同誌に対するジョン・デ・ヨング、フローニンゲンサポーターズ連盟のコメント)

 ファーバー監督も、サポーターも、この半年間の堂安の目覚ましい成長に驚いている。3月半ば、ファーバー監督はオランダメディアに対してこう語っていた。

「狭いスペースで見せる彼のクオリティーを見ろ。彼はまた、試合の終盤で勝負を付けるゴールを決める落ち着きがある。それがまだ19歳だよ。私なら『この男を買う』と言う」

 5月1日が期限だとされる、フローニンゲンの堂安買い取りオプション。その行使に、熱い眼差しが注がれている。

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著者プロフィール

1966年生まれ。転勤族だったため、住む先々の土地でサッカーを楽しむことが基本姿勢。86年ワールドカップ(W杯)メキシコ大会を23試合観戦したことでサッカー観を養い、市井(しせい)の立場から“日常の中のサッカー”を語り続けている。W杯やユーロ(欧州選手権)をはじめオランダリーグ、ベルギーリーグ、ドイツ・ブンデスリーガなどを現地取材、リポートしている

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