W杯抽選会、変更点とポイントは? 日本は厳しい組に入る可能性が高まる
対戦順、場所も重要な要素
対戦国のほかに、もう1つ重要な要素がある。それは対戦順だ。抽選会ではチームのくじを引いた後、そのチームがグループのどこに入るのか。たとえばAグループなら、A1、A2、A3、A4のいずれか。その場所を決めるくじが、続けて引かれる。ただし、ポット1はすべてグループ最上位のA1やB1に固定され、それ以外のポット2〜4の国を、A2〜A4といった各グループの場所に割り振る。
できれば避けたいのは、“2”だ。ここに入ると、初戦でB1対B2など、ポット1の強豪と対戦することになる。短期決戦だけに、勝って勢いをつけることは大事だ。負けると、後々に尾を引く可能性がある。また、メンタル面だけでなく、ゲーム戦術においても勝ち点を先行すれば、最終戦は「引き分け以上で突破確定」「2点差以内の負けでも突破確定」といった逆算の駆け引きが可能になる。その意味でも、初戦で強豪のポット1と当たる“2”の場所は、できれば避けたい。
ポット1で実力的に劣るロシアと同グループのA2だけは、やや事情が異なるが、それでもA2に入ると、開幕戦を戦うため、開催国からのプレッシャーは大きい。勝ち点先行で進めるためにも、プレッシャーを避けるためにも、“2”には入りたくないところ。
もっとも、ハリルジャパンは最終予選でも、初戦黒星で予選突破したケースはゼロ、という定説をひっくり返している。ハリルホジッチが指揮したアルジェリアも、ブラジル大会の初戦でポット1のベルギーに敗れながら、逆転でグループ突破を決めた。このチーム、この監督は、そういう逆転のメンタリティーが似合うのかもしれない。そう考えれば、“2”も悪くないが。まあ、どこに入ろうと、有利不利は一概には言えない。ものは考えようだ。
最後に抽選のポイントとして、試合が行われる場所にも注目したい。ロシア大会は11都市12会場で試合が行われる。距離があるため、ほとんどの移動は飛行機だ。気候は全体的に涼しく、サッカーに向いた環境でプレーできることが予想される。ただし、南部のボルゴグラード、ロストフ・ナ・ドヌ、ソチ、加えてサマーラの4都市は、日中気温が運動のパフォーマンスを低下させる25度を少し超え、夏日になる可能性が高い。ブラジル大会ほど深刻に考える必要はないかもしれないが、頭に入れておきたいポイントだ。