【全日本プロレス】初のさいたまSAで宮原が三冠再戴冠 全日本マットで「チームJAPAN」が再会!?

高木裕美

ドーリングを下し、再び三冠ヘビー王座に返り咲いた宮原 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 全日本プロレス「2018 DREAM POWER SERIES」最終戦となる25日の埼玉・さいたまスーパーアリーナ(コミュニティアリーナ)大会では、4大タイトルマッチなどが行われ、2257人の観衆を集めた。

 全日本が同会場に進出するのは今回が初。この日は、新日本プロレスなどで活躍し、もうすぐ70歳となるイギリス出身の名レスラー、トニー・セント・クレアー氏も来日した。また、昨年7月に左ヒザを負傷し、長期欠場中のジェイク・リーがスーツ姿で登場。5.24東京・後楽園ホール大会で復帰することを発表した。

 ジェイクは野村直矢と共に世界タッグ王座を保持していたが、7.28名古屋大会でゼウス&ボディガー組を退けて初防衛に成功後、「左ヒザ前十字靭帯断裂、内側靭帯損傷、骨挫傷」と診断され、手術&リハビリを行っていた。大歓声に迎えられたジェイクは 「リングの上に5月24日、後楽園ホールで復帰させていただきます。また熱い戦いを繰り広げるので、皆さん応援お願いします」とあいさつした。

ドーリングの猛攻を耐え勝利「今、オレがナンバーワンだ」

ドーリングの猛攻に耐え、シャットダウンスープレックスホールドで3カウントを奪った 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 メインイベントの三冠ヘビー級選手権試合では、宮原健斗が王者ジョー・ドーリングを破り、約5カ月ぶりに王座返り咲き。観客を「最高!」コールであおると、「チャンピオン・カーニバル(CC)、三冠ヘビー級王者として優勝するのはオレしかいないでしょ」と、4.7仙台で開幕する春の祭典での悲願の初優勝を宣言した。

 宮原は16年2月から17年5月まで、1年以上にわたって三冠王座を保持し、8度の防衛に成功。観客に「最高ですか!」と呼びかける独自のスタイルで、史上初の平成生まれの三冠王者として、新時代を確立した。その後、昨年8.27両国国技館大会で王座返り咲きを果たすも、初防衛もできないまま、わずか1カ月半で王座から転落。だが、今年の2.3横浜大会で王座防衛に成功したドーリングに対し、リング上から次の挑戦を志願した。

 宮原は開始早々、鉄柵攻撃を仕掛けると、ドーリングも即座にお返し。さらにドーリングはショートレンジラリアット、エルボー、ドロップキックとたたみかけると、宮原も低空&顔面ドロップキック、ヒザ蹴りを見舞う。10分過ぎ、ドーリングの場外マット上への投げ捨てパワーボムで宮原がダウン。場外カウントが進む中、ドーリングは自らレフェリーのカウントを止め、リング上に戻す。宮原はリング上でのパワーボムをDDTに切り返し、ブラックアウトを連続で繰り出すと、ドーリングのパイルドライバー、ショートレンジラリアットを食らいながらも、レボリューションボムを阻止してブラックアウト2連発からのシャットダウンスープレックスで3カウントを奪った。

 試合後、一旦はリングを降りたドーリングが再び戻り、新王者とガッチリ握手。宮原は「三冠ベルトが宮原健斗に帰ってきたぞ!」と叫ぶと、「チャンピオンになったからには、これからのプロレス界、オレがもっともっと盛り上げる。オンリーワンも好きだけど、ナンバーワンの方がもっと好きです。今、オレがナンバーワンだ」と、ベルトの重みを確認。「4月からチャンピオン・カーニバルが始まります。そこで、三冠ヘビー級王者として優勝するのはオレしかいないでしょ」と断言した上で、「全日本プロレス、最高ですか?」「最高!」のかけ合いで大会を締めくくった。

 宮原は第55代王者時代の16年と17年、いずれも三冠王者としてCCに出場。だが、16年は大日本プロレスの関本大介、17年はフリーの石川修司と、いずれも外敵に優勝をさらわれている。今年のCCにもプロレスリング・ノアの丸藤正道や、火野裕士など、優勝候補の筆頭に挙げられる強敵が多数出場。また、ドーリングとも公式戦で再び対戦するだけに、宮原としては文句なしの優勝を果たして「最高!」のナンバーワンであることを証明したいところだ。

崔領二&ディラン・ジェイムス組が世界タッグ初戴冠

崔領二&ディラン・ジェイムス組がザ・ビッグガンズを破り世界タッグ初戴冠 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 セミファイナルの世界タッグ選手権試合では、崔領二&ディラン・ジェイムス組が、ゼウス&ボディガーの「ザ・ビッグガンズ」を倒し王座初戴冠を果たした。ビッグガンズは2.24大阪で宮原&ヨシタツ組から王座を奪取したばかり。試合後、崔がその場で次期挑戦者に名乗りを上げ、強力なパートナーの登場を予告していた。

 3.19後楽園ではタイトル前哨戦としてシングル2試合が組まれ、ボディガーがわずか3分52秒、ラリアットでディランに完敗。一方、ゼウスは20分近くに及ぶ熱戦の末、崔をパワーボムで仕留め、1勝1敗となっていた。

 ジェイムスはかつてジェームス・ライディーンの名で、ZERO1マットで活躍。12年のタッグトーナメント「風林火山」では、ゼウスとのコンビで優勝を果たしている。

 ビッグガンズは息の合ったコンビプレーを随所で発揮。崔を標的に定め、連係の串刺し攻撃でダウンをさせると、ダブルインパクトを狙うも、ジェイムスが阻止し、逆にボディガーに合体ブレーンバスター。だが、ボディガーも即座に2人に立て続けにラリアットを見舞うと、ロープを揺すって雄たけびを上げる。15分過ぎ、王者組が崔に合体チョークスラムを放ち、ボディガーがダイビングエルボードロップを突き刺すと、ジェイムスにも合体ショルダー。しかし、崔へのダブルインパクトはまたも不発。崔がゼウスを雪崩式ブレーンバスターで投げ、ジェイムスがチョークスラムを発射。さらに崔がボディガーに那智の滝で急降下し、3カウントを奪い取った。

 4.7開幕のCCには、崔もジェイムスも参加。新「チャンピオン」として、多方面から狙われる立場となりそうだ。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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