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完全復活を目指す桃田よ、牙を取り戻せ
コートでは“謙虚さ”と“強さ”の両立を

準々決勝敗退もA代表復帰

1年のブランクから復帰して臨んだ全日本総合だったが、桃田は準々決勝で敗れた
1年のブランクから復帰して臨んだ全日本総合だったが、桃田は準々決勝で敗れた【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

 謙虚さを身につけたが、牙が抜けていた。違法賭博行為による1年のブランクがもたらす影響は、大きかった。


 3日に閉幕した第71回全日本総合バドミントン選手権大会に出場した男子シングルスの桃田賢斗(NTT東日本)は、準々決勝で優勝者の武下利一(トナミ運輸)に0−2(20−22、15−21)のストレートで敗れた。桃田は、昨年4月に違法賭博店の利用が発覚。無期限の資格停止処分を受けて日本代表から外れ、金メダルの候補に挙がっていた2016年リオデジャネイロ五輪に出場できなかった。


 処分が明けた後、今年5月の日本ランキングサーキット大会で復帰して優勝。その後も参加できるレベルの国際大会に出場し、地道に結果を出していた。代表選考を兼ねた全日本総合で決勝に進出すれば、世界トップクラスの国際大会に派遣される日本A代表への復帰が決まる状況だったが、自力で勝ち取ることはできなかった。


 ただ、翌2日に記者会見に臨んだ日本代表の朴柱奉ヘッドコーチは、プレッシャーの克服や勝負所の積極性を課題に挙げながらも「ほかの大会も見てきて、1年半前のパフォーマンスに戻ってきていると思う」と評価。大会終了後、選手強化本部の推薦により日本A代表に内定した。

「大事に行き過ぎた1年だった」

負けたくないという気持ちからか、慎重にプレーしてしまい、勢いを見せられなかった
負けたくないという気持ちからか、慎重にプレーしてしまい、勢いを見せられなかった【写真:長田洋平/アフロスポーツ】

 20年の東京五輪に向けた完全復活が期待されるが、全日本総合の出来と結果に不安が残ったことは間違いない。1回戦、2回戦もファイナルゲームにもつれ込む辛勝。世界のトップを狙う若者が放っていたオーラは、消えていた。スピードや体力は取り戻してきたように思われていたが、勝負所で勢いがなかった。桃田は「復帰してからの1年をトータルで見て、守りに入っていて、大事に行き過ぎた1年だったと思う。試合の中でも、ミスをしないように、負けたくないから大事にと思い、大胆なプレーが少し減ってしまったと思う。決めたときのガッツポーズも遠慮した部分がある」と慎重にプレーしていたことを明かした。


 選手にはそれぞれ武器があるが、持っているだけで勝てるわけではない。武器であるスピードやスタミナ、技術をどう使うかが重要だ。持っている武器は磨き直してきたが、使い方まで取り戻せているわけではなかった。朴ヘッドコーチは「気を付けてやっている試合が多く(勝負所で)パッと行けていない。プレーが狭かった。18−18などの場面でハッキリとスピードを上げて攻撃できれば良かったのに、勝負に行かず、安全に行ってしまっていた」と鋭く指摘した。


 桃田は、相手の強打をコートすれすれのところからクロスにレシーブして得点を奪うなど、試合の中で技術の高さは示していたが、挑みかかってくる相手に対して試合の主導権を握ることができず、接戦を強いられ、そして敗れた。

平野貴也
平野貴也
1979年生まれ。東京都出身。専修大学卒業後、スポーツ総合サイト「スポーツナビ」の編集記者を経て2008年からフリーライターとなる。主に育成年代のサッカーを取材。2009年からJリーグの大宮アルディージャでオフィシャルライターを務めている。

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