「下手になっているんじゃないか」石川真佑がイタリア2季目で直面した“壁”【インタビュー前編】
「全然うまくいかなくて。あー、とか、うー、とか。もやもやすることがすごく多いし、特に最近は気持ちよく打てていないんです」
ノヴァーラでのレギュラーラウンドを終え、イタリアリーグの準決勝、CEVカップ決勝と結果を見れば昨シーズンを上回るステージで戦っていることに間違いないのだが、本人の中では「しっくりこない」と首を傾げる。
プレーオフを迎える直前の2月末、イタリアで石川に話を聞いた。
「自分の調子だけで言えば絶不調です」
まず、自分の調子だけで言えば絶不調です(笑)。シーズンが始まったばかりの頃はそれなりに調子よくできていたんですけど、今はスパイクが全然しっくりこない。昨シーズンはイタリアに来たばかりで、何がいい、悪いと感じる前に環境に慣れることで精一杯だったからそこまで感じたり、考える余裕がなかったのかもしれないですけど、2シーズン目になって少し余裕も出てきたので、自分も求めるものも高くなった。もっとやらなきゃ、という焦りが常にあります。
――「絶不調」という理由は?
スパイクもレシーブも昨シーズン以上でありたいと思っているんですけど、むしろ自分では真逆。サーブレシーブもミスが増えたり崩れることが多くて、スパイクも「こんなに打てなかったっけ?」と思うこともすごく多い。ヘタになっているんじゃないか、と思うことがすごく多くて。前は簡単に決められたのに決められない、ディフェンスもこのボールはもっと楽に上げられていたのに上がらない、と思う回数が増えた気がします。うまくいかないから余計にどうしよう、大丈夫かな、と不安が先行するし、迷いながらプレーしている。悪いところばかりを見ずに吹っ切ってプレーをしようと意識していますが、なかなかうまくいかない。今までもいい時ばかりではなかったですけど、ここまでの感覚、気持ちになることはなかったですね。
――壁に当たる、という感じ?
そうですね。いつもシーズンの最初はうまくいって、そこから煮詰まる時期があるけど、崩れてもすぐ戻るので、あまり気にしていなかったんです。もともと感覚でプレーするタイプなので、そこまでプレーについて考えること自体なかったのかもしれないですけど、今はちょっと、このままじゃダメだな、という思いが一番強いです。