五郎丸歩が語る“原動力” 「根底にあったのはコンプレックス」

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試合を重ねるごとにパフォーマンスが上がっている

落ち着いた表情で質問に答える五郎丸歩 【赤坂直人/スポーツナビ】

 2015年のラグビーワールドカップを機に、ラグビーという枠を超えたスターとなった五郎丸歩(ヤマハ発動機)。スーパーラグビーのレッズ(豪州)、フランスリーグのトゥーロンで世界最高峰の選手と戦ってきた男は、2シーズンぶりに戻ってきた日本で何を感じているのか。

――2シーズンぶりに復帰したトップリーグ。ここまでのご自身のプレーの手応えは?

 一番わかりやすいところではキックに大きな変化を加えて臨んだシーズンです(今季からゴールキックの際のルーティンを変更)。今のところ非常に順調にきていますし、キック以外のプレーに関しても試合を重ねるごとにパフォーマンスが上がっています。

――スーパーラグビーやフランスリーグを経験したことで、身についたスキルはありますか?

 一番はやはりキックですね。レベルの高いキッカーと一緒にトレーニングをしていましたし、大きく変化を加えたという意味でも、キックがもっとも成長できていると思います。

大学時代から日本代表選出も「センス型では絶対にありません」

厳しいトレーニングを重ねることで進化を続けてきた 【赤坂直人/スポーツナビ】

――大学時代に日本代表に選ばれるなど早くから活躍されていますが、ご自身ではセンス型、努力型など分けると、どういうタイプだと思われますか?

 センス型では絶対にありませんね。「人」に恵まれたと思います。監督もそうですし、チームメイトもそうですし。もちろん努力はしましたけど、みんな努力はしているので。
 そう考えると、僕には良いタイミングで、良い出会いがたくさんあったからこそ、ここまで来られたのだと思います。

――FB(フルバック)として世界で戦うための原動力となったものは。

 根底にあったものはコンプレックスでした。「外国人には勝てない」と思い込んでいたマインドを大きく変えたいと思ったので、ウェイトトレーニングをして体を大きくしましたし、スピードトレーニングも行いました。コンプレックスが根底にあったからこそ、一歩ずつ進むことができていると思っています。

 2012年にエディージャパンに入ってから、より「外国人に勝ちたい」という思いが強くなりました。エディー(・ジョーンズ日本代表前HC)の目標が具体的で「世界のトップ10に入る」というものだったので、僕としても世界のトップ10のプレイヤーを見て、「このレベルに達しないといけない」というゴールが明確になって、やりやすかったです。

「トップリーグは可能性を無限に秘めたリーグ」

海外のラグビーを経験することで、新たに見えてきたものもある 【赤坂直人/スポーツナビ】

――日本と海外でトレーニングの違いはありますか?

 エディージャパンを基準に考えるのであれば、海外は楽かもしれないですね(笑)
 海外と日本の大きな違いは自分をコントロールする力だと思っています。全員で同じメニューをするのではなくて、「自分がこうなりたい」という意志を持って、トレーニングメニューを変えたり、休んだり……。そのあたりの自己コントロールは日本人選手はまだできていないように感じます。「みんなと同じメニューをやって、しんどさを共有しないと勝てない」という指導を受けてきた選手が多いので、そこは大きな違いだと思います。

――トレーニングを快適にするために工夫していることはありますか?

 しんどい練習が続くと、特に朝の練習はつらい時もありますが、スタイリッシュなトレーニングウェアを着たり、少し自分をかっこよく見せることでテンションを上げることもあります。

 キック練習は全体練習が終わったあとに個人で行うので、これから寒くなる時期は体を冷やさないことが大事です。そういう意味でもウェア選びは機能性を重視していて、暖かくても動きにくければ意味がないですし、動きやすくてもすぐに冷えてしまうのも困ります。いま着ているクライマヒートは機能性が高いので、こうした優れたウェアの存在が、選手としての寿命を伸ばしてくれると思います。

――日本に戻ってきて感じていることは?

 トップリーグは可能性を無限に秘めたリーグだと感じています。フランスもオーストラリアもプロの集団で、プレーだけではなく、マーケティングなども進んでいました。その部分で日本は遅れているので、19年のワールドカップを機にパフォーマンスだけではなくて、周りの環境を含めて向上していくと良いなと思っています。

(取材・文:安実剛士/スポーツナビ)
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