羽生挽回の1位「昨日は寝付けなかった」 2位宇野、今季は「上の方で戦えている」

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宇野FSは2位「落ち着きすぎていて……」

ショート1位の宇野は、フリーでも2位につけた。自己ベストとは16点近い差があったものの、安定した成績を残した 【坂本清】

――フリーを振り返って。

 本当に普通でした。練習通りが出てしまったかなと。

――チームを引っ張る活躍だったが。

 本当に引っ張っているのはユヅくんで、僕は僕のやれることをやって、ユヅくんに付いていこうという気持ちでした。引っ張っていこうという気持ちは全然なくて、ただ自分のやれることをやっただけです。

――羽生選手から何か声は掛けられたか?

「ショートありがとう」と言われました(笑)。ショート、フリー共に練習通りが出てしまったんですけど、それは練習が悪いということなので、まだまだ練習が足りないなと思いました。

――来季に向けてはどう考えている?

 来シーズンも攻め続けたいなと思っています。今回フリーでフリップを全く跳ぶことができず、それを来季に向けてのひとつの課題として、試行錯誤していきたいと思います。

――ショートが終わって、「攻め切りたい」と言っていたが、その気持ちは貫けた?

 落ち着きすぎて、攻めたというか練習が終わったという感じで(苦笑)。試合前も6分間練習も、演技前も演技後も落ち着いていて、何も緊張しなくて、なおかつ興奮して力が入り過ぎるということもなく、本当に練習という感じで、練習通りのことが出たので、何か不思議でした。

――後半に4回転フリップを初めて入れた感触は?

 フリップはまだまだやる回数が少なかったので、何が悪かったのか分からないくらいの失敗でした。これから頑張っていきたいなと思います。

――気持ちが入らなかったというのは?

 集中していなかったわけではないんです。いつもだったらすごい集中をしているんですけど、逆に落ち着いていて、それが悪い意味でもなく、良い意味でもなく本当に練習通り。それが理想だと思うんですよ。練習通りを試合で出すのが難しいので、ただそれができたというのは良かったと思います。それで跳べなかったというのは練習がダメだったんだと思います。

宇野のフリー演技 【坂本清】

――試合の中でのメンタルを気にしていたと思うが、今日の体験というのはどう感じている?

 今まで試合というのは集中して、気持ちを高めて、万全の状態で120パーセントの力を出さないとという気持ちだったんですけど、アジア大会のショートであまりにも何も感じず、気持ちが入らなかったので、集中しようと思ったら失敗してしまった。その次の大会でまた落ち着いていたんですけど、そのままやろうと。「無理に集中させることもない、練習でできているんだから」と思ってやっていたら、良い方向に向いてきたかなと思います。

――気持ちのコントロールをできるようになったと感じるのか、それともまだまだなのか。最終戦を終えてみてどう思う?

 最後に思ったのは、気持ちをコントロールしようとするんじゃなくて、気持ちに自分が合わせる。そっちかなと思いました。無理に合わせようとするのではなく、そのとき感じている気持ちにどう合わせるかが大事なんじゃないかと思いました。

――4回転フリップは技術的に何が良くなかった?

 まず力が足りなかったですね。4回転フリップは力で跳んでいるので、技術というより、技術に至る最低限の力が足りなかったなと。体力がなかったわけではないんですけど、フリップを跳ぶほどの体力がなかったという感じです。

――各選手が疲労困憊(こんぱい)の中で、ショートとフリーをそろえられたことに関してはどう感じている?

 世界選手権自体が僕はあまり疲れなかったので、「疲労が」とか「あんな大きな試合の後で」というのを感じなかったんですね。特別な思いもなく、疲れも通常通りで、普通でした(笑)。

――ベースが上がったなと感じる?

 そうですね。世界選手権が終わって、ちょっと上がったかなと思いました。練習でもこれまで4回転ループはそれほど成功していなかったんですけど、成功するようになりましたし、ループとフリップを入れた構成でもノーミスができるようになってきたので。四大陸のときはノーミスできる感じではなかったんですけど、だいぶ基準が上がったなと感じました。

――今年1年を総括して、自分は世界でどれくらいの位置にいると感じる?

 シーズン初めには考えられないくらい、上の方で戦えているなという実感があります。ただ、トップではないという自覚もあるので、ここでとどまらず成長していきたいなと思います。

――今季は試合も多かったが?

 どうなんですかね。僕はもうちょっと試合が多くてもいいと思っています。試合が好きなんですよね。アイスショーも好きですけど、試合をしていたいです。

――試合の方がジャンプは跳べている?

 練習でもあれくらいはできているんですよ。ただ、公式練習と6分間練習がひどすぎて(笑)。「試合では強い」とよく言われるんですけど、公式と6分間が弱すぎるんですよね(笑)。

――今季で一番良かった試合と悪かった試合は?

 世界選手権が一番うまくいきましたね。良い方に気持ちも高まって落ち着いていました。悪かったけど、良いきっかけになったのがアジア大会のショートです。全然ダメだったのは全日本選手権ですね。何も得ることなく、ただダメな演技をしました(笑)。

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