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進化を続ける“渋谷小町”小林愛三
「キックボクサーとして1番になりたい」
14日のKNOCK OUTで韓国のキックボクシング女王と対戦する“渋谷小町”小林愛三にインタビュー
14日のKNOCK OUTで韓国のキックボクシング女王と対戦する“渋谷小町”小林愛三にインタビュー【スポーツナビ】

 キックボクシングイベント「KNOCK OUT SAKURA BURST」が神奈川・カルッツかわさきで14日に開催される。全7試合の内で唯一の女子の試合が“渋谷小町”小林愛三と“韓国女王”イ・ドギョンの一戦。2月の大田区大会では台湾出身のキル・ビーに対し判定で勝利をもぎ取った小林。プロのキックボクサーになって無敗を続けているが、その記録を更新することができるか。対するイ・ドギョンは韓国のMKF女子52キロ級王者。お互い蹴りが主体で戦うことになるがどんな結末を迎えるか。


 今回は韓国女王との一戦に臨む小林に話を聞いた。

“殴る・蹴る”の非日常感にハマる

豊富な運動量とスタミナ、運動神経の良さが際立つ小林。もともとはフィットネスインストラクターを目指しジムに通い始めたが、そこでキックボクシングにハマった
豊富な運動量とスタミナ、運動神経の良さが際立つ小林。もともとはフィットネスインストラクターを目指しジムに通い始めたが、そこでキックボクシングにハマった【写真:中原義史】

――小林選手の試合は豊富な運動量とスタミナ、伸びやかな動きで運動神経のよさを感じます。これまでの運動歴を教えてください。


 小さい頃はとにかく外で遊ぶのが好きで、友だちと鬼ごっこをしたりドッジボールをやったり、裸足で外を走っていました。スポーツは小学校3年から高校までずっとバレーボールをやっていて、身長が低かったのでジャンプ力でカバーしていた感じです。運動するのが好きだったので運動神経はいい方だと思ったんですけど、高校で体育科に入ったらもっと運動神経のいい人が多くて、それからはそんなに、という感じです(苦笑)。


――高校卒業後は体育系の学校に進学したそうですね。


 もともと両親がどちらもフィットネス・インストラクターだったので、自分もインストラクターになりたいと思って学校に入りました。それでボクササイズも始めたんですけど、最初はあまり学校に馴染めなくて、ちょうど学校をズル休みしてジムへ体験に来てみたら、メチャクチャ楽しくてハマってしまって。それで“キックも頑張りながら学校も頑張ろう”と思って学校も行き始めたんです。最初は試合とかじゃなく、とにかくこのスポーツが楽しいと思ってずっとやっていて、そのうち先輩がリングでスパーをしているのを見てカッコいいなと思って、それで始めて半年ぐらいしてから試合もやるようになりました。


――最初に感じたキックボクシングの楽しさはどういう点だったのでしょうか?


 やっぱり“殴る・蹴る”というのがまず習慣としてないので、その非日常感がすごくスリルで楽しかったです。ミットを打ってすごく音が出るあの瞬間だったり、あとはトレーナーさんに褒められて「お、いいね!」とか言われると、「え、いいの!?」みたいな感じですぐ調子に乗っちゃうタイプなので(笑)。


――ともにインストラクターをしていたご両親でも、さすがに格闘技、キックボクシングともなると反対したのではないですか?


 反対は最初からあまりなくて、逆に「プロでやるんだったらもっと体作りをしろ」とか、「こんなのじゃダメ」という方でした。やるならしっかりやれって。ケガとかがあるとすごく心配してくれるんですけど、いつも応援してくれています。

センチャイ会長の言葉で吹っ切れた

プロ第2戦でタイの強豪選手と戦ったが、その時に聞いたセンチャイ会長の言葉で吹っ切れたと話す
プロ第2戦でタイの強豪選手と戦ったが、その時に聞いたセンチャイ会長の言葉で吹っ切れたと話す【スポーツナビ】

――キックボクシングの思った以上の面白さにハマり、その後デビュー戦は15年12月、19歳の時となっています。


 自分でも気がついたらプロになっていた感じです。始めてから1年半ぐらいやってプロでデビューしました。教わることが初めてのことばかりだったので、「なるほど」と思って、言われることをガッツリやっていました。教えてくださる方がみなさんトップ選手だったり、すごくレベルの高いことを教えてもらっていたので、そのおかげで今があります。最初はとにかく教えてもらうことをやっていたのですが、最近になってようやく考えて、頭を使ってやるようになって、今は毎日新しい発見があって楽しいです。


――プロ第2戦では当時83戦71勝9敗3分という戦績で、男子選手を圧倒する映像が話題になっていたタイのペットジージャ・オー・ミークン選手との対戦がありました。怖くはなかったですか?


