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田中刑事「今の時間は今しか味わえない」
全日本フィギュア男子FS後コメント
全日本選手権の表彰式でメダルを手にする2位・田中刑事、優勝した宇野昌磨、3位・無良崇人(左から)
全日本選手権の表彰式でメダルを手にする2位・田中刑事、優勝した宇野昌磨、3位・無良崇人(左から)【写真:坂本清】

 フィギュアスケートの全日本選手権は24日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで行われた。男子フリースケーティング(FS)では、宇野昌磨(トヨタ自動車)がフリー186.47点、合計283.30点をマークし連覇を飾った。宇野はショートプログラム1位からの完全優勝で、平昌五輪代表の座をつかんだ。


 代表枠は「3」。羽生結弦(ANA)、宇野に続く最後の枠をめぐって注目された2位は田中刑事(倉敷芸術科学大)でフリー175.81点、合計267.15点。3位は無良崇人(洋菓子のヒロタ)でフリー172.88点、合計258.41点だった。


 4位からは友野一希(同志社大)、村上大介(陽進堂)、須本光希(浪速中・高スケート部)と続き、山本草太が9位に入った。


 以下、演技直後の各選手コメント。

宇野昌磨、連覇にも「本当に情けない」

2連覇を達成し、五輪代表に内定した宇野昌磨だが反省の言葉を口にした
2連覇を達成し、五輪代表に内定した宇野昌磨だが反省の言葉を口にした【写真:坂本清】

(全日本を終えた今の気持ちは)悔しいという気持ちと申し訳ない気持ちです。ここ数試合、皆さんの期待に応えられない演技ばかりをしていて、自分でも満足する演技とは程遠かったですし、皆さんが期待していたものともかなり違ったと思います。(それでも連覇だが)結果をあまりのみ込めないくらい、今回が特別悪いというわけではなく、続いてしまっていることが本当に情けないと思っています。


(五輪内定だが)それでも何回も失敗して、だからといってあきらめるつもりもないので、次はいい演技をしたいという気持ちで練習に励んでいきたいと思います。(体力不足の原因は)心のコントロールという意味では、前半はすごく良かったと思います。体力面としてフリップの失敗は、もう少し余裕があれば跳べたというのはありますけど、そのあとの2回転+2回転になってしまったジャンプは、明らかに跳ぶ前から体力的に跳べないなと。あそこが単発の4回転だったら跳べたかもしれないですが、それでも体力不足というのは、自分の把握不足かなと思いました。


(練習の段階から体力不足を感じていた?)2回転+4回転がプログラムで決めたことはほとんどなかったのですが、それでもそのほかのジャンプをまとめればいいと思っていたので、今回もフリップはアクセル+トゥループの前のジャンプなので、アクセル+トゥループを入れなくても失敗していた。でもアクセル+フリップに関しては1つ前の失敗を引きずってしまったかなと思います。


(自分にいら立つ気持ちもある?)どうしてなんだろうというより、明らかに体力がなかったので、体力がないのは練習していけば必ず体力はつく。この構成での練習が足りなかったのと、気持ちで言うと申し訳ないという気持ちが大きいです。(2回転+4回転を入れた理由は)トウループがこのところ試合で失敗していたので、そこでリピートになってしまうことが多くて、そういう案を出してもらったのですが、やるからには2回転+4回転を入れた状態でもう少し練習する必要があったと思います。きっと入れない構成ではできたと思うのですが、さらに難易度を上げた状態でやる練習が足りていなかったんだと思います。


(この方向性で今後もやっていく?)いろいろブーイングが出そうなので、それは周りの雰囲気を感じて考えようと思っています。


(体力的に厳しいと分かっていてもあえて跳んだのは「攻める」ということにつながっている?)絶対にああなることは分かっていたのですが、ここでやらないことに意味があるのかという気持ちが前に出たのでやったんですけど、そういう状況に至ってしまったので、この構成での練習を重ねるべきでした。このアクセル+トゥループをやろうと考えたのがぎりぎりだったかもしれません。

2位の田中刑事「今しかないと滑った」

演技後はやり切った表情を見せた2位の田中刑事
演技後はやり切った表情を見せた2位の田中刑事【写真:坂本清】

(演技を振り返って)細かいミスはあったんですけど、本当に今の時間というのは、今しか味わえない空気だと思いながら滑りました。今回は順位より、練習したものがどれだけ出せるかにこだわっていたので、後半の4回転というのもそういうところから来たのかなと思います。(力を)出せたところもたくさんあったので、すごく良かったです。


(血がにじむような練習に耐えてきたと思うが、それが終わって今の気持ちは?)体が思うように動かず、すごく重いときもあって、そのときに比べたら今の空気感は、まだ体が動く分あとは自分の気持ち次第だと思ったので、もう強い気持ちを持つしかないなと思いました。


(試合も含めてかなり成長したところはある?)この空気感は五輪シーズンでしか味わえないと思うので、その中でこういう滑りができたことは自分の中でも1ついい成長のきっかけになったと思います。


(演技が終わった瞬間天を見上げてぎゅっと目をつぶったがどんな心境だった?)今回は、これまでの全日本と違って、ちょっと日程が空いたり、いつものペースだと昨日終わってるという感じだったので、1日空いた分、疲れというものも感じて今日臨んだので、すごく心配だったんですけど、気持ちだけでしか乗り越えられない、乗り越えるものがないなと思ったので、今しかないって思いながら滑りました。


