痛恨の敗戦後にはサファリツアーへ? リーチが語るスーパーラグビーの戦い方
対戦相手には元東芝コーチ「バラカットにやられた」
対戦相手に元東芝のコーチがおり、ラインアウトは苦戦した 【斉藤健仁】
バリカンで坊主頭にして気合いを入れたリーチは、80分出場し、ランやタックルで“らしい”プレーもあったが、ボールキャリーは6回、タックルは4回と決して高いパフォーマンスを見せることができず、「体力的には良かったが、(自己採点は)10点中3点。試合にインパクトを与えることができなかった」と唇を噛んだ。
またリーチが特に猛省したのは大事なところでのミスが目立ち、成功率79.2%に終わったラインアウトだった。コーラー(サインを決める担当)だったが、相手にかつて東芝やNTTコミュニケーションズでもコーチをしていたジョー・バラカットがおり、分析、対応された。
「ビデオで見たのと違い、(ラインアウトの)後ろでボールを取らせないように張っていた。相手が動かないで止まっていると厳しい。新しいサインをやろうとしてコンフューズ(混乱)してしまった。バラカットにやられた」と肩を落とした。
「サンウルブズのモールは強い。(この試合も)押せていた」と自信を持っていたドライビングモールで、前半早々に相手の反則を誘って、再びゴール前でモールを組もうとしたが、ラインアウトが乱れてしまった。もし、序盤でモールからトライが取れていれば試合の流れは変わっていたはずだ。
「僕もコーチ陣も成長できる」
サンウルブズとしての初戦は「うれしさより悔しさの方が大きかった」 【斉藤健仁】
「(サンウルブズ初キャップの)うれしさより悔しさの方が大きかった」と、サンウルブズとしての初戦を振り返ったリーチだが、選手がケガで交代したときの対応など「こういった経験が(日本代表の)インターナショナルでも使える。僕もコーチ陣も成長できる」と、思った以上に明るい表情も見せていた。
特にラインアウトに関しても「日本語でコールしたら、HOの堀江(翔太)以外はみんな外国人選手でポカーンとしていた。今後は英語にします(苦笑)」と冗談まじりで改善点を挙げていた。
「楽しむこと、ハードに練習することのバランスが大事」
長いシーズンは始まったばかり。リーチは「楽しむこと、ハードに練習することのバランスが大事」と語る 【斉藤健仁】
そのため、「楽しむこと、ハードに練習することのバランスが大事。抜くときは抜く」というリーチは、オフの重要性も強調。南アフリカのダーバンに着いたら「ラグビーで一番楽しいのは遠征です。FWで、最低600グラムのTボーンステーキを食べに行きます!」と笑顔を見せた。サファリツアーに行く予定もあるという。
現在、南アフリカのツアー中であるサンウルブズは3月10日にシャークス、そして18日に2年連続準優勝のライオンズとアウェイで激突し、24日には東京に、リーチの古巣・チーフスを迎える。
「ボールに絡んで、ボールをもらって走って、きつい場面に顔を出して、もっと試合に影響を与える選手にならないといけない」というリーチが、サンウルブズのために身体を張り続ける姿に変わりはない。
自己採点が「10点」と言えるほど狼のジャージでリーチが大暴れすれば、サンウルブズの勝利はグンと近くなるはずだ。