痛恨の敗戦後にはサファリツアーへ? リーチが語るスーパーラグビーの戦い方

斉藤健仁

日本代表キャプテンのリーチがサンウルブズに加入

日本代表キャプテンのリーチ マイケルが今季からサンウルブズに加入した 【斉藤健仁】

「桜」のスキッパーが「狼」のジャージを初めて身にまとった。

 3月3日、日本を本拠地とするスーパーラグビーチームのサンウルブズは、ホームの東京・秩父宮ラグビー場で開幕2戦目となるレベルズ戦を迎えた。今季初勝利を目指す「狼軍団」の先発に、ラグビー日本代表でキャプテンを務めるFLリーチ マイケルの名があった。日本のラグビーファンにとっては待ちに待った瞬間だった。

 サンウルブズの指揮官を、今季からラグビー日本代表のジェイミー・ジョセフHC(ヘッドコーチ)が兼任することになり、より日本代表との連携を深めることになった。現在46名のスコッドのうち、実に38名は2019年ワールドカップ(W杯)に出場可能な選手で構成されている。

 昨シーズンまでの3年間、トップリーグの東芝とともに、半年間は「スーパーラグビーで優勝したい!」と故郷のニュージーランド(NZ)の強豪・チーフスの主力としてプレーしていたリーチは、契約延長を断り、ついに日本に戻ってきてサンウルブズに入団した。
 日本代表キャプテンとして2019年W杯を見据えての決断であり、日本代表とほぼ同じコーチ陣がサンウルブズを指導することに関しては「ゲームプランなどをマッチする時間が増えて、たくさん試すことができて、(チームが)シャープになる。日本代表にとってはいいこと」と歓迎した。

「サンウルブズに可能性を感じている」

別府合宿から経験を選手たちに伝えている 【斉藤健仁】

 トップリーグ終了後、たった10日間の短いオフをNZで過ごし、1月28日からの大分・別府合宿にリーチは元気な姿を見せた。「トップリーグでもなく、日本代表でもなく、日本の最強のプロのチーム。みんな楽しくやっています。チームに可能性を感じているから、ワクワクしています!」

 キャプテンにこそ指名されなかったが、日本代表で53キャップ、チーフスで34試合出場しているリーチの存在は自然と大きくなる。しかもサンウルブズは7カ国からなる多国籍軍団。英語も日本語も堪能なリーチの存在は頼もしい限りだ。「楽な部分もあるがキャプテンかどうかは関係ない。チームが勝つために努力したい。下からチームを引っ張っていきたい」とリーダーとしての自覚も十分だった。

開幕戦の姫野らの活躍がプレッシャーに?

レベルズの世界的SHゲニア(右)。スーパーラグビーではこうしたレベルの高い選手との戦いが続いていく 【斉藤健仁】

「チーフスの倍以上、エディー・ジャパンよりきつかった!」という自衛隊での2泊3日のキャンプを含む過酷なプレシーズン合宿を通して開幕のブランビーズ戦に備えたが、リーチは出場することがかなわなかった。ほかの選手の状態が良かったことと、リーチは1月にトップリーグで負傷した影響もあり、コンディションが上がっていなかった。

 そして2戦目のレベルズ戦で、「調子が上がってきた」というリーチはサンウルブズで初の先発メンバーに選出。ただ、開幕戦で同じFLの姫野和樹とピーター・ラブスカフニがリーグの「ベスト15」に選ばれるほどの活躍を見せたこともあって「プレッシャーに感じています」と本音も吐露した。

 初めてサンウルブズのジャージを着てスーパーラグビーに臨むことに対しては「日本最高のプロチームの試合に出ることはすごく楽しみ。ボール持ったら前に出る、ディフェンスで相手は止める、いつものプレーをするだけ」と腕をぶした。

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著者プロフィール

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーとサッカーを中心に執筆。エディー・ジャパンのテストマッチ全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」、「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「ラグビー「観戦力」が高まる」(東邦出版)、「田中史朗と堀江翔太が日本代表に欠かせない本当の理由」(ガイドワークス)、「ラグビーは頭脳が9割」(東邦出版)、「エディー・ジョーンズ4年間の軌跡―」(ベースボール・マガジン社)、「高校ラグビーは頭脳が9割」(東邦出版)、「ラグビー語辞典」(誠文堂新光社)、「はじめてでもよく分かるラグビー観戦入門」(海竜社)など著書多数。

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