大会場でも沸かせるレスラー・武藤敬司 東京03豊本のプロレスあれこれ(11)

東京03 豊本明長

DDTのビッグマッチ、さいたまスーパーアリーナ大会を観戦してきました 【写真:前島康人】

 今回のコラムはビッグマッチについてです。

 というのも第19回東京03単独公演「自己泥酔」が5月25日から28日まで東京の草月ホールというところで行われます。

 そしてその後、愛知、長野、富山、大阪、静岡、北海道、広島、岡山と全国を回ります。

 この単独公演がいわば僕らのホームであり、年に一回行なう単独公演全国ツアーこそがプロレスでいうところのビッグマッチだと思います。

DDTさいたまSA大会は大盛況

第0試合からメインまで大盛況で終わりました 【写真:前島康人】

 新日本で言えばイッテンヨン東京ドームであり、DDTなら、さいたまスーパーアリーナ大会であったり、みちのくプロレスなら宇宙大戦争。

 自身の団体で行う大きな大会。

 幸い、僕らが公演を行う会場はコントが見やすいように収容人数がとんでもなく大きい会場は使えません。あまりに大きい会場だと表情とかが見えなくなるので。

 でもプロレスは万単位の会場にも対応できるソフトです。

 過去に猪木さんの引退試合が7万人、平壌での平和の祭典では19万人だったり、とんでもない数の観衆です。

 そして先月行われたDDTのさいたまスーパーアリーナ大会に行ってきました。

 小さなインディー団体だったDDTがここまで大きくなったことをうれしく思いつつ、実際「スーパーアリーナが埋まるの?」などと勝手な親心を胸に。

 結局、心配は無駄に終わり、満員の観客。ダークマッチ、いわゆる第0試合から最後まで盛り上がっていました。

大会場で起こる前方と後方の“ラグ”

大会場ではどうしても生まれてしまう前方と後方でのタイムラグ。しかし武藤選手(中央)は違いました 【写真:前島康人】

 ただ、この興行中に感じたんですけど、普段200人から多くて1000人クラスの会場で試合をしている若い選手にとって、その10倍以上のキャパシティーの会場との相性って難しいなぁと思いました。

 すごく鋭く技が決まっても会場の沸き方が前の方と後ろの方とのズレがあるというか……。言葉ではなんとも表現しづらいんですが……。

 僕は丁度リング最前列から会場の1番後方の中で、真ん中あたりに座っていました。前の方の反応も分かるし、後ろの方の反応も感じられる席でした。

 試合を見ていて、前の方が沸いて後から後ろの方が沸く。単純に音が届くラグといえばそれまでで、基本はそうなんですが、そもそもラグだけが原因では無い気がしてしまいました。

 何故そう思ったかというと、その音のラグは今まで東京ドームや横浜アリーナでプロレスを何度も見ていますし、お笑いの仕事でもお客さんの反応が会場の大きさや作りでラグがあったりするのを体感したりしています。

万単位を相手にできるスター性と求心力

武藤選手のシャシニングウィザードはみんな一斉に湧きました! 【写真:前島康人】

 しかしその中で、武藤敬司選手は違ったんです。

 武藤選手のシャイニングウィザードの瞬間はキッチリ前も後ろも同時に沸いたんです。

 たくさんのお客さんがいるので、マニアだけではない、その中で一般的に知名度のある武藤選手の知名度のある必殺技というだけといえばそれまでなのかも知れませんが、だとしたら音のラグも感じるはずです。

 それを超えた何かがあるんです。

 それは万単位の会場で試合をしてきた経験値であり、万単位を相手にしても輝くスター性と求心力なんでしょうか。

 よく考えたら、何度となくドーム大会のメインを締めてる武藤選手。中でも、99年の新日本の東京ドーム大会のメインが武藤vs.スコット・ノートン戦。“あの”橋本真也vs.小川直也戦があり、大仁田厚vs.佐々木健介戦ありの混沌とした大会のメインを締められる選手ですもんね。

 武藤選手は特別なのかも知れませんが、DDTも万単位のお客さんを相手にする選手、そういう思考を持った選手が増えていくといいなぁと思いました。

 ちなみにこのDDTのさいたまスーパーアリーナ大会のゲストで出ていた南海キャンディーズの山里亮太さんが肛門爆破をされた時は、武藤選手と同じく会場が1度に沸いてました。山里さんは万単位の芸人でした。

 あ、ちなみに肛門爆破を知らない人に説明しますと、肛門を爆破することです。

山ちゃんの肛門爆破は、万単位のお客さんを湧かせる芸です! 【写真:前島康人】

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著者プロフィール

プロダクション人力舎所属のお笑いトリオ「東京03」のメンバー。「特技:プロレス観戦」というほどのプロレス通。FIGHTING TV サムライでは「速報!バトル☆メン」の水曜司会も担当している

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