【柏レイソル】残留へ乗り越えるべき壁「2024Reysol Report Vol.20」
ゼルビア戦後、古賀太陽はラスト数分間の試合の進め方を、以下のように解説した。
「相手の時間帯になるにつれて、自分たちの全体のブロックが数メートル下げられた印象がある。敵陣のFKでも自分たちがラインを下げてしまったので、もっと高い位置で勝負しなければいけなかった。それが相手にとっては嫌なことだし、できるだけ相手をゴールから遠ざけることは、どの相手に対してもやらなければいけない」
DF古賀 太陽 【©️KASHIWA REYSOL】
「あの時間帯に後ろに重くなるのは仕方がないですけど、自分たちが前にパワーを使えるかだと思います。リスクを負ってまでゴールを取りにいく必要はないですけど、自分たちがゴールに向かう姿勢があることで相手も来づらくなるし、圧力が向こうにかかる空気になる。そのへんは自信を持って、もう少しゲームを通しての課題に目を向けるべき」
そもそも、相手にペナルティエリア内に侵入されれば、それだけPKを与える確率は高まるわけであり、相手もゴール前では何かしらの“事故発生”を狙ってくるだろう。PKを与えたプレーにフォーカスするのではなく、終盤の時間帯に相手の圧力を受けてしまい、PKを与えやすいシチュエーションを作られた、チームの戦い方に改善点がある。
DF犬飼 智也 【©️KASHIWA REYSOL】
できれば、自陣の深い位置でFKを与えた山田雄士がノーファウルでボールを奪い取れればよかったのだが、それも相手を自由にさせないように球際激しく奪いにいった結果であるため、仕方がないとも言える。それよりも課題は、その後のFKの守備だろう。
松本健太がアビスパ戦の失点シーンを振り返り、問題を提起する。
「セットプレーの場所で、あそこのセカンドボールがこぼれる位置が空いているとか、シュートブロックに対してどれだけみんなが意識を向けていたか、自分も含めてどこにボールが来てもいいように準備をしていたか、そういうところが足りないからこそああいう結果になってしまう。細かいところをチームとして突き詰めていかないと、また同じ結果になってしまう」
【©️KASHIWA REYSOL】
試合終盤に相手の圧力をまともに受けて我慢しきれないことも、こぼれたボールに対しての寄せの甘さが原因で失点することも、昨年から度々見られていたレイソルの課題だった。選手一人ひとりが細かい部分まで徹底し、それをチーム全体で共有して戦えなければ、松本が指摘するとおり同じことを繰り返すだけである。
リーグ戦は残り2試合。残留は絶対条件だが、これらの課題を改善し、少しでも上積みを見せて、来季へつながる試合を見せてほしい。
【文】柏レイソルオフィシャルライター:鈴木潤
GK松本 健太 【©️KASHIWA REYSOL】
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