選手層の厚みが増した千葉ロッテ 7年ぶりの日本一へ、限界を超える

千葉ロッテマリーンズ

中村と平沢ら若手によるショートの激しい定位置争いが生まれた今キャンプ。伊東監督も「必死さが出ている」と手応えを感じている 【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】

 千葉ロッテは今季オープン戦の18試合を13勝2敗3分で終えた。25年ぶりに1位となり、最高の形で3月31日のシーズン開幕を迎えた。伊東勤監督は「オープン戦の結果はまったくあてにならないので」と笑うと、こう続けた。

「レギュラーとして固定した選手がいないなかで、若い選手たちが競争しながら戦った結果ですね」

 2012年秋に指揮官となってから、伊東監督はチームに競争を促してきた。

「ずっと言い続けてきたことを選手たちが理解してくれて、必死さが出てきています」

 伊東監督はオープン戦の勝敗以上に、競争が生まれてチーム力が底上げされたことに手応えを感じている。

中村、伊志嶺らが猛アピール

昨年までショートのレギュラーだった鈴木をセカンドにコンバート。ショートの座を巡って激しい競争争いが勃発した 【写真提供:千葉ロッテマリーンズ】

 野手陣では、昨季までショートのレギュラーだった鈴木大地を今季からセカンドへコンバート。ショートのポジションを巡って中村奨吾や平沢大河らが激しく競い、開幕時点では中村がその座を手にしている。

「中村は総合力で他の選手よりも若干リードした。できればショートで固定できるくらいの活躍をしてほしいけど、シーズンは長いからね」と伊東監督。中村もレギュラー安泰の立場ではなく、まだまだ競争が続いていることを示唆する。

 外野では昨季の首位打者・角中勝也を中心に、荻野貴司、伊志嶺翔大、清田育宏、加藤翔平、岡田幸文らがし烈なレギュラー争いをしている。そのなかで、オープン戦で猛アピールを見せたのが伊志嶺だ。

 プロ6年目の昨季は5月に右太もも裏を痛めたこともあり、1軍で3試合しか出場できなかった。昨季までは背番号「5」を背負っていたが、今季からは「38」に変更。オープン戦では16試合で打率3割2分4厘、1本塁打、9打点と好成績を残している。

 伊志嶺について、伊東監督は言う。

「打球の鋭さが増しましたね。背番号が変わって、意気込みが今までとは違う。彼はおっとりした性格だけど、今年は笑顔が減って、キリッとした表情をしていますよ。それだけ危機感を持って、必死にやっているということでしょう」

新外国人選手コンビへの期待

 昨季まで打線の中心だったデスパイネが福岡ソフトバンクへ移籍。昨季24本塁打を放った主砲が抜けた穴を埋める存在として、新外国人選手のパラデスとダフィーが加わった。

 パラデスはドミニカ共和国の出身で、メジャー通算6年で332試合に出場して20本塁打を打っている両打ちの強打者だ。オープン戦では17試合で打率3割4厘、1本塁打、5打点の成績を残している。

 ダフィーはアメリカ出身で、メジャー経験は通算2年で11試合と少ないが、15年に3Aで打率2割9分4厘、20本塁打、104打点を記録している右の中距離打者だ。オープン戦では16試合で打率2割9分8厘、12球団トップタイの4本塁打、同トップの15打点をマークした。

 開幕時点ではパラデスは「4番・DH」で、ダフィーはサードで起用される。伊東監督は新外国人コンビへの期待を口にした。

「パラデスは4番だけど、状況に応じて進塁打を打つなど、チームのための打撃も考えて打席に入っている。全力疾走するし、スキがあれば次の塁を狙う姿勢もいい。ダフィーはサードの守備がしっかりしているし、長打も期待できる。何より2人ともまじめ。練習でも手を抜くことがないし、研究熱心。これからもっとよくなる選手たちだと思いますよ」

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