リーガ再興の鍵を握る新スターたちの動向 PSG、マンCの台頭で戦力バランスに変化

早く動いたバルサは恐るべきチームに変ぼう

バルセロナは昨夏から交渉を続けてきたフィリペ・コウチーニョをリバプールから獲得 【写真:ロイター/アフロ】

 一方、バルセロナはライバルより一足早く動いた。4−3−3への回帰を期待させるウスマン・デンベレの復帰に続き、昨夏から交渉を続けてきたフィリペ・コウチーニョをリバプールから獲得。さらにはコロンビアの若き長身センターバック、ジェリー・ミナも加わった今、バルセロナは恐るべきチームに変ぼうしたと言える。

 もちろんやるべきことは残されている。マンチェスター・シティ(マンC)が興味を示しているサミュエル・ウムティティとの契約を見直し、アルダ・トゥランやジェラール・デウロフェウの売却もまとめなければならない(アルダはイスタンブール・バシャクシェヒルFKへの期限付き移籍が決定)。ウムティティの台頭により出番を失ったハビエル・マスチェラーノも、W杯に向けてコンディションを維持するために近日中に中国へ移籍することになりそうだ。

 アトレティコ・マドリーもジェイダに大勝した年明け早々の国王杯から新顔の活躍が見られた。スペイン代表でも復活が期待されるジエゴ・コスタ、そしてラス・パルマスでの短いプレー期間を経てやってきたビトロの2人である。

 アルゼンチン期待の若手ストライカー、ラウタロ・マルティネスも来季の加入が内定したことで、アトレティコは人員過多となった前線を整理する必要に迫られている。既にバレンシアに期限付き移籍したルシアーノ・ビエットに続き、複数のオファーが届いているニコラス・ガイタンも近日中に移籍することになるだろう。

 PSG、マンCら新興勢力の台頭により、長年保たれてきたヨーロッパの戦力バランスは変わり始めた。重要なのは、そのような状況下でもラ・リーガが世界最強リーグの座を争い続ける意志を固めたことだ。

(翻訳:工藤拓)

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著者プロフィール

アルゼンチン出身。1982年より記者として活動を始め、89年にブエノス・アイレス大学社会科学学部を卒業。99年には、バルセロナ大学でスポーツ社会学の博士号を取得した。著作に“El Negocio Del Futbol(フットボールビジネス)”、“Maradona - Rebelde Con Causa(マラドーナ、理由ある反抗)”、“El Deporte de Informar(情報伝達としてのスポーツ)”がある。ワールドカップは86年のメキシコ大会を皮切りに、以後すべての大会を取材。現在は、フリーのジャーナリストとして『スポーツナビ』のほか、独誌『キッカー』、アルゼンチン紙『ジョルナーダ』、デンマークのサッカー専門誌『ティップスブラーデット』、スウェーデン紙『アフトンブラーデット』、マドリーDPA(ドイツ通信社)、日本の『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿

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