阪神・大山「与えられた場所で結果を」 ドラ1ルーキーが語る成長と課題
阪神のドラフト1位として大きな期待がかかる大山 【写真:BBM】
春季キャンプは1軍帯同も、開幕は2軍で迎えた。しかしこれは球団の育成プランに沿ったもの。大山もそれを理解し、1軍で活躍できる体力と技術を身につけていった。そして6月23日に1軍デビューを迎えた。
「自己管理も重要な仕事」
もちろん悔しさはありました。しかし、これからしっかり活躍するための下地作りというか、体力作りなどの期間をいただけたのだ、と思いました。そういうふうにプラスに考えて、この期間をムダにしないように練習をしていました。
――6月に1軍に昇格したときの気持ちはいかがでしたか?
緊張するよりも、まず自分が与えられた仕事をしっかりやらないといけないな、と思いました。チームの勝利のために頑張ろうと。
――現在、1軍に上がってから約2カ月。夏場となり、疲れは出てくると思います。
疲れは出るのは当たり前のことだと思っています。そのせいでパフォーマンスが落ちたとかいうのは言い訳にはならないです。疲れている中で、どう成績を残していくのかのほうが大事だと思っています。なので、自己管理も重要な仕事のひとつとして考えています。
――昨年までの学生時代とは体調管理の面で違いはあるのでしょうか?
プロの場合は「時間の流れ」というのがある程度決まっています。そこでいろいろなことを毎日繰り返すので、体調を合わせやすい部分はあります。しかし、その中でもやはり「睡眠時間」をどれくらい取れるかが、一番重要かなと感じています。どうすればいい体調で試合に臨めるか、試行錯誤中です。
――プロ1年目、自分の思い描いている睡眠時間を確保することは容易でないと思います。
いろいろやることが多いので、それが終わってから寝るとどれくらいの時間が取れるかは、毎日違います。そこも自分の中で試しながら、一番いい体調になるように、睡眠時間の調整もしています。
――では、技術の面で、1軍のカベなどは感じたのでしょうか?
技術の面では勉強すべきことがたくさんありました。もちろん2軍でもたくさんありましたが、それ以上でした。1軍ではよりしっかり自分で考えることが多くなりました。
――自分で考えて行動を起こすということでしょうか?
はい。技術面でも、的確な表現をするのは難しいのですが……いろいろなことを「考えて」やらないと試合には出られないんだと。ただ打席に入ったら、来たボールをしっかり打つことが重要なので、ボールに対し集中することだけを心掛けています。
――もちろん、配球なども自分で研究したりしている。
はい。配球を読んで打席に立つことは、今後の自分への勉強にもなると思っています。これからもそこは突き詰めたいと思っています。
ファーストストライクを振る意味
7月1日のヤクルト戦、プロ初安打となる一発でチームの連敗を止めた 【写真:BBM】
――昇格してからは、初球のストライクから積極的にどんどん振っていき、好球必打の傾向があります。
データなどを見ながら振りに行くこともあります。それよりも僕の中ではファーストストライクを振りに行く意味があります。それは相手の投手の間合いと、ボールのタイミングを合わせに行くためです。また振ることによって、打席の中で気分的にラクになります。やはり、消極的になって見送ってしまったときは、結果は決まって良くないです。
――ファウルになったときでも、次にタイミングが合わせやすくなるのでしょうか?
はい。振ってファウルなら、さらに修正しやすくなります。やはり、振らないことにはタイミングを計れません。
――それにより打撃フォームの変化があったのでしょうか?
打撃フォームは開幕前から変化してきています。でも、打撃はタイミングが一番重要だと思うんです。打撃フォームよりも、タイミングの取り方と間合いの方を重点的にコーチなどと話し合いながら修正してきました。
――現在はスタメンで起用されたり、代打の1打席だったりと一定ではないですよね。タイミングの取り方も簡単ではないと思います。
代打は1打席のみなので難しいです。それに代打としていつ呼ばれるか分からないですし、そのための準備もなかなか難しいと感じています。また打席に立ったときに、その試合の雰囲気もすぐに察知しないといけません。スタメンなら少しは流れを感じながら打席には立っていますけど。だからといってスタメンがラクなわけではないです。それに代打は試合中の集中力の継続が難しいです。だからこそ、ベンチでの待ち方を勉強しています。
――いろいろ勉強することがあるんですね。
はい。試合前の過ごし方や試合後の過ごし方、そこをムダにならないようにしています。コーチにアドバイスを受けて行動することも大切だとは思うのですが、それ以上に自分が置かれた状況などを考えながら動くことがさらに大切かな、と思います。
――コーチからの技術指導も含めたアドバイスもそうでしょうか?
コーチの皆さんは、現役時代の経験とコーチの経験がスゴイですよね。その経験を踏まえて教えて下さっているので、それはしっかり聞いて取り入れようと思っています。そこから、そのアドバイスが自分にどう合うのかを考え、見極めて自分のモノにしていこうとしています。