(先生も飛び上がって喜んでいたが、先生から何か言われたことや先生に言いたいことは?)この1カ月間の練習で、いいときも悪いときも全部一緒にやってきた分、やっと身についたものが試合で出せたという、成長のきっかけをこの舞台で見せることができて良かったと思います。


(この4年間を振り返って、自分の成長はどのようなものだった?)大きく変わったなと思うところは、急に伸びたわけではないので、少しずつ積上げたものがこうして完成度を上げていたと思います。自分の中でも苦しい時期ももちろんあったし、実が結んだところもあるので、本当に少しずつ、ようやく上がってこれたなという感じです。


(無良選手もかなりいい演技だったが、気持ちが高まった?)もちろん緊張感がスタート前からあるというのは感じていたので、名前がコールされる間にどれだけ(緊張を)下げていくか、集中していけるかが本当に勝負だなと思いながら滑っていました。


(ラスト30秒でどのあたりで余裕というか、何か明るいものが感じられた?)まったくなくて、本当は練習でもフリーのテーマである明るい部分というのは、表情で出せばすごく分かりやすいプログラムになるんですけど、一度も練習でそんな笑顔になれるようなフリーが滑れなかったので、せめて全日本だけでも苦しい練習を乗り越えた分、ちょっとでも笑顔で滑れたかなと思いながら滑りました。


(羽生選手が棄権したが、どういうふうに戦おうと思った?)彼がいない中でも去年のような雰囲気もあったし、すごく寂しい感覚はありました。彼と連絡をしてるなかでも、全日本でどれだけ力が出せるかというのも僕次第でもあり、彼の快復が間に合いませんでしたが、一緒に全日本に出たかったというのも僕の心境でもあったので、いつか全日本で一緒に戦えるように、大きな大会で一緒に滑れるようにというのを忘れずに、この全日本に臨んできたつもりです。


(4回転ジャンプを降りたのが得点につながったのでは?)前半のサルコウは最初の勢いだけだったのですが、後半のトゥループは、このリンクに来てからトゥループの感覚が良かったので、どれだけ冷静に跳ぶかという、力まない感覚だけを感じながら跳びにいこうと思いました。


(五輪が見えてきたと思うが?)行けたらなんですが、同期で(羽生)結弦もそうですし、(村上)佳菜子もソチに行ってる分、僕も同期の枠に入りたいなっていうのはちょっと気持ちの中にありました。そういったところを少し感じながら、あまり考えすぎずに自分のできることをやろうと思ってきました。

無良、追い上げならず3位も「悔いはない」

3位で表彰台に上がった無良崇人
3位で表彰台に上がった無良崇人【写真:坂本清】

(演技終わって今の気持ちは)本当に一言で言い表すと、温かい声援の中で、今までで一番気持ちよく滑れた4分半だと思います。このフリーで自分がやり切るところまでいかなければ、その先もないし、この全日本という舞台で、最後まで自分らしく滑りたいということを今日の公式練習が終わってから考えていました。最初のスタートから自分らしく滑ろうと思っていましたし、何より昨日の宮原(知子)選手のフリーの演技を見て、あれだけ人を感動させるような演技を自分もしたいと臨みました。スケートカナダから自分でも分からないどん底を味わいながら、そこからやっとここまで戻ってこられたんだなというのを感じましたし、ここからは選考がどうなるかというところだと思うので、自分の中で悔いはないです。


(大歓声は聞こえたか)最後にルッツを失敗してしまったんですけど、その前のサルコウを降りたあとくらいから盛り上がっているのは、自分でも感じていましたし、終わった瞬間、「わー」っという歓声の中で、やっと自分らしいスケートができたなというのを痛感しながら、あいさつするような形で、最初から最後まで自分らしくやれたかなと思います。どれだけ自分らしく滑ることができるかと、どれだけ見ている方たちに自分らしさをどれだけ伝えられるのかでスタートしたので、4回転1つにしてしまったのですが、最後のルッツ以外は自分らしく滑ることができました。ここまで来たらどういう結果になっても、悔いはないなという演技ができたというのと、今季のスタートからやっとここまで戻ってこられたという安堵(あんど)感を感じました。


(前回のソチ五輪の選考会から、あと4年やると決めたことを振り返ってどうか?)すごく長かった感じもしますが、気づいてみたら今季が五輪シーズンというところからスタートして、基本的なことを含めて、成長できたかなというシーズンを少しずつ重ねてきて、全日本でようやく自分らしいスケートが戻ってきたのかなと。あとは一番緊張する舞台でそれが出せるかというところを考えてきたので、ショートが終わって、試合の心地よさというか、ここ一番でやるしかないというところでやっと自分らしさが出せたと感じましたし、それをフリーにつなげられて本当に充実した4年間だったなと思います。


(何が苦しかった?)五輪という舞台が近くなればなるほど、自分の想像している位置と自分の調子がかみ合わないことが多くて、どうやっていけばいいのか、ずっと分からない中で、むちゃくちゃにやればやるほど足をケガしたり、靴を壊してしまったりで、いろいろなことがシーズンスタートしてあって、調子が上がらない中で、スケートカナダを迎えました。そこから気持ちを切り換えて、全日本に向けてやっていくことを考えての1カ月半でした。本当はこれをシーズン最初から出せたらもっといいところで全日本に持ってこられたかもしれません。でも逆にこの苦しさがあったからこそ、全日本で自分らしい演技ができたと思うし、いろいろなことを学ばせてもらった1年だったなと感じます。

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