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強い気持ちで、ACL優勝を誓う柏木陽介
「浦和レッズを強豪クラブにするために」
10年ぶりのアジア王者を目指す浦和。決勝進出の原動力となった柏木に話を聞いた
10年ぶりのアジア王者を目指す浦和。決勝進出の原動力となった柏木に話を聞いた【撮影:大崎聡】

 失われた栄光が、再び日本サッカー界に戻ろうとしている。


 9月27日と10月18日に行われたACL(AFCチャンピオンズリーグ)準決勝において、浦和レッズは上海上港にアウェーで1−1で引き分けると、ホームでは1−0で勝利して決勝進出を果たした。日本勢の決勝進出は9年ぶりで、浦和にとっては10年ぶりになる。


 その原動力になっているのが柏木陽介だ。堀孝史監督が採用する4−1−4−1のシステムでは右インサイドハーフに入り、アイデア溢れるパスでゲームを作るだけでなく、裏へ飛び出して得点源にもなっている。上海との第1戦では右足で同点弾をたたき込み、第2戦ではCKからラファエル・シルバの先制点をアシストした。


 ACL決勝の相手はサウジアラビアの名門アル・ヒラルだ。まず11月18日(現地時間)に敵地で第1戦が行われ、25日に埼玉スタジアムで第2戦が行われる。決戦に向けて、柏木に話を聞いた。(取材日:2017年11月9日)

みんなで頑張って戦って勝ち取った決勝

上海上港との準決勝は、レベルが「相当に高かった」という
上海上港との準決勝は、レベルが「相当に高かった」という【写真:田村翔/アフロスポーツ】

――準決勝の上海上港戦は、本当に激しい試合になりましたね。ACLとJリーグの違いはどこにあると思いますか?


 Jリーグはリーグ戦なので守備が堅くなる試合が多いのに対して、ACLはお互いが自分たちの全力を出し切ろうとする試合になりやすい。本当にこれこそ“ガチ”なんじゃないかなという試合ができます。


――上海にはフッキ、オスカルらがいて、すごくハイレベルな試合に思えました。レベルという点ではどうですか?


 相当に高かったと思います。アジアでは上海以上のチームはないのではないかというくらいに、攻撃力に突出したものがありました。だから守備陣もやりがいがあるし、「守り切ってくれたら僕たちが点を取る」。そういう信頼関係のもとで試合ができたと思います。


――第1戦では柏木選手がアウェーゴールを決めました。先制されながらも、同点にできた要因はどこにありましたか?


 試合の入りで、上海が「ガッツリいくぞ」という感じを出してこなかったので、それに少し助けられたかなと思います。先に失点はしましたが、前半は僕たちがボールを持つ時間が増えて、「アウェーでこれだけやらせてくるんだ」というのがありました。一方、相手は先に点を取って「今日はいけるぞ」という気持ちになってしまったのかなと。それで隙ができて、こちらに点を取るチャンスができたと思います。


――逆にホームで迎えた第2戦ではかなり守備に追われ、耐える展開になりました。


 やっている僕らとしては、相当に疲れました。あえて課題を探して言うと、できればもう少しボールを保持したかったです。


 だから、あの試合を見て、「良かった、素晴らしかった」というのは、サッカー界としてはどうなのかなという思いもあります。「レッズだったらもっとボールを持てたよ」と、考えることもできる。守備に関しても、「もう少し前からプレッシャーに行けたら良かったんじゃないかな」っていう思いもありました。少し不完全燃焼を感じています。とはいえ、あくまで「課題を探したら」という話ですよ。間違いなく、みんなで頑張って戦って勝ち取った決勝です。

インサイドハーフは好きなポジション

システム変更後のインサイドハーフは「好きなポジション」だと語る
システム変更後のインサイドハーフは「好きなポジション」だと語る【撮影:大崎聡】

――7月30日、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督が成績不振で解任され、掘監督の下でACL決勝進出を果たしました。システムも3−4−2−1から4−1−4−1に変わった中、短期間でよく切り替えられましたね?


 4−1−4−1になって僕的には新鮮に感じた部分がありました。前めのポジションでやりたい気持ちもあったので、すごく楽しんでできました。このフォーメーションに変わったときに、「あれ、これ俺が好きなポジションかも」と感じたんです。


――4−1−4−1のインサイドハーフになってから、すごく前に飛び出すようになった印象を受けました。


 自分が走って裏で受けようという狙いと、誰かが受けられるようにスペースを作ろうという狙いを常に持っています。それをやりやすいポジションかなと。


――浦和はうまい選手が集まっていて、パススピードも速い印象があります。ACL決勝でも、それが生きるでしょうか。


 サウジアラビアみたいな相手だと、守備のときにすごく(ボールに)食いついてくると思うので、ポンポンポンとワンタッチのプレーを3回くらい入れたら、すごくいいシーンを作れそうな気がします。


 フォーメーションのバランスは大事ですけれど、バランスを崩した中でうまくいくこともあると思います。今はバランスを意識しすぎて、流動性が出づらいときがあります。近くの三角形ばかり意識して、遠くが動かないから相手が守りやすい。両インサイドハーフがスイッチするなり、外(サイド)の選手とチェンジするなり、ポジションを代えてみることも必要なのかなと思います。

木崎伸也
1975年、東京都生まれ。金子達仁のスポーツライター塾を経て、2002年夏にオランダへ移住。03年から6年間、ドイツを拠点に欧州サッカーを取材した。現在は東京都在住。著書に『サッカーの見方は1日で変えられる』(東洋経済新報社)、『革命前夜』(風間八宏監督との共著、カンゼン)、『直撃 本田圭佑』(文藝春秋)など。4月に日本と海外をつなぐ新メディア「REALQ」(www.real-q.net)をスタートさせた。

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