監督就任へ、ランパードが描く第2の人生 重視するのは心構え、ハードワーク、育成
活躍の秘訣は、舞台裏でのハードワーク
ランパードは自身の経験から、「ハードワーク」の重要性を語る 【スポーツナビ】
「基本的に2つの要素があると思います。1つは確かに、『点を取るための才能』です。それは確かだけれども、何よりも先に来るのは『ハードワーク』と『練習』です。得点を決めてピッチ上を上下動できるように、僕も裏では体力強化に努め、たくさん練習をしていました。それはイングランド人でも日本人でも、世界中のどこのMFであろうと関係なく、そういうものなのだと思います。僕にとっての秘訣は、舞台裏でのハードワークでした」
トッププレーヤーとしての経験を生かし、「選手時代に多くの監督の下でプレーして、いろいろな監督の良い面も悪い面も見てきました。その中で自分なりの監督像をつくっていければと思っています」とランパードは話す。一方、指導者として選手と接するにあたり、鍵となる時期があることも心得ている。チェルシーではU−18の練習にも参加したランパードは、「若手の育成に、すごく関心があります。グラウンドでのプレーのみならず、人間としての育成にも非常に力を入れていきたいと思います」と、話している。
そんな指導者の卵にとって、U−17やU−20イングランド代表の年代別ワールドカップ(W杯)制覇は、大きな意味を持つようだ。元イングランド代表の口から期待する新星の名を聞きたがる声をけん制しながら、こう話す。
「特にU−17など、ユースレベルで成功を収めたことにイングランドが沸き上がっているのは、正しいことだと思います。そういった選手たちに今期待されることは、チェルシーでもどこでも、ファーストチームで経験を積めるかどうかです。ユースとファーストチームの間のプレーの差を埋めようと努力して、さらにフル代表に入っていくことが大事です。でも、彼らはすでにハードワークを始めていることだろうと思います。選手たちは、この瞬間を本当に楽しむべき。
僕らもW杯を制するチームを擁していることを誇るべきです。でも今の彼らは自分たちのクラブに戻って、今後の2、3年の成長を見据えて、懸命に仕事に取り組まねばなりません。できればイングランドが4年か5年、あるいは6年後にその恩恵を受けることを願っています」
リーダーとして成功する秘訣は3つ
リーダーとして成功する秘訣は「人間性」「姿勢」「謙虚さ」。重要視するものは一貫している 【写真:Action Images/アフロ】
心構えの重要性。それはこの日のランパードのコメントに一貫して表れている。長らくチェルシーのキャプテンマークを巻いた経験から、リーダーとして成功する秘訣についてこう語った。
「僕の経験から3つ挙げましょう。まずは『人間性』です。高いレベルのパフォーマンスも必要ですが、チームをまとめる上で、人格者であることが非常に大事だと思います。2つ目が『姿勢』です。キャプテンがプレーにどれだけ没頭しているかを目にすることで、あれくらいのレベルになりたい、と周囲の選手も刺激を受けて強くなっていくものだと思います。3番目が『謙虚さ』です。キャプテンであれ1人の選手であれ、僕は謙虚な姿勢でハードワークしている人を非常に尊敬してきました。エゴを前に出しすぎないことが大事だと思います。この3つが、キャプテンにとって大事なことですね」
心構え、練習、育成年代。ランパードの話には、重要視するものが一貫して表れている。
「監督になるのならチェルシーの監督になりたい」
「チェルシーの監督になりたい」というレジェンドは、どんなキャリアを歩むのか 【スポーツナビ】
「当然長くチェルシーでプレーをしてきたのだから、監督になるのならチェルシーの監督になりたいと思っています。でも、それが簡単ではないことも分かっています。良いコーチ、監督であることを示していくことだけが、いつか夢を実現させることにつながると思っています」