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錦織圭、けがから復帰後の心境を語る
2018年は「毎週がチャレンジ」
けがから復帰した錦織圭。ニューヨーク・オープン前に話を聞いた
けがから復帰した錦織圭。ニューヨーク・オープン前に話を聞いた【Getty Images】

 2017年に手首の負傷により約半年間の欠場を余儀なくされた錦織圭(日清食品)。1月に行われた復帰戦の「ATPチャレンジャーニューポートビーチ」では初戦敗退に終わったものの、2戦目のダラス選手権では優勝を果たし、復調を印象づけた。


 次なる戦いの舞台は現地時間12日に開幕したニューヨーク・オープン。その直前となる11日、錦織に話を聞いた。復帰後2大会の手応え、リハビリ中の過ごし方、18年シーズンへの思いなどを語ってもらった。

復帰後、2大会を振り返った感想は「安心」

復帰2戦目となるダラス選手権で優勝。負傷していた手首への不安はない
復帰2戦目となるダラス選手権で優勝。負傷していた手首への不安はない【写真は共同】

――昨年8月に右手首の腱を痛めて約半年を離脱した後、復帰2戦目となるダラス選手権で優勝を飾りました。率直な感想は?


 一応ホッとしています。ただ、まだスタート地点に立っているのかどうか分からないくらいではあります。今回のATPツアー250くらいのレベルでまずは勝っていかないといけません。先週のダラスとか、その前のニューポートとかで試合ができて、少しずつ自信は出て来ていますけれど、まだまだこれから。自信が100%になるにはもう少し時間がかかると思います。


――うれしいというより、安堵(あんど)という感じでしょうか。


 そうですね。とりあえず良い試合が6戦くらいできて、手首も良くなってきて、ひとまずは安心しています。


――復帰初戦の「ATPチャレンジャーニューポートビーチ」は初戦敗退でした。ただ、その中でも少なからず手応えはあったのでしょうか?


 1試合目はまだ手首の不安だったり、いろいろなものがあったので、試しという感じでした。結果がどうこうというより、とりあえず試合をこなせて良かった。 やっぱり6カ月ぶりですし、練習と試合では緊張感はかなり違ってくるので、試合に入っていけないところもありました。手首が大丈夫だという自信ができてくれば、テニスに集中できる。そういう意味では良い2大会でした。

リハビリは長いようで、短かった

――テニスプレーヤーにとっての手首のけがとは、例えば野球で投手が肩を痛めるような重要なものだったと思います。故障発生直後は、選手としての将来を心配するような思いも頭をよぎったのでしょうか?


 けがをしたときは結構な痛みだったので、しばらくはできないかもしれないというのは頭をよぎりました。診断で最初は(全治)4、5カ月くらいと言われたんですよ。ただ、手術というオプションもあったので、選択は難しかったですね。手術をしないで済む可能性もありましたし、「手術を受けなければいけない」と言っていた先生も何人かはいたので。振り返ってみても、その判断が一番難しかったです。


――結局は手術を受けずに治療、リハビリという方向を選択しました。それを乗り切る過程で、故障箇所は違うとはいえ、2009年に長期離脱した経験は役立ったと感じられましたか?


 そうですね。かなり大変な時期もありましたけれど、それでも今回のリハビリ期間はポジティブに過ごせていました。長いようで、今考えれば短かった。過去に1年離脱した経験もあったので、そこまで重く考えすぎず、ポジティブでいられたと思います。

14年の全米オープンは「自信がついた大会」

決勝に進出した14年の全米オープンは「自信がついた大会」と振り返る
決勝に進出した14年の全米オープンは「自信がついた大会」と振り返る【Getty Images】

――そして今回、新設のニューヨーク・オープンに臨むことになりました。主催者側は「ケイはかなり早い段階から私たちのトーナメントに参加を望んでくれた」とうれしそうに語っていました。この大会の出場を希望した理由は? 単に日程的な都合でしょうか?


 時期的にちょうどけがが治る時期だったからです。本当は(1月の)全豪オープンに出たかったんですけれど、全豪は5セットですし、大会後半まで進めるような状態でないといけません。そのための手首の準備が整っていなかったので、出場はやめました。時期的にちょうど良かったのが、ニューヨークと次のアカプルコ(メキシコオープン)。その間に時期が空いたので、チャレンジャーにも出たというのが経緯です。


――ニューヨークだからというわけではないんですね。主催者側がなぜそう思ったかというと、やはり過去の全米オープンでの錦織選手の活躍の印象が強烈だったので、「ケイはゲンの良いニューヨークで再スタートを切りたがっている」と勝手に解釈したんじゃないかと(笑)。


 それでは、そう考えていただいても大丈夫です(笑)。


――いやいや(笑)。16年の全米オープンでもベスト4まで進みましたが、やはり14年の決勝進出の記憶はニューヨークの人々の心の中に依然として鮮明に残っています。今、あの大会をどう振り返られますか?


 これまででも最も良い成績を残せた全米オープンです。まさかグランドスラムの決勝まで戦えるとは思っていなかったですし、体力的に5セットのマッチを7回やれるという自信がついた大会でもあります。ジョコ(ノバク・ジョコビッチ)だったり、(スタン・)ワウリンカだったり、上の選手に勝てる自信がついたのもあの大会でした。いろいろなことが経験できましたね。

杉浦大介
杉浦大介
東京都生まれ。日本で大学卒業と同時に渡米し、ニューヨークでフリーライターに。現在はボクシング、MLB、NBA、NFLなどを題材に執筆活動中。『スラッガー』『ダンクシュート』『アメリカンフットボール・マガジン』『ボクシングマガジン』『日本経済新聞・電子版』など、雑誌やホームページに寄稿している。2014年10月20日に「日本人投手黄金時代 メジャーリーグにおける真の評価」(KKベストセラーズ)を上梓。Twitterは(http://twitter.com/daisukesugiura)

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