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野茂のライバルらが米国野球殿堂入り
当選した4選手たちの球歴は!?

悪球打ちながら通算3割超え

素手のままバットを握り、悪球打ちと称されたブラディミール・ゲレーロだが、通算打率3割1分8厘の安打製造機だった
素手のままバットを握り、悪球打ちと称されたブラディミール・ゲレーロだが、通算打率3割1分8厘の安打製造機だった【Photo by Focus on Sport/Getty Images】

 有資格1年目の昨年は得票率71.7%で、当選ラインにわずかに届かなかったブラディミール・ゲレーロは、今年は92.9%で堂々の当選。ドミニカ共和国出身の野手では、初の殿堂入りとなる。


 ゲレーロは打撃3冠のタイトルこそ無縁だったが、そのキャリアを通じて安定した成績を残した。手袋をせずに素手のままバットを握る、現代の野球では珍しいバッターで、エンゼルスのマイク・ソーシア監督が「(ストライクゾーンは)鼻からつま先まで」と評したこともある悪球打ちながら、16年のMLBキャリアで打率が3割を切ったシーズンは3度だけ。通算打率3割1分8厘は、今年の殿堂入り候補にノミネートされた19人の野手の中でもナンバーワンのハイアベレージである。


 通算449本塁打、181盗塁とパワー&スピードも兼ね備え、2001年からは2年連続でトリプルスリーを達成。02年は39本塁打、40盗塁で、史上4人目の40−40にわずか1本塁打及ばなかったものの、04年には打率3割3分7厘、39本塁打、126打点でア・リーグのMVPにも輝いている。

メジャー史上初の600セーブを記録

ドラフトされたときは内野手だったものの、投手転向で才能が開花したトレバー・ホフマン。メジャー史上の600セーブを達成した
ドラフトされたときは内野手だったものの、投手転向で才能が開花したトレバー・ホフマン。メジャー史上の600セーブを達成した【Photo by Sean Brady/WireImage】

 有資格3年目にして吉報を手にしたのが、MLB史上初めて通算600セーブを達成したトレバー・ホフマンだ。彼は1989年にドラフト11巡目でレッズに入団した時は遊撃手だったのだが、プロ入り後に投手に転向。マーリンズが新規参入した際の拡張ドラフトでメジャー昇格のチャンスをつかみ、パドレス移籍後に伝家の宝刀チェンジアップを習得して花開いた。


 自己最多の53セーブで救援投手ながらサイ・ヤング賞投票2位に食い込んだ1998年をはじめ、最多セーブは2回。30セーブ以上14回、うち40セーブ以上9回とコンスタントに稼いだ。本拠地での登板時には、オーストラリア出身のロックバンドAC/DCの『ヘルズ・ベルズ』が流れるのがお決まりで、04年からはセットアッパーの大塚晶則(現晶文)と勝利の方程式を構築していたのを、ご記憶の方も多いだろう。


 06年には当時の通算最多セーブ記録を塗り替え、10年には前人未到の通算600セーブを成し遂げて、その年を最後に引退。昨年は得票率74.0%とわずかに届かなかっただけに、今回の選出はうれしかったはずだ。  

松井秀喜は足切りラインに届かず…

 対照的に、有資格9年目の今年も得票率70.4%と惜しくも当選ラインに届かなかったのが、01年にイチローらとともにマリナーズのア・リーグ西地区制覇に貢献したDHのエドガー・マルティネスだ。こちらは10年目の来年がBBWAA選出のラストチャンスとなる。


 今年の候補者には、先ごろ日本の野球殿堂入りが決まったばかりの松井秀喜もいたのだが、メジャーのみで通算1253安打、175本塁打、760打点、打率2割8分2厘という成績では、09年のワールドシリーズMVPを加味しても厳しい。得票率0.9%(得票数4)で足切りラインに引っかかり、1年限りで候補から姿を消すことになってしまった。


 その松井を含めた“落選組”の中には、成績だけを見ればとっくに選ばれていてもおかしくない選手もいる。それが歴代ナンバーワンの通算762本塁打を誇るバリー・ボンズであり、投手として歴代9位の通算354勝を挙げているロジャー・クレメンスである。彼らが選ばれないのは、ともに禁止薬物使用疑惑が影を落としているからだが、注目すべきはソーサと違い、ここ数年は着実に得票率を上げてきていることだろう。残された4年の間に、彼らにさらなる追い風は吹くだろうか!?

菊田康彦
菊田康彦
静岡県出身。地方公務員、英会話講師などを経てライターに。メジャーリーグに精通し、2004〜08年はスカパー!MLB中継、16〜17年はスポナビライブMLBに出演。30年を超えるスワローズ・ウォッチャーでもある。著書に『燕軍戦記 スワローズ、14年ぶり優勝への軌跡』(カンゼン)。編集協力に『石川雅規のピッチングバイブル』(ベースボール・マガジン社)、『東京ヤクルトスワローズ語録集 燕之書』(セブン&アイ出版)。

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