メッシ不在のW杯はあり得るのか? 代表チームの「若返り」を求める声も

国内の識者は「チームを刷新すべき」と指摘

国内ではパウロ・ディバラ(写真)ら、将来性のある若手を中心にチームを刷新すべきという声も多い 【Getty Images】

 誰が代表監督を務めるべきかという話題と並び、現在アルゼンチンで活発に議論されている話題がある。近年代表チームに名を連ねてきた常連の選手たちが、今後もチームの中核を担うべきか、それとも早急に現在のサイクルに見切りをつけ、若い世代に希望を託すべきか――ということだ。

 大多数の意見は後者に傾いている。

 アンヘル・ディ・マリアやエセキエル・ラベッシ、セルヒオ・ロメロ、ハビエル・マスチェラーノ、セルヒオ・アグエロ、パブロ・サバレタらは、選手個人としてはその働きを高く評価されている。だが、14年のW杯ブラジル大会をはじめ、15年と16年のコパ・アメリカと3大会連続でファイナルをものにすることができなかった彼らは、国民に挽回し難いほどの深い失望をもたらした。人々はそれが南米予選の不振につながっていると考えているのだ。

 メッシと親しい仲にある選手たちはサンパオリの就任を望んでおり、それは十分に実現する可能性がある。彼がセビージャとの契約を解消するのに必要な違約金は、6月30日を境に800万ユーロ(約9億4000万円)から150万ユーロ(約1億7000万円)まで引き下がると言われているからだ。だが、問題はサンパオリが就任した場合、これらの選手たちが引き続き南米予選を戦うことにある。

 監督交代に加え、パウロ・ディバラやマウロ・イカルディ、アレハンドロ・ゴメス、フェデリコ・ファシオ、エミリアーノ・インスーア、ルーカス・プラット、ヘロニモ・ルッリらヨーロッパや国内で活躍する将来性豊かな選手たちに未来を託し、チームを刷新するには、今がぎりぎりのタイミングにある。アルゼンチンでは多くの識者がそう考えている。

「ケーキがなくても誕生日を祝うことはできる」

メッシ不在のW杯など、FIFAが許すはずがない。そう考えている者も多いが…… 【写真:ロイター/アフロ】

 これらの議論が繰り返される中、今も「メッシ不在のW杯はあり得るのか?」という問いが驚きとともに投げ掛けられている。メッシ不在のW杯など、FIFAが許すはずがない。そう考えている者も多いが、南米フットボール連盟(Conmebol)の弁護士を務めるモンセラット・ヒメネスはこう答えている。

 「誕生日にケーキがないのはベストではないが、ケーキがなくても誕生日を祝うことはできる」

 恐らくこの一言は、これまでアルゼンチンのフットボールファンが耳にしてきた中で最も厳しいものとなったに違いない。

(翻訳:工藤拓)

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著者プロフィール

アルゼンチン出身。1982年より記者として活動を始め、89年にブエノス・アイレス大学社会科学学部を卒業。99年には、バルセロナ大学でスポーツ社会学の博士号を取得した。著作に“El Negocio Del Futbol(フットボールビジネス)”、“Maradona - Rebelde Con Causa(マラドーナ、理由ある反抗)”、“El Deporte de Informar(情報伝達としてのスポーツ)”がある。ワールドカップは86年のメキシコ大会を皮切りに、以後すべての大会を取材。現在は、フリーのジャーナリストとして『スポーツナビ』のほか、独誌『キッカー』、アルゼンチン紙『ジョルナーダ』、デンマークのサッカー専門誌『ティップスブラーデット』、スウェーデン紙『アフトンブラーデット』、マドリーDPA(ドイツ通信社)、日本の『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿

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