 私も動画サイトでずっと見ていて、「まさかこんな強い選手と」と思っていたんですけど、大会(ムエタイオープン)の代表であるセンチャイ会長から「みんな人間だから」という言葉を人づてにもらって、「同じ人間だったら別に大したことないじゃん」と思って、そこから吹っ切れました。


――その試合も勝利し、現在まで12戦8勝4分と、プロではまだ無敗で来ています。


 ギリギリのところをスレスレで来ているというか(苦笑)。

課題を克服し「自分に勝つ」!

前回の反省を生かし、「1ラウンド目から『お!』と思ってもらえるような動きを出す」と意気込む
前回の反省を生かし、「1ラウンド目から『お!』と思ってもらえるような動きを出す」と意気込む【スポーツナビ】

――昨年17年はKNOCK OUTに参戦を始め、飛躍となった1年でした。


 とにかくたくさんのことを経験させてもらって、常に前進できた1年だったなと思います。まずベルトを取るというのが大きい目標で、ムエタイオープンのベルトを取ることができて、「強い人と戦いたい」と思っていたらどんどん強い人とやらせてもらえるようになって、少しずつ目指している方向に行けている実感があります。でも、強い方とやるには自分が強くないといけないので、そこは自分も日々進化しないといけないと思っています。


――今年の第1戦となった2月のキル・ビー戦では序盤の劣勢を逆転し、判定で勝利しました。


 勝つことは勝てたんですけど、試合内容は本当に課題しかなくて、自分に勝てなかった部分がたくさんありました。2ラウンド目とか押された時にちょっと気持ちが折れそうになってしまって、でもそこで先輩たちが背中を押してくださって粘ることができたので、本当に感謝しています。「相手に勝つ」というのはあるんですけど、やっぱり一番は「自分に勝つ」ことだと思うので、だから自分に勝つ部分をどんどん強くしていきたいです。


――そして続く韓国のイ・ドギョン選手との試合も近づいてきました。こちらの一戦への意気込みをお願いします。


 前回は下がってしまったり、最初からバンと行けなかったりいろいろな課題があったので、今はそこを徹底的にスパーでやり込んでいます。なので次の試合は1ラウンド目から「お!」と思ってもらえるような動きが出せるんじゃないかと思います。


――対戦相手のドギョン選手の印象はいかがでしょうか?


 試合を見て、どちらかと言うと蹴り主体の選手だったので、やっぱり自分は蹴りが一番の武器だと最近は思っているので、そこは何が何でも蹴り勝って、パンチでも倒せたらと思います。今度の相手は蹴りの面でも負けられないし、蹴りを生かした展開で倒したいです。みなさんに「おぉ、スゴい!」と思ってもらえるくらい頑張っていきたいと思います。


――小林選手が今後目指すところを教えてください。


 お婆ちゃんが農業をやっていて、作っているスイカがめっちゃ美味しいんです。他にもシソやお米を作ったりすごく楽しそうで、それで私も将来は田んぼで自転車をこいでいるお婆ちゃんになりたいと思っています(笑)。私もみんなに美味しいと思ってもらえるスイカを作りたいです。


 でも、まずは目の前の一戦一戦をしっかり倒して一つずつ進化をしていって、キックボクサーとして男女関係なく飛び抜けて強い選手に、キックボクサーとして1番になりたいです。あとKNOCK OUTは男子は団体のトップ選手同士が戦う場になっているので、私も他の団体のベルトを狙っていったり、いろいろな団体のトップが集まる舞台になったらいいなと思います。

長谷川亮

1977年、東京都出身。「ゴング格闘技」編集部を経て2005年よりフリーのライターに。格闘技を中心に取材を行い、同年よりスポーツナビにも執筆を開始。そのほか映画関連やコラムの執筆、ドキュメンタリー映画『琉球シネマパラダイス』(2017)『沖縄工芸パラダイス』(2019)の監督も。

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