堂安律、オランダで高まるゴールへの意識 目標の2桁得点達成に必要な2つのプレー

中田徹

完璧なファーストタッチからゴールを挙げる

ゴールを決め、バクナと喜ぶ堂安(中央) 【Getty Images】

 フローニンゲンの堂安律が今季リーグ戦5得点目、公式戦では6得点目となるゴールを、現地時間2月16日のエールディビジ第24節VVVフェンロ戦で決めた。15分、MFジュニーニョ・バクナからのパスを中盤やや右の位置で受けた堂安はドリブルでボールを前へ運び、ペナルティーエリアに入ったところで1人かわして左足のシュートをゴール左隅に決めた。

「“前回”と比べても、自分のタッチの感覚がすごく良かった。ボールが集まってきていたし、(FWのミモウン・)マヒとの良いコンビネーションもできていたので、『何かできそうだな』と思っていたら、あのゴールが決まった。ファーストタッチが完璧だった。あそこで決めないと左利きの選手ではない。パターンが良かったと思います」

 今年に入ってずっとコンディションの良さを感じ続けている堂安だが、“前回”のADOデンハーグ戦(2月11日。0−0)は中2日の過密日程に苦しみ不本意な出来に終わっていた。ADOデンハーグ戦後、堂安は悔しさをにじませながら、こう語っていた。

「ボールロストが多かった。経験のなさです。中2日にうまく対応できなかった。今年に入っていい感じできていましたので、それをここで切らすわけにはいかない。

 正直、こんな経験はガンバ(大阪)にいたときにはできなかった。楽しみたい。そうじゃないと一流にはなれないと思う。楽しみながら、『見とけよ』という気持ちで次の試合に臨みたいです」

 あの時の「見とけよ」という思いが、VVV戦のシュートには乗り移っていた。

ネガティブな雰囲気を払拭した価値あるゴール

堂安はADOデンハーグ戦(写真)の不振を引きずらず、チームのネガティブな雰囲気を払拭した 【Getty Images】

 堂安のゴールは、フローニンゲンにとっても価値あるものだった。

 今年に入ってフローニンゲンは勝利なし。“サブトップ(中堅上位チーム)”への返り咲きと、魅力的なサッカーの両立を期待されていたが、結果も内容も伴わないシーズンに失望ムードがチーム内外にまん延している。前節のADOデンハーグ戦まで、フローニンゲンは3試合連続ノーゴール。ゴール裏からはアーネスト・ファーバー監督の更迭を求める白いハンカチが振られた。この試合でストライカーのラース・フェルトワイクは「途中出場を拒否した」とされ、リザーブチーム行きを命じられた。

 そのゴタゴタの影響もあったのか、VVV戦のフローニンゲンは、キックオフから40秒で最初の大ピンチを迎え、2分に先制ゴールを許した。大量失点の予感もあった立ち上がり10分だった。

 15分に決まった堂安のゴールは、フローニンゲンのネガティブな雰囲気を払拭(ふっしょく)した。若いセントラルMFコンビ(バクナとトム・ファン・デ・ローイ)が落ち着きを取り戻したのが、観客席にも伝わってきた。

「後半はこういう(カウンターを仕掛け合う)展開になってしまったので難しかった。でも前半はすごく充実した試合内容でした」とADOデンハーグ戦での自身の不振を引きずらず、VVV戦の立ち上がりのチームのパニックにも巻き込まれることなく戦えたことに、成長の手応えをつかんでいた。

「『ダメ、ダメ』と思ってピッチに立っても、ポジティブなプレーはできないと思うので、良い時の自分の姿だけを想像した。家では得点のシーンも見ました。そういう良い時のプレーをイメージしながら過ごした結果、全く前回の試合を忘れて今回は入れたと思います。守備でも、すぐに戻って何とか頑張ることができた。これが普通になってきているのが良い。今日、特に頑張ったというわけでもなく、意識を高く継続してできている。そこが成長しているところだと思います」

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著者プロフィール

1966年生まれ。転勤族だったため、住む先々の土地でサッカーを楽しむことが基本姿勢。86年ワールドカップ(W杯)メキシコ大会を23試合観戦したことでサッカー観を養い、市井(しせい)の立場から“日常の中のサッカー”を語り続けている。W杯やユーロ(欧州選手権)をはじめオランダリーグ、ベルギーリーグ、ドイツ・ブンデスリーガなどを現地取材、リポートしている

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