日本代表、W杯予選を過去2大会と比較 ゴール、アシスト、出場時間の1位は?

 サッカー日本代表はワールドカップ(W杯)ロシア大会の2次予選で7勝1分け(27得点無失点)、最終予選で6勝2分け2敗(17得点7失点)という成績を残して6大会連続となるW杯出場を決めた。

 今回のW杯予選はどんな傾向があったのか。ここでは、「ゴール」「アシスト」「出場時間」に注目し、過去2大会の予選と比較しながら、日本代表の戦いぶりを振り返ってみたい。

ゴール数1位は本田だが……

【データおよび画像提供:データスタジアム】

 ロシア大会予選で最多7ゴールを挙げた本田圭佑。ブラジル大会予選でも5得点を挙げて2位に入っており、岡崎慎司や香川真司とともに代表で変わらず決定的な役割を果たしていることがうかがえる。しかし、本田がゴールを決めたのは2016年9月、最終予選の初戦となったUAE戦(1−2)までさかのぼる。最終予選では4試合連続ゴールを決めた原口元気が際立ち、久保裕也、浅野拓磨、井手口陽介というリオデジャネイロ五輪世代の若い選手たちも結果を残した。

 また、南アフリカ大会予選は中澤佑二と田中マルクス闘莉王(ともに3得点で最多タイ)、ブラジル大会予選は栗原勇蔵(2得点)、ロシア大会予選は吉田麻也(4得点)といずれもセンターバック(CB)の選手が一定のゴールを記録している。セットプレーの重要性を物語るデータといえそうだ。

攻撃でも貢献する両SB

【データおよび画像提供:データスタジアム】

 アシスト数でも1位タイとなった本田は16年10月にアウェーで行われたオーストラリア戦で原口のゴールをお膳立てするなど、計5得点を演出。得点以外でも重要な働きを見せた。清武弘嗣は出場時間が422分と本田(1109分)の半分以下で同じ5本のアシストを記録し、限られた時間でしっかりと結果を残している。

 3位には中盤の香川と山口蛍に並んでサイドバック(SB)の長友佑都と酒井宏樹がランクイン。長友はW杯出場を決めたホームのオーストラリア戦でディフェンスラインの裏を取る浅野にピンポイントのクロスを供給し、酒井宏は17年3月アウェーのUAE戦でスルーパスから久保のゴールをアシストするなど、重要な試合で均衡を破る印象的な働きを見せた。彼ら両翼がいかに高いポジションを取ることができるかは、“ハリルジャパン”にとって大きなポイントだ。

 ゴールと同様に、過去2大会と比べてアシストを記録した選手が多いことも特徴で、コンディションを重視して多くの選手を起用したハリルホジッチ監督の傾向がデータに表れている(南アフリカ大会予選10人、ブラジル大会予選9人、ロシア大会予選13人)。

最終予選で唯一全試合フル出場の吉田がトップ

【データおよび画像提供:データスタジアム】

 出場時間が最も長いのは吉田。最終予選では初戦のUAE戦でいきなりイエローカードをもらい、常に累積警告で出場停止となる可能性がある中、以降はカードを出されることなく、ロシア大会最終予選で唯一となる全試合フル出場を達成した。

 2位には出場停止となったアウェーのオーストラリア戦を除く9試合に先発出場を果たした酒井宏がランクイン。9位に入ったGK西川周作は3月のUAE戦から守護神の座を川島永嗣に譲り、タイ戦以降は招集外が続いている。

 南アフリカ大会ではともに1位の中澤と闘莉王が本大会でも変わらず主軸として活躍した一方、予選ではほとんど出番のなかった本田や川島が中村俊輔や楢崎正剛に代わって出場機会をつかんだ。ブラジル大会でも予選で出場時間10位、ゴール数では3位に入っていた前田遼一は大迫勇也や柿谷曜一朗の台頭もあり、本大会のメンバー入りはならなかった。

 ロシア大会でも過去2大会と同様に、W杯出場を決めてから躍進する選手が現れるかもしれない。予選と本大会でどれだけ変化があるのか。選手のコンディションを重視するヴァイッド・ハリルホジッチ監督の選択に注目だ。

※本スタッツデータは大会公式とは異なる場合があります。

(テキスト:豊田真大/スポーツナビ、グラフィックデザイン:安川裕三)
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