痛恨の敗戦後にはサファリツアーへ? リーチが語るスーパーラグビーの戦い方

斉藤健仁

対戦相手には元東芝コーチ「バラカットにやられた」

対戦相手に元東芝のコーチがおり、ラインアウトは苦戦した 【斉藤健仁】

 サンウルブズは前半こそ10対10で折り返したが、レベルズに突き放されて17対37で敗戦。
 バリカンで坊主頭にして気合いを入れたリーチは、80分出場し、ランやタックルで“らしい”プレーもあったが、ボールキャリーは6回、タックルは4回と決して高いパフォーマンスを見せることができず、「体力的には良かったが、(自己採点は)10点中3点。試合にインパクトを与えることができなかった」と唇を噛んだ。

 またリーチが特に猛省したのは大事なところでのミスが目立ち、成功率79.2%に終わったラインアウトだった。コーラー(サインを決める担当)だったが、相手にかつて東芝やNTTコミュニケーションズでもコーチをしていたジョー・バラカットがおり、分析、対応された。
「ビデオで見たのと違い、(ラインアウトの)後ろでボールを取らせないように張っていた。相手が動かないで止まっていると厳しい。新しいサインをやろうとしてコンフューズ(混乱)してしまった。バラカットにやられた」と肩を落とした。

「サンウルブズのモールは強い。(この試合も)押せていた」と自信を持っていたドライビングモールで、前半早々に相手の反則を誘って、再びゴール前でモールを組もうとしたが、ラインアウトが乱れてしまった。もし、序盤でモールからトライが取れていれば試合の流れは変わっていたはずだ。

「僕もコーチ陣も成長できる」

サンウルブズとしての初戦は「うれしさより悔しさの方が大きかった」 【斉藤健仁】

 ラインアウトの指導を自ら担当するジョセフHCも「(序盤のゴール前ラインアウトは)自分たちが有利な立場で展開できるにもかかわらず、細かいミスをした。レベルズの身長が大きく、プレッシャーを与えきて、相手に軍配が上がった。自分の責任なので遺憾に思う」と反省しつつも、リーチのパフォーマンスに関しては「ラインアウトのところで責任があったので、今日の出来を見れば、お察しいただけるかと」と及第点を与える様子は皆無だった。

「(サンウルブズ初キャップの)うれしさより悔しさの方が大きかった」と、サンウルブズとしての初戦を振り返ったリーチだが、選手がケガで交代したときの対応など「こういった経験が(日本代表の)インターナショナルでも使える。僕もコーチ陣も成長できる」と、思った以上に明るい表情も見せていた。

 特にラインアウトに関しても「日本語でコールしたら、HOの堀江(翔太)以外はみんな外国人選手でポカーンとしていた。今後は英語にします(苦笑)」と冗談まじりで改善点を挙げていた。

「楽しむこと、ハードに練習することのバランスが大事」

長いシーズンは始まったばかり。リーチは「楽しむこと、ハードに練習することのバランスが大事」と語る 【斉藤健仁】

「サンウルブズと日本代表を比べるものではない。スパンが長いので日本代表と同じ意識では持たない。ずっと張っているのは良くない」とリーチが言うように、6月には代表期間で中断されるが、スーパーラグビーは残り14試合、7月まで続く長丁場。もちろん反省はするが、一戦一戦の結果にくよくよせずに、ポジティブな思考を持って前を向く習慣は経験者ならでは、である。

 そのため、「楽しむこと、ハードに練習することのバランスが大事。抜くときは抜く」というリーチは、オフの重要性も強調。南アフリカのダーバンに着いたら「ラグビーで一番楽しいのは遠征です。FWで、最低600グラムのTボーンステーキを食べに行きます!」と笑顔を見せた。サファリツアーに行く予定もあるという。

 現在、南アフリカのツアー中であるサンウルブズは3月10日にシャークス、そして18日に2年連続準優勝のライオンズとアウェイで激突し、24日には東京に、リーチの古巣・チーフスを迎える。

「ボールに絡んで、ボールをもらって走って、きつい場面に顔を出して、もっと試合に影響を与える選手にならないといけない」というリーチが、サンウルブズのために身体を張り続ける姿に変わりはない。
 自己採点が「10点」と言えるほど狼のジャージでリーチが大暴れすれば、サンウルブズの勝利はグンと近くなるはずだ。

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著者プロフィール

スポーツライター。1975年生まれ、千葉県柏市育ち。ラグビーとサッカーを中心に執筆。エディー・ジャパンのテストマッチ全試合を現地で取材!ラグビー専門WEBマガジン「Rugby Japan 365」、「高校生スポーツ」の記者も務める。学生時代に水泳、サッカー、テニス、ラグビー、スカッシュを経験。「ラグビー「観戦力」が高まる」(東邦出版)、「田中史朗と堀江翔太が日本代表に欠かせない本当の理由」(ガイドワークス)、「ラグビーは頭脳が9割」(東邦出版)、「エディー・ジョーンズ4年間の軌跡―」(ベースボール・マガジン社)、「高校ラグビーは頭脳が9割」(東邦出版)、「ラグビー語辞典」(誠文堂新光社)、「はじめてでもよく分かるラグビー観戦入門」(海竜社)など著書多数。

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