東京五輪へ、ビーチバレー界に起きた変化 越川、二見ら転向組が存在感を発揮
2017年シーズンのビーチバレーボール界では、越川らインドアからの転向組が大きな影響を及ぼした 【写真は共同】
「未完の大器」のデビューシーズン
長谷川(右)とペアを組む越川は、転向後4カ月で国内最高峰の大会で決勝進出を果たした 【Getty Images】
さらに9月下旬に行われた「ジャパンビーチバレーボールツアー第9戦都城大会」の準決勝では、日本トップチームに君臨し経験値の高い白鳥勝浩(トヨタ自動車)・高橋巧(了徳寺大教員)組に勝利。たった4カ月間で、決勝の舞台まで上り詰めたのだ。
8月中旬から越川とペアを組んでいるビーチのプレー歴10年の長谷川徳海(愛媛県競技力向上対策本部)は、越川についてこう話す。
「僕が今まで組んできたベテラン選手たちと考え方や動きが似ている。細かい指示をしなくてもそこを目指してくれるし、自分を引っ張ってくれる。今まで日本を支えてきたトップ選手と同じ匂いがする」
苦労した石島も、自身の成長に手応え
石島(左)は砂の上での戦いに苦労したが、自身の成長に手応えを感じている 【坂本清】
しかし、転向当初は砂の上で100キロ超の巨体を扱うのに苦労していたが、「身体の中から湧き出る力強さが変わってきたし、砂の深さに関係なくなめらかに動けるようになってきた。結果は出ていなくても、決してあせってはいない。自分が成長していることは間違いない」と、石島は手応えを感じている。
デビュー1年目でポテンシャルの高さを発揮した越川と石島。アジアのトップにも食い込めず、世界に水をあけられている男子ビーチバレーボール界にとって、東京五輪への一筋の光になったことは間違いない。ベテランの西村晃一(WINDS)も、2人の存在を絶賛している。
「いい状態で打つときのサーブやスパイクの速さ、強さは、今いる選手たちと比べものにならない。V・プレミアリーグや全日本でやってきた実力というのを、他のビーチ選手も感じていると思う。越川と石島は、もっとできる選手と絡んでいけば、まだまだ伸びる可能性を持っている」
越川と石島。ビッグネームの存在は、確実に男子ビーチバレーボール界の底上げを生み出した。