W杯抽選会、変更点とポイントは? 日本は厳しい組に入る可能性が高まる

清水英斗

W杯組み合わせ抽選会は1日24時から

ロシアのモスクワで、現地時間12月1日18時(日本時間24時)、W杯本大会の組み合わせ抽選会が行われる 【Getty Images】

 これから約半年の間、私たちは3つの国・地域の名前が頭から離れなくなる。12月1日、ロシアのモスクワで、ワールドカップ(W杯)本大会に出場する32チームを8つのグループに分ける抽選会が行われる。現地時間18時(日本時間24時)より、その様子はFIFA(国際サッカー連盟)公式サイト、あるいはNHKでも視聴できる。

 抽選は、開催国と強豪国が属するポット1の振り分けから始まる。AからHグループのうち、開幕戦が行われるAにロシアが入ることは、すでに確定。残るB〜Hに入るチームをくじ引きで決める。それが終わったらポット2、さらにポット3、ポット4と抽選は進む。このとき同じ大陸連盟に属するチームが同グループにならないように、くじは調整される。ただし、チーム数が多い欧州だけは、同グループに2つまで、という縛りだ。

 日本が入るポット4の抽選が行われるころには、大方のグループ分けは済んでいる。1つの空席を残す各グループのうち、どこに入るか。私たちは固唾(かたず)を呑んで見守ることになる。

 ポット分けは以下の通りだ。

ポット1:ロシア、ドイツ、ブラジル、ポルトガル、アルゼンチン、ベルギー、ポーランド、フランス
ポット2:スペイン、ペルー、スイス、イングランド、コロンビア、メキシコ、ウルグアイ、クロアチア
ポット3:デンマーク、アイスランド、コスタリカ、スウェーデン、チュニジア、エジプト、セネガル、イラン
ポット4:セルビア、ナイジェリア、オーストラリア、日本、モロッコ、パナマ、韓国、サウジアラビア

今大会はすべてFIFAランク順のポット分けに

厳しい組み合わせが予想されるが、日本はどのチームと同組になるか? 【Getty Images】

 4年前のブラジル大会からの変更点は、ポット分けの方法だ。前回までは、ポット1のみFIFAランキング1〜7位の上位国が入り、その他はポット2にアフリカと南米、ポット3はアジアと北中米、ポット4は欧州、といった具合にポットを分けることで、同じ大陸連盟の対戦を防いでいた。

 ところが、今回はポット2、ポット3、ポット4もすべてFIFAランキング順(開催国をのぞく)。大陸連盟に関係なくポット分けを行い、抽選時に、そのチームが入れないグループを除外しながら、くじを引く。

 この変更によって、何が変わるのか? まず、シード国を除くと従来はあり得なかった、アジアと北中米、あるいはアフリカと南米が、同じグループになる可能性がある。日本を例に取ると、従来はメキシコやコスタリカと同グループになることはあり得なかったが、今回はくじ次第で実現する。フラットに力関係を見れば、アジアは世界最弱と見られているので、北中米にとっては躍進のチャンスだろう。

 逆に、日本にとっては厳しいグループに入る可能性が高まったと言える。最下位のポット4に入っているため、セルビア、ナイジェリア、モロッコ、パナマといった、欧州、アフリカ、北中米のFIFAランキング低位のチームと同グループにはならない。FIFAランキングが低いということは、比較的直近の試合で成績を残していないということ。そうした国が除外されれば、厳しいグループになる可能性が高くなるのは必然だ。もっとも、セルビアやナイジェリアらも日本に対し、同じことを思っているかもしれないが。

 アジアからはイランだけが、ポット3に滑り込んでいる。同大陸を避けてくじを引くため、イランはセルビア、ナイジェリア、モロッコ、パナマのいずれかと必ず同グループになる。同時に、ポット3のデンマーク、アイスランド、コスタリカ、スウェーデン、エジプトらとは対戦しなくて済むアドバンテージを得た。

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著者プロフィール

1979年12月1日生まれ、岐阜県下呂市出身。プレーヤー目線で試合の深みを切り取るサッカーライター。著書は「欧州サッカー 名将の戦術事典」「サッカーは監督で決まる リーダーたちの統率術」「サッカー観戦力 プロでも見落とすワンランク上の視点」など。現在も週に1回はボールを蹴っており、海外取材では現地の人たちとサッカーを通じて触れ合うのが楽しみとなっている。

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