混戦模様の女子ツアーをデータ解析! 畑岡奈紗など若手の台頭に注目
女子ゴルフでは熾烈な賞金女王争いが展開。そのトップには鈴木愛が立っている 【写真:Nippon News/アフロ】
※本コラムのデータはすべて2017年11月7日時点のもの
データで見ても今年は混戦模様
出場試合数は少ないものの、申ジエが安定した成績を出し上位につけている 【写真:Nippon News/アフロ】
賞金女王争いは、選手のデータを見るとさらに面白くなる。
13年以来4年ぶりの日本人賞金女王に期待がかかる鈴木。豪快なショットが印象的だが、彼女の武器は何と言ってもパッティング。平均パット数は現在1位。昨年も平均パットで年間1位を獲得している。シーズン後半戦、勝負所のパットをデータ通りの上手さで沈められるかが、賞金女王を引き寄せるキーポイントだ。
賞金ランキング5位だが、平均ストロークでトップに立っている申ジエは要注目だ。今季は1月中旬から続く体調不良で開幕4試合目が初戦。その後も欠場する試合があるなど、賞金ランキングトップの鈴木よりも4試合も出場試合数は少ない。スコアの安定度ではトップなので、この後もこの好調を維持できればランキングはさらに上昇するだろう。
パーオン率では賞金ランキング3位のイ・ミニョンがトップ。また、ホール数が多いパー4の平均スコアは賞金ランキング4位のテレサ・ルーがつけるなど、今季のデータは項目ごとにトップ選手がさまざま。15年と16年は賞金女王を獲ったイ・ボミが各データの多くでトップに立っていただけに、今年は最後まで賞金女王争いがもつれそうだということがデータを見ても分かる。
また、賞金ランキング6位までの選手で賞金女王経験者は上田(07年)のみ。歴代女王としてシーズン後半の快進撃も期待される。
男子はデータで見ると小平逆転の可能性も
男子ツアーでは小平智が平均ストロークとバーディ率でトップ。ほかのデータでも上位につけている 【写真:長田洋平/アフロスポーツ】
現在、賞金ランクトップのチャン・キムは、イーグル率でこそトップに立っているが、平均ストロークとバーディ率でトップにつけているのは小平智(4位)。平均パットが2位、フェアウェイキープ率とパーオン率では3位と安定したゴルフが際立っていることが読み取れる。それに対し、池田勇太(2位)、宮里優作(3位)は、平均パットこそ宮里が小平を上回るトップにつけているが、それ以外のスコアに繋がるデータはほとんど小平に及ばない状態。各データで上位にいない池田が賞金ランキング2位につけているのは勝負強さの現れか。
データだけを見ると、小平が賞金王に一番近い存在であり、今後の逆転の可能性もなくはないだろう。
18歳・畑岡が帰国後、強さを発揮!
米ツアーから日本に戻り、いきなりの2週連続優勝を飾った畑岡。世代交代の象徴と見て取れるだろう 【写真:Nippon News/アフロ】
「これからは私たちの世代が日本を引っ張っていくべきだと思う」――。
畑岡奈紗が日本女子オープンを連覇した際に語った優勝コメントが記憶に残っているゴルフファンは少なくないだろう。畑岡は昨年、アマチュアとして日本女子オープンを制覇。その後プロ転向し、ルーキーイヤーで米国女子ツアーに挑戦したが結果を残せず帰国。しかし、米国での経験は彼女を飛躍的に成長させ、9月から参戦した日本の試合で連覇を達成。メンタルも強くなったのか、冒頭の力強い優勝コメントを発した。その後も常に上位に入る活躍を見せており、今後のさらなる活躍に期待がかかる。
女子の畑岡に見るようにゴルフ界全体を見ても世代交代の波は来ている。男子の賞金王は、30代の池田、宮里も争っているが、28歳の小平がそのすぐ後ろにつけるが 、その下には26歳の今平周吾、29歳の片岡大育、24歳の時松隆光といった次の世代の選手が中心になってきた。
女子ではさらに若い10代ながら大物の片鱗(へんりん)を見せる選手も多い。14年に15歳でツアー優勝を果たし、今年プロ入りした勝みなみ、日本女子オープンで3位に輝いたアマチュアの小倉彩愛(17歳)など、宮里藍の引退に合わせたかのように、新たな選手が続々と出現している。これらの選手の活躍にも注目していきたい。
真の王者は誰だ! ツアー最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」
数々の名場面を生み出してきたこの大会。トップ選手たちのプレーに最後の最後まで目が離せない展開となるだろう。白熱する賞金王争いを制する選手とともに、今季の“王者の中の王者”が決まるメジャー最終戦。「最後の戦い。真の王者は誰だ?」
<テレビ放送予定>
日本テレビ系全国ネット
【大会3日目】
12月2日(土)13:30〜14:55(22局ネット 生中継)
【大会最終日】
12月3日(日)15:00〜16:55(31局ネット)
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