厳しいグループに入ったアルゼンチン マラドーナは楽観視するも、チームを酷評

「最も手ごわい相手はクロアチア」

サンパオリ(中央)は「最も手ごわい相手は素晴らしい中盤を擁しているクロアチアだ」と警戒する 【Getty Images】

 アルゼンチンがグループDを首位通過した場合、決勝トーナメント1回戦では再びニジニ・ノヴゴロドでペルーかデンマーク(グループCの2位)と、準々決勝ではソチでポルトガル、スペイン、ロシア、ウルグアイのいずれかと対戦することになりそうだ。一方、2位通過の場合はベスト16でフランスと当たる可能性が高い。そこを勝ち抜けた際はニジニ・ノヴゴロドでポルトガル、スペイン、ロシア、ウルグアイのいずれかとぶつかる。

 厳しいグループに組み込まれたアルゼンチンにとって救いとなるのは、広大なロシアにあって移動距離が比較的短いことだ。拠点とするブロンニツィは初戦の舞台となるモスクワまで約55キロメートル、第2戦のニジニ・ノヴゴロドまでも400キロメートル余りの距離にある。第3戦のサンクトペテルブルクもモスクワから600キロほどと近く、首位通過すれば再びニジニ・ノヴゴロドが会場となる。これは疲労回復の点で大きなメリットになるはずだ。

 抽選結果を受けたサンパオリは以下のようにコメントした。

「落ち着いてほしい。組み合わせが決まったことで、これからは確信を持ってプランを立てられる。同組に入ったのは勝利が義務付けられておらず、希望を持って戦えるチームばかりだ。彼らにとっては唯一無二の大舞台となるからね。最も手ごわい相手は素晴らしい中盤を擁しているクロアチアだ。ナイジェリアは予測不能なチームであり、スピードのある選手が多い。先日の親善試合では前半を通して素晴らしいゲームができたが、後半は虚を突かれて連続失点を喫してしまった」

 アルゼンチンについては「自分たち次第」としながら、「私は素晴らしい大会にできるチームだと確信している。しかも、われわれには世界最高の、そして史上最高の選手であるメッシがついている」とエースの存在を強調した。

 先述したマラドーナの発言に対しては「われわれのポテンシャルを出し切れていないという点については同意する。だが予選の終盤には目指しているフットボールを垣間見ることができた。やるべきことはたくさんある」と返している。

(翻訳/工藤拓)

2/2ページ

著者プロフィール

アルゼンチン出身。1982年より記者として活動を始め、89年にブエノス・アイレス大学社会科学学部を卒業。99年には、バルセロナ大学でスポーツ社会学の博士号を取得した。著作に“El Negocio Del Futbol(フットボールビジネス)”、“Maradona - Rebelde Con Causa(マラドーナ、理由ある反抗)”、“El Deporte de Informar(情報伝達としてのスポーツ)”がある。ワールドカップは86年のメキシコ大会を皮切りに、以後すべての大会を取材。現在は、フリーのジャーナリストとして『スポーツナビ』のほか、独誌『キッカー』、アルゼンチン紙『ジョルナーダ』、デンマークのサッカー専門誌『ティップスブラーデット』、スウェーデン紙『アフトンブラーデット』、マドリーDPA(ドイツ通信社)、日本の『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント