3連勝の2年目右腕に驚異の西武打撃陣 プロ野球で開幕ダッシュを決めた男たち

ベースボール・タイムズ

快音連発の3人が打率4割キープ

昨季は打率4割をキープしたまま戦線離脱した日本ハムの近藤。今季は15日時点でパ・リーグ打率トップの4割2分9厘をマークしている 【写真は共同】

 野手陣で好スタートを切ったのは、セ・リーグ3連覇を狙うカープ打線不動の3番、丸佳浩(広島)だ。開幕15試合中13試合でヒットを放ち、残りの2試合も計6四死球で出塁。高い選球眼と逆方向への強い打球が今季はさらに進化した印象で、ここまでリーグトップの打率4割4分4厘(45打数20安打)&5本塁打に加え、リーグ3位の13打点をマーク。得点圏打率4割1分7厘も優れているが、それ以上に長打率8割、出塁率6割3分2厘という数字が驚異的だ。

 パ・リーグでも、近藤健介(日本ハム)が開幕から快音を重ね、ここまでリーグトップの打率4割2分9厘(49打数21安打)をマークしている。昨季も6月上旬まで打率4割をキープしていたが、腰部の椎間板ヘルニア手術の影響で57試合の出場にとどまった(167打数69安打の打率4割1分3厘)。その悔しさを胸に、今季も卓越したバットコントロールでボールを的確に捉え続け、当たり前のように打率4割をキープ。出塁率も5割5分6厘と高水準の数字をたたき出している。

 そして彼らよりも高い得点圏打率を誇っているのが、新外国人のアルモンテ(中日)である。広島との開幕カードでは12打数2安打と苦しんだが、4月8日の阪神戦でタイムリー3本を含む4安打4打点と爆発して一気に打率を上げると、同15日のDeNA戦では今季4号アーチを含む3安打をマークして打率4割に乗せた(4割0分7厘)。特筆すべきがチャンスでの勝負強さで、ここまで得点圏打率6割2分5厘(16打数10安打)で、リーグトップの15打点をマークしている。

絶好調のライオンズ打線、打率10傑に5人

 その他では、セ・リーグでは糸井嘉男(阪神)、坂口智隆(ヤクルト)、パ・リーグでは上林誠知(ソフトバンク)、荻野貴司(ロッテ)が打率ランキングで上位に付ける好スタートを切った。だが、彼らの名前以上に目立つのが西武の面々だ。ここまで14試合で12球団トップのチーム打率2割8分3厘、78得点を誇る中で、山川穂高がリーグ2位の打率3割6分、秋山翔吾が同3位の打率3割5分1厘。さらに外崎修汰が同5位の打率3割4分6厘、源田壮亮が同8位の打率3割2分8厘、森友哉が同9位の打率3割2分6厘と、打率10傑に実に半数となる5人がランクインしている。

 その中でも、やはり4番の山川だろう。昨季後半戦にブレイクし、出場78試合で23本塁打を放った和製大砲。今季オープン戦では16試合で打率1割3分6厘(59打数8安打)と低迷したが、いざ開幕するとお構いなし。開幕2戦目で1号アーチを含む3安打を放つと、その後も打線の軸として存在感を発揮。5本塁打、15打点はともにリーグトップで、間違いなくタイトル争い、そして三冠王誕生の可能性も感じさせる好スタートを切っている。

 まだ対戦がひと回りしただけ。タイトル争いを語るにはまだ早すぎるが、それでも今後の行方を占ううえで十分な人材、そしてワクワクさせる材料がそろったと言える。開幕ダッシュを決めた男たちが、どこまで走り続けるのか。そして巻き返す人材は出て来るのか。ふた回り目以降の戦いに、ますます注目したい。

(三和直樹/ベースボール・タイムズ)

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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