東九州龍谷、金蘭会が優勝争いの中心 2018年春の高校バレー【女子展望】
前回は大エース黒後愛(現・東レ)を中心とした下北沢成徳(東京)が2連覇を達成したが、今回はどんな大会となるのか。東京五輪へ向けた強化プロジェクト「Team CORE」の女子監督の安保澄(きよし)さんに大会の見どころや注目選手を聞いた。
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東九州龍谷、金蘭会を中心に混戦が予想される
エースの中川美袖を中心に、インターハイに続く優勝を狙う東九州龍谷(大分) 【写真は共同】
東九州龍谷の注目大型アタッカー、中川美袖
昨年注目された黒後愛とはまた異なるタイプの大型サイドとして、東九州龍谷の相原昇監督が焦らずに将来を見据え、ステップアップさせてきた成果が着実に現れているのではないでしょうか。
中川選手の他にもジュニア代表候補のミドルブロッカーでオールラウンダーの平山詩嫣(しおん)選手、2年生のウイングスパイカー合屋咲希選手も跳躍力があり、高さと速さを備えた攻撃ができる。そしてその多彩なアタッカー陣を生かすのがセッターの比金有紀選手と2年生の園田風音選手。個々の技術レベルが高く、チームとしても完成度が高いです。
インターハイVの東九州龍谷と同ブロックの注目校は?
世代を代表するエース、八王子実践(東京)の東谷玲衣奈も最後の春高を迎える(写真は前回大会) 【写真:田村翔/アフロスポーツ】
関選手は、16年7月のアジアジュニアで銀メダルを獲得したメンバーの1人。合宿のたびに与えた課題を常にクリアしてきて、コツコツ努力を継続させることができ、着実に伸びている選手です。タレント豊富な両チームの対戦となれば見逃せない一戦となるでしょう。
加えて、このブロックには今大会の注目選手の1人であるエース、東谷玲衣奈選手を擁する八王子実践(東京)もいます。1年時から活躍してきた東谷選手は運動能力が抜群で、バレーボールの1つ1つのスキルが高い。責任感も強い選手なので、最後の春高でどんなプレーを見せるか、私も非常に楽しみにしています。
優勝候補の一角で、個々の能力も高い金蘭会
優勝を狙う金蘭会のキャプテン、林琴奈(写真は前回大会) 【写真:アフロスポーツ】
チームのメンバー構成の中心は2年生です。3年生の主力はキャプテンでエースの林琴奈選手で、主軸となるのは2年生のウイングスパイカー西川有喜選手、1年生の宮部愛芽世(あめぜ)選手、2年生セッターの中川つかさ選手、ミドルブロッカーの曽我啓菜選手、中澤恵選手、升谷未来選手、リベロの水杉玲奈選手ら、世代トップクラスの実力を持ち、中学時代から切磋琢磨(せっさたくま)してきた選手がズラリと顔をそろえます。
東九州龍谷同様、将来を見据えながら強いチームをつくる基本に時間をかけており、特にブロックに関しては大学やVリーグなど、1つ上のカテゴリーのチームと同等と言ってもおかしくないほど、高いレベルのプレーを見せるチームです。トータルディフェンスが堅く、なかなかボールが落ちないので、崩すのは至難の業。タレントが豊富なだけでなく、非常に堅実なチームです。