円谷プロが公認した(!?)プロレスラー 東京03豊本のプロレスあれこれ(31)

東京03 豊本明長

独特のトンパチさとファンタジーさを兼ね備えたインディーレスラー・ウルトラマンロビン選手(右)について 【写真:前島康人】

 われわれ東京03は『ウルトラ怪獣散歩』(フジテレビONE/TWO/NEXT)という番組をやらせてもらっています。内容はウルトラマンシリーズに出てくるウルトラ怪獣たちが街ブラをするという番組。その街ブラをする怪獣たちの「声」をやらせてもらっているんです。

 しかしこの番組、DVDがなかなか好評で、日本全国のレンタル店・販売店で働く方々が選ぶ『ビデオ屋さん大賞2017』のバラエティ部門<金賞>に選ばれました。とても有り難い事です。

 怪獣が観光地に行き、ご当地のグルメレポートをしたり、神社仏閣などは怪獣という理由で断られたりと、なかなかぶっ飛んだ内容で面白いんです。見た事ない方は是非。

 そしてなにより、よくこの企画を「円谷プロ」さんは通したなぁと。

 寛大すぎる!

 いや待てよ? 僕らプロレスファンは「円谷プロ」が寛大という事を知っていました。

 それは「ウルトラマンロビン」選手の存在です。

 という事で今回のコラムはウルトラマンロビン選手の話。

飲み屋での直談判で「公認」を取得!

 プロレス界にはウルトラマン、ウルトラセブン、スタルマン、アミーゴ・ウルトラなど、数多くウルトラマン風のマスクマンが存在しますが、すべて非公認。

 しかし、ウルトラマンロビン選手は違います。円谷プロが公認した唯一のプロレスラーなんです。

 しかもその公認というのも、飲み屋さんでたまたま円谷さんの社長と居合わせたロビンさんが、「私はプロレスラーで、ウルトラマンのマスクを被って試合をやりたいので公認して下さい」と直談判。

 2つ返事でお許しをもらったみたいです。

 この円谷プロの寛大さよ! もしくはお酒の力の威力よ!

覚えて下さい!「イチ、ニ、サン、ディステニー!」です

マイクはサスケ選手(左)の方が上手ということですね 【写真:前島康人】

 そんな感じで生まれたウルトラマンロビン選手。

 ウルトラマンシリーズには登場しませんが、円谷プロのウルトラマンである事には間違いなく、プロレスのリングで戦う本物のウルトラマンなんです。

 単身イギリスにわたりキャッチレスリングを学びレスラーになったロビン選手。

 うん、素晴らしい。

 試合のコスチュームが全身を覆うため、とんでもない暑さになる。その暑さに耐える訓練に普段着は真夏でも長袖のパーカーに軍手をしてるロビン選手。

 うんうん、プロフェッショナルですね。

 試合中まごまごしちゃう時もあるロビン選手。

 ん? ロビンさん!?

 締めのマイクで話がとりとめなくなり、横にいたザ・グレート・サスケ選手にマイクを取り上げられるロビン選手。

 あぁロビンさん……。

「イチ、ニ、サン、ダー!」みたく、ロビン選手ならではの締めのマイクは「イチ、ニ、サン、ディステニー!」なんですが、浸透してない会場でもいきなり説明なしにするので、「ディステニー!」という人と「ダー!」と言ってしまう人と、「何を言えば?」という人とが混在して会場をざわつかせるロビン選手。

 おいおいロビンさん!

 猫が大好きで「レオ」という名前をつけたにもかかわらず、「チビ太」と呼ぶロビン選手。

 ロビンさんW

 だからレオって呼んでも来ないと苦悩するロビン選手。

 ロビンさんったら……。

 猫が好き、犬も好き、でも鳥は嫌いなロビン選手。

 何でだ! ロビンさん!

 K−1のアーネスト・ホースト選手がたまたま会場に見に来ていて、勝手にリングに上げてあいさつさせるロビン選手。

 ダメダメ! ロビンさん!

 そしてその時ずっと「ミスター・ホーネスト」と呼ぶロビン選手。

 1番ダメ! ロビンさん!

実は円谷プロの体制が変わり公認は……

みんなから愛されるロビン選手。これからも頑張ってください! 【写真提供:東京03 豊本明長】

 そして、公認と書いてますけど実は、少し前に円谷プロの体制が変わり、公認ではなくなったんです……。

 でも普通の会社なら「もうロビンという名前は使わないでくれ!」となるはずでしょうが、さすが円谷プロです。「名前は使って良いですよ」と。

 円谷プロの器の大きさで延命したロビン選手。

 そんなロビン選手が自身の20周年(11年7月)でメフィラス星人と戦い、試合後に握手をして和解していました。

 そのことを円谷さんもさすがに知ったら怒るんじゃないかと思いましたけど、もう時効だと思うので書かせてもらいました。

 勝手なロビン選手。

 でもみんなから愛されるロビン選手。

 28年のキャリアを迎え、未だ独特の世界観で戦うロビン選手は近年のインディーレスラーにはないトンパチさとファンタジーさを兼ね備えた最後のインディーレスラーじゃないかと僕は思っています。
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著者プロフィール

プロダクション人力舎所属のお笑いトリオ「東京03」のメンバー。「特技:プロレス観戦」というほどのプロレス通。FIGHTING TV サムライでは「速報!バトル☆メン」の水曜司会も担当している

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