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歴史に残る“クラシコ”は見られない?
バルサとレアル、両チームの対照的な現状

首位独走のバルセロナに対し、レアルは……

毎年盛り上がりを見せる“エル・クラシコ”。今回は歴史に残るような試合にはならないかもしれない
毎年盛り上がりを見せる“エル・クラシコ”。今回は歴史に残るような試合にはならないかもしれない【Getty Images】

 12月23日(現地時間、以下同)にサンティアゴ・ベルナベウで行われる“エル・クラシコ”は、ラ・リーガにおける両チームの現状を考慮すると、少なくとも優勝争いという観点で歴史に残るような試合にはならないだろう。そもそもこの段階における直接対決が決定的な意味合いを持つことはない。


 ここまでバルセロナは非の打ちようがない結果を出してきた。16節を終えて勝利を逃したのは3つの引き分けのみで、勝ち点48のうち42を獲得。内容的に良いプレーができなくとも、とりわけホームのカンプ・ノウでは難なく勝利を手にしてきた。低調なパフォーマンスが続いてきた何人かの選手も、ここ数試合のうちに調子を上げてきており、良い状態で土曜の決戦を迎えられそうだ。


 12月17日のデポルティーボ戦はバルセロナの現状を測る良い機会となった。デポルティーボはできる限りの抵抗を試みた。リオネル・メッシのPKを止めたGKルーベンの好守がなければ、スコアは4−0では済まなかったはずだ。他にも4本のシュートがゴールポストにはじかれ(うち3本はメッシのシュートだった)、ラ・リーガが導入を躊躇(ちゅうちょ)しているビデオ判定があれば、認められていたはずのルイス・スアレスの幻ゴールもあった。


 首位を独走しているバルセロナは、すでに2位アトレティコ・マドリーに勝ち点6差、3位バレンシアには同8差、そして4位のレアル・マドリーには同11差をつけている。クラブワールドカップ(W杯)出場によりレアル・マドリーの消化試合が1つ少ないことを考慮しても、それは大きすぎる差である。

「圧倒的に強い」とは言えない今季のバルセロナ

パウリーニョが即戦力として機能しているのは、指揮官の優れた手段の賜物だ
パウリーニョが即戦力として機能しているのは、指揮官の優れた手段の賜物だ【写真:ロイター/アフロ】

 しかしながら、今季のバルセロナが圧倒的に強いチームかと問われれば、そう断言することはできない。エルネスト・バルベルデ監督は前任のルイス・エンリケ以上に理にかなったチームマネジメントを行っている。新加入のパウリーニョが即戦力としてはまっていることも、指揮官の優れた手腕の賜物(たまもの)だ。バルセロナでのパウリーニョは、トッテナム時代にあれほどの批判を受けたことが不思議なくらいの活躍を見せている。


 ネイマールが移籍し、代役として獲得したウスマン・デンベレも早々に負傷離脱。さらにはルイス・スアレスも調子が上がらない中、バルベルデは3トップを断念し、MFを1人増やして戦うようになった。問題は2トップの一角を担うメッシがボールを求めて中盤に下がる傾向があるため、スアレスが前線で孤立しがちになることだ。


 最近はジェラール・デウロフェウやデニス・スアレスの出番が減る反面、出場機会に恵まれていなかったパコ・アルカセルがサイドMFとFWを兼任する変則的なシステムが機能していた。残念ながら彼はデポルティーボ戦の負傷で3週間の離脱を強いられてしまったが、ここにきてスアレスのゴールが増えてきたことはプラス材料だ。


 だが、今季のバルセロナは他にも多くの問題を抱えている。サミュエル・ウムティティの負傷離脱はその1つだ。現時点ではコンディションが上がってきたトーマス・フェルマーレンが彼の穴を埋めているが、1月にはハビエル・マスチェラーノが中国に移籍する可能性が高まってきた。半年後に迫ったW杯ロシア大会に向けて万全のコンディションを維持したいアルゼンチン代表は、継続的にプレーできる環境を必要としており、ウムティティの加入により定位置を失ったバルセロナから移籍することを望んでいる。


 マスチェラーノの代役候補としてはパルメイラスのコロンビア人DFジェリー・ミナが有力視されている。一方、前線の補強については昨夏も獲得を試みたフィリペ・コウチーニョの名が再浮上しているだけでなく、トップチームのスポークスマンを務めるギジェルモ・アモールがアントワーヌ・グリーズマンとの接触を示唆したことも話題となっている。

セルヒオ・レビンスキー/Sergio Levinsky
セルヒオ・レビンスキー/Sergio Levinsky

アルゼンチン出身。1982年より記者として活動を始め、89年にブエノス・アイレス大学社会科学学部を卒業。99年には、バルセロナ大学でスポーツ社会学の博士号を取得した。著作に“El Negocio Del Futbol(フットボールビジネス)”、“Maradona - Rebelde Con Causa(マラドーナ、理由ある反抗)”、“El Deporte de Informar(情報伝達としてのスポーツ)”がある。ワールドカップは86年のメキシコ大会を皮切りに、以後すべての大会を取材。現在は、フリーのジャーナリストとして『スポーツナビ』のほか、独誌『キッカー』、アルゼンチン紙『ジョルナーダ』、デンマークのサッカー専門誌『ティップスブラーデット』、スウェーデン紙『アフトンブラーデット』、マドリーDPA(ドイツ通信社)、日本の『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿

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