阪神・大山「与えられた場所で結果を」 ドラ1ルーキーが語る成長と課題

週刊ベースボールONLINE

守備については「チャンス」

不慣れなポジションで出場する機会が多い大山だが、試合に出るためのチャンスと前向きに捉えている 【写真:BBM】

 打撃を生かすべく、もともとのサードではなく、アマチュア時代に守ったことのないファーストやレフトに入る。打撃だけでも頭の中がいっぱいになりそうな中で、守備も一流になるため、毎日目前の試合に集中しながら攻守ともに日々成長を目指している。

――プロに入ってから初めて外野を経験しています。さらに不慣れなファーストもやっています。ここも勉強中でしょうか?

 勉強……というよりもそこに関してはチャンスだと思っています。僕の場合は、試合に出ることが一番だと思っていますので。やったことないのに出場させてもらえる、という恵まれた機会をもらえているわけですから。

――打撃を生かす守備での起用法ですからね。

 だからこそ、どこでもいいのでレギュラーをつかみ取りたいですし、しっかりやりたいです。それに守備は守備、打撃は打撃で分けて考えているので、守備が初めてだから打てないということがないように、練習しています。

――では、今はファーストミット、内野手用、外野手用グラブを3つ用意してあるんですね?

 はい、用意しました。手入れが大変だとか、そういう考えはまったくないです。これは自分にとって試合に出場するための絶対的な必需品ですから。

――1年目から打撃だけでも大変ですが、不慣れなポジションをこなすのはさらに大変ですよね?

 試合に出ている以上は、それなりのレベルにしておかないといけないと思います。経験がないから、という言い訳はできないですし、チームの勝利に貢献したいと思っています。

――その中で、勝利の喜びは学生時代とは違うものでしょうか?

 勝つことは、学生時代もプロも同じうれしさですね。どちらかというと負けたときが少し違います。学生時代は負けたときに、その悔しさをずっと引きずっていましたが、プロは翌日も試合があるので……その切り替えが難しく感じています。

――そこはどう自分の中で切り替えていますか?

 反省するところは反省して、しっかり次の試合を見据えようと思っています。いい意味で引きずらないようにしています。割り切りです。

――それでも1軍昇格した当初は当然、引きずりましたよね。

 はい。次の打席、次の日までそうなることはありました。コーチなどから一喜一憂するなということも言われました。

――それが2カ月経っていかがでしょうか?

 前打席を引きずるスパンは少し短くなってきました。もちろん、反省は試合後にしっかりしなければいけないとは思っています。そこの長さをどう調和させるかだと思います。

――一方で、ホームランを打った後などは、うれしさを持ち続けていますか?

 打った喜びは……その場で終わりにしたいと思っています。そのうれしさを引きずると、次の打席で結果が悪くなると思います。ただ、打ったといういい流れは保ちたいです。今はそこをきちんとやれるように毎試合努力はしています。

――最後になりますが、今後の目標などがあれば教えてください。

 僕の中では、この先を見据えた目標はありません。今日も試合がありますし、明日も試合があります。その中で、自分の与えられた場所でしっかり結果を残したい、ということだけを考えています。それを積み重ねながら1試合1試合しっかりやりたいなと。「毎日、毎日、今日のこの試合でしっかり結果を残す」。このことだけを心掛けています。

【取材・構成=椎屋博幸 写真=前島進(インタビュー)、BBM】

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