昨年のリベンジを誓う岐阜女子高校 ウインターカップを制して初の3冠なるか

月刊バスケットボール

ウインターカップ初優勝は2年前

昨年の決勝で桜花学園(白)に2点差で敗れた岐阜女子(青)。今年のウインターカップを制し、初の3冠なるか? 【月刊バスケットボール】

 今年、インターハイと単独チームで挑んだ国体を制し、高校バスケットボール3冠獲得に王手を掛けてウインターカップに臨む岐阜女子高校。そんな岐阜女のウインターカップの歴史を振り返れば、2年前の劇的な逆転勝ちで初優勝を決めたことが記憶に新しい。

 2年前も今年同様、桜花学園(愛知)との2強だったが状況は異なる。今年、インターハイと国体を制したのに対し、当時はそのいずれも決勝で競り負けた。今年は3冠を狙うのに対し、当時は岐阜女が桜花の3冠を阻止する立場だったのだ。

 下馬評どおりウインターカップ2015の決勝で顔を合わせた両チーム。試合は、互いが相手の良さを消すような激しいディフェンスを披露し、ロースコアの展開に。特に岐阜女はシューターが徹底マークに遭って得点が伸びず。前半を24−12と12点ものビハインドで終えることとなった。

 しかし、追う岐阜女は後半からセンターにボールを集めてインサイドを中心に加点すると、じりじりと点差を詰めていく。それでも桜花は女王の意地を見せ、波に乗り切れないながらも遠藤桐(アイシン・エィ・ダブリュ)の勝負強いシュートなどで幾度となく悪い流れを発ち切る。

 そして両者一歩も譲らないまま迎えた終盤。残り1分半で、岐阜女がキャプテン村瀬久美(拓殖大)のドライブからのバスケットカウントで逆転に成功すると、浮足立つ桜花をしり目に残り29秒でもトドメのシュートが決まり、勝負あり。終盤にシュートチャンスをものにした岐阜女が54−49で初の冬の栄冠を獲得したのだった。

26回連続出場で積み上げた土台

 今回で26回連続出場となる岐阜女がウインターカップ初出場を決めたのは1992年(第23回大会)。そこから一度も県予選では敗れることなく、冬の全国の舞台に足を踏み入れている。

 毎年コンスタントに全国を経験し、着実に力を付けていったチームは、03年に当時の優勝候補だった東京成徳大高校を相手に2回戦であわやの展開を演じる。最後は残り11秒、1点リードの場面で成徳のスーパールーキー吉田亜沙美(JX-ENEOS)に逆転を許して大金星を逃したが、その戦いぶりは大きなインパクトを与えるものだった。

 そして翌04年、宮元美智子(元日本代表/三菱電機)ら前年の悔しい思いを経験した選手たちが中心となり、チーム史上初のベスト8入りを達成。その2年後(06年)にはその年のインターハイ覇者である桜花に準々決勝で延長の末に競り勝つと、準決勝でも倉敷翠松(岡山)に1点差で勝利。初の決勝進出を決めたのだった(決勝は福岡の中村学園に敗れた)。

 しかし、翌年にはインターハイで準優勝するものの、冬には初戦敗退(2回戦)という憂き目にも遭っている。

 ここ2年は決勝進出を果たし、今年も優勝候補の呼び声が高いが、過去の敗戦から、勝ち上がることの難しさを痛いほど知っているのも岐阜女を支える土台となっている。それだけに、今年のウインターカップでも一戦一戦、堅実な戦いを見せてくれるだろう。

注目選手は4番の石坂と7番のディヤサン

 選手として注目なのは、シューターの4番石坂ひなた、インサイドの絶対的柱である7番バイ・クンバ・ディヤサンら3年生。この2人は、1年生のときに優勝を経験し、昨年の決勝では桜花に2点差で競り負けているだけに、リベンジの思いも強い。また、2年生ガードの5番池田沙紀、6番木下七美らも夏から著しい成長を見せており、頼もしい存在だ。さらに、4番ポジション(パワーフォワード)には献身的な働きを見せる9番の阪納百(ばんのう・もも)に加えて10番の小野佑紀がけがから復帰。昨年はスターターとして準優勝に貢献した3年生の小野の存在はチームを後押しするだろう。

「油断をしないように。相手と戦う前にまず自分たちがどう準備をするかだと思います」と安江満夫コーチは兜(かぶと)の緒を締め直す。チーム初の3冠獲得という偉業達成なるか。冬の舞台で岐阜女がどんな戦いを見せてくれるのかに注目だ。

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◆ウインターカップ 12月23日(土)〜12月29日(金)全試合LIVE配信◆
バスケットボール天皇杯・皇后杯 準決勝、決勝 (1月6日、7日)も配信!
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