3連勝の2年目右腕に驚異の西武打撃陣 プロ野球で開幕ダッシュを決めた男たち

ベースボール・タイムズ

首位チームを引っ張る若手右腕

4月1日にプロ初登板初先発で初勝利を挙げると、15日まで3連勝をマークしたDeNAの京山 【写真は共同】

 開幕から2週間半、4月15日をもってセ・パ両リーグともに各球団の対戦がひと回りした。チームの勝敗うんぬんはあるが、選手個々に目を向けても好スタートを切った者が多く目立つ。

 投手陣では、京山将弥(横浜DeNA)が進境著しい。近江高3年夏に甲子園のマウンドを踏み、ドラフト4位でプロ入りした高卒2年目。キャンプ、オープン戦と評価を上げ、主力投手の相次ぐ故障の中で開幕ローテ入りを果たすと、4月1日の東京ヤクルト戦でプロ初登板初先発に臨み、5回5安打1失点でプロ初勝利。続く8日の広島戦でも5回2/3を4安打無失点としっかり試合を作ると、同15日の中日戦でも5回2/3を3安打1失点と好投。3勝&防御率1.10はともにリーグトップ。このまま京山がタイトルを争うような活躍を続ければ、球団20年ぶりリーグ優勝への大きな推進力となるはずだ。

 パ・リーグでは、多和田真三郎(埼玉西武)がインパクト大のピッチングを展開している。富士大からドラフト1位で入団して3年目の今季、開幕2戦目の3月31日の北海道日本ハム戦で6回3安打無失点と好投して1勝目を挙げると、続く4月7日のオリックス戦でも7回5安打2失点と好投。そして同14日の東北楽天戦では9回4安打1失点の完投勝利。開幕3連勝&防御率1.23で、菊池雄星とのダブルエースとして開幕14試合で11勝3敗と首位を走るチームを牽引(けんいん)している。

助っ人勢の活躍が目立つセ・リーグ

 京山、多和田の2人以外に目をやると、セ・リーグでは外国人投手の活躍が目立つ。筆頭は、来日2年目のブキャナン(ヤクルト)だ。開幕から安定した投球を続けて2勝0敗、防御率1.23。4月13日の阪神戦では完封目前の9回に同点に追い付かれて自身3連勝は逃したが、持ち味である打たせて取るピッチングでゴロアウトを重ね、ローテの柱になっている。

 その他、来日9年目となったメッセンジャー(阪神)も、今季は開幕3試合で2勝1敗、防御率2.16の好スタート。4月12日の広島戦では審判への暴言で退場処分を受けたが、調子自体はいい。さらに16年に沢村賞を受賞しながら昨季6勝に終わったジョンソン(広島)も開幕3試合で2勝1敗、防御率2.57。さらに独立リーグからNPB復帰を果たしたバリオス(DeNA)も開幕3試合で2勝1敗、防御率2.76の好成績。お立ち台では日本語で「サイコーデス!」を連発し、ファンの心も早々とつかんだ。

 パ・リーグでは、24歳の上沢直之(日本ハム)が2試合に先発して計14イニングをわずか1失点で、リーグトップの防御率0.64をマーク。それに続くのが石川柊太(福岡ソフトバンク)で、中継ぎ4試合を経て4月12日の日本ハム戦で今季初先発して7回4安打無失点と好投し、ここまで12イニングで1失点の防御率0.75。ともに自身初の2ケタ勝利へ向けて好スタート。昨季不振に終わった石川歩(千葉ロッテ)も、今季は自身開幕2連勝と復活気配を漂わせている。

 そして救援陣では、山崎康晃(DeNA)が躍動した。チームが挙げた9勝のうち7試合に登板し、計7イニングを被安打3、奪三振10というほぼ完璧な内容で抑え込んで7試合連続セーブを挙げている。1998年の日本一の際には“大魔神”佐々木主浩が45セーブ&防御率0.64で絶対的守護神として君臨したが、“小さな大魔神”とも呼ばれる山崎が、本家に肩を並べる存在になれるかどうか。期待の高まる滑り出しを見せている。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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