8月のプロ野球を日程面から考察 新たな“死のロード”は生まれるのか

ベースボール・タイムズ

パ・リーグ2強は対照的な日程

ドーム開催が多いソフトバンクと、屋外開催が多い楽天。8月の日程がペナントの行方を左右するか 【写真は共同】

 一方、東北楽天、福岡ソフトバンクの上位2強による激しい優勝争いが展開中のパ・リーグは、8月の日程が優勝争いに大きな影響を与えそうだ。

 有利なのはヤフオクドームを本拠地とするソフトバンク。屋根はあれども“アウトドア感覚”のメットライフを屋外球場と数えた上でみると、8月の26試合中15試合がドーム球場開催で、そのうち10試合をヤフオクドームで実施。屋外球場11試合の中には北海道・旭川での2試合(29日、30日:北海道日本ハム戦)もある。4日から10日にかけての関東遠征(4日〜6日:メットライフ、8日〜10日:ZOZOマリン)をしのげば、18日からの20日に控える楽天戦(Koboパーク宮城)を除いて、体力的な消耗は最小限で済む。

 それに対して楽天は、8月の27試合中、ドーム球場開催は3試合のみ。1日から蒸し暑いメットライフでの埼玉西武戦、4日から10日にかけて本拠地・Koboパーク宮城に戻って6試合を戦った後、11日から13日まで京セラドーム大阪でのオリックス3連戦が8月唯一のドーム球場開催。本拠地での試合が計15試合あり、移動面でのメリットはあるとはいえ、やはり暑さは大敵。昨年の8月は計15日が最高気温30度以上の真夏日だった仙台。4年ぶりのリーグ優勝へ向けて、太平洋高気圧にはおとなしくしてもらった方がいいだろう。

8月の西武がペナントのカギを握る!?

破竹の9連勝を飾るなど絶好調の西武。8月は上位との対決も多く控え、勝負の1カ月となりそうだ 【写真は共同】

 その他のチームを見ると、最も“涼しい夏”となるのがオリックスだ。8月の24試合中、実に16試合がドーム球場開催で、1日の京セラドーム大阪から途中、札幌ドーム、ヤフオクドームと2度の遠征を挟むが、20日までの全16試合すべてがドーム球場開催(うち京セラドーム大阪で12試合)。その後は屋外球場が続くが、ほっともっと神戸での2試合もあり、ビジター10試合に対して、ホーム開催は14試合と多い。7月17日からビジター8連戦で8連敗を喫して“死のロード”をひと足早く味わったオリックスだが、その借りは日程に恵まれる8月にきっちりと返さなくてはならない。

 そしてカギを握るのが3位につける西武だ。7月を破竹の9連勝で締めた絶好調チームは、8月に入って本拠地メットライフを舞台に1日から3日まで楽天、4日から6日まではソフトバンクと上位2強との6連戦を控える。その後も、楽天とは15日〜17日(メットライフ)、29日〜31日(Koboパーク宮城)、ソフトバンクとも22日〜24日(ヤフオクドーム)と上位対決を残す。首位とのゲーム差は依然として大きい(7月30日時点で7ゲーム差)が、チーム状態は最高潮にある獅子軍団が、上位2強にとっての新たな“死のロード”を生み出すかも知れない。

(三和直樹/ベースボール・タイムズ)

